
渇水の影響で、予定されていた給水制限が延期となる事態が起きています。一方、過去最低の貯水量となったダムでは、湖底に沈んだ街が姿を現しました。
渇水で当時の面影が出現
ダムに沈んだ故郷。
ダム建設で集団移住 山田充さん(78)
「川がくねくねしている。これは川弟川」
深刻な渇水で、今、当時の面影が出現しています。
「神奈川県の水がめ」と呼ばれ、水道の水源になっている宮ヶ瀬ダムです。満水時には、コバルトブルーの水がなみなみとたまっていましたが、水がなくなったことでダムができる前にあった道がむき出しになっています。
本来、ダム湖に沈んでいる道路。30キロの速度制限の表示が、新たに現れていました。
雨不足の影響で、19日の貯水率は36%まで低下。過去最低の貯水量となっています。
「ここまで水源がなくなったのを見るのは久しぶり。かなり渇水」
78歳の山田さん。
「ここがコンクリ橋」
生まれ育った故郷が、ダムに沈むことになり、集団移転した1人です。
「私の家族。おばあさん、母親、私、妻、娘3人。自分の家の前で写真を撮った」
沈んだ故郷現れ浮かぶ記憶
湖の底には、かつて多くの人々が暮らす集落がありました。
1965年、ダムができる前の写真です。川の上には、車が通れる橋や住宅が建ち並んでいます。1980年代には、ダムの建設に伴い、281世帯が集団移転しました。
当時、30代だった山田さん。移転した厚木市の自宅には、ダムに沈んだ故郷の在りし日の姿が。
「これが私の家です。これが離れ。結婚してつくった。ここが小学校。今ここは湖の底」
「湖底に残る体育祭」と掲げられる中、旧校舎で“最後の運動会”が行われました。
「50メートルくらいの土手があって学校があった」
近くには、かつて神社があり、40年の時を超えてその跡が確認できます。
「湖水から道路が立ち上がっている右側に大きな木があるが、そこが神社跡。熊野神社」
山田さんは当時、旧建設省との交渉役を担っていたといいます。
「10年以上ダムの交渉をしてきたので、この水源が県民の水道水にもなっているので、意義があると、今は良かったと思っている」
大渡ダム 深刻な渇水が…
各地で渇水が起きる中、貯水率が0%だったダムでは異変が。
大渡ダム管理所 伊藤道啓さん
「想定外だった」
ダムの管理者も驚く、新たな事態が起きていました。
高知県の「大渡ダム」では、雨不足の影響で先月31日に貯水率が0%になってから、今月も0%が続く深刻な渇水に陥っていました。
大渡ダムの水は、高知市の住民に水道水として供給されています。
高知市上下水道局 浄水課 武内慎輔課長
「各家庭の水圧低下、水の出が悪くなることに備え設置した臨時の応急給水所」
高知市は、市内5カ所に臨時の給水所を設置。ダムの貯水率が低下したことを受け、水道水を制限する「減圧給水」を行っているためです。
武内課長
「約30年ぶりの異常渇水。水圧を下げた運転をしている」
タンクに水をためて、いざという時に備える住民も。
住民(80代)
「(断水)怖いから飲み水は入れてないが水道水をためている」
「想定外」の上昇なぜ
市民の水源となっている「大渡ダム」を19日に取材すると、貯水率に大きな変化が起きていました。
伊藤さん
「2月10日は0%だったが、今は17%くらいに戻っている」
貯水率が0%の時は、水位がこの位置だったのが、19日は、ここまで上昇しています。貯水率は17%以上にまで回復しました。
2月の雨量は、平年の半分以下と少ない中、一体なぜ?
「雪が流域で降っていた。それが土日で暖かい日が続き、雪解け水が出ているのでは。雪解けが想定外だった」
ダムの上流に位置する愛媛県久万高原町では、“今季最強寒波”の影響で、1月下旬と2月上旬に、10センチ以上の積雪が観測されていました。
高知市は、今月末に見込んでいた、「第2次給水制限」を延期することに決めました。ただ、水不足は続いています。
(2026年2月19日放送分より)
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