牧野議員
【映像】生保の収益はほぼ「死差益」を示すグラフ
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 4日の衆議院財務金融委員会で、参政党の牧野俊一議員が生命保険の「死差益」の問題をとりあげた。

【映像】生保の収益はほぼ「死差益」を示すグラフ

 牧野議員は「参政党は行き過ぎたグローバリズムから日本人と日本の国益を守るということを一貫して訴えておりますけれども、今回は生命保険業界を通じた国富の流出について質問をさせていただきます」と切り出した。

 そして、生命保険業界の利益は主に、「利差損益」(予定利率に基づく運用の収益と実際の運用収益の差)」と、「死差損益」(保険金給付金の支払い予想額と実際に支払った額の差)の2つが大きいとし、「日本の主要生命保険会社の直近2024年の利益4兆円弱のうち、3兆円弱は死差益だ」と、この「死差損益」の問題に踏み込んだ。

 牧野議員は「ドイツやイギリスでは死差益の9割、その他の国でも死差益の半分以上を返還するという、明文化しているルールあるいは慣習がございます。一方日本では医療アクセスが非常に容易で、衛生環境や治安が良好ということもあって、世界的に見ても契約者が亡くなることなく満期を迎える割合が高く、死差益が非常に拡大しやすい、いわば保険会社から見ればおいしい市場である。にもかかわらず死差益返還に関する明確なルールがありません」と説明。

 続けて「とりわけ株式会社の場合は第一に保護されるべき契約者ではなくて、株主が優先されるケースが散見されます」と述べ、「(外資系3社を含む大手5社だけで)株主配当で約5000億円超の流出が実際に発生していて、これらの例えば半分2500億円が契約者配当などの形で国民に還元されていれば、毎年かなりの経済効果が見込めるとともに、多くの人の可処分所得向上に寄与できると考えます」と主張した。

 そして「死差益というものは本来契約者が受け取るべきものであって、保護法益であるということを明確にするべきだと考えます」として、規制の在り方を見直すべきではないかと質問した。

 これに対し金融庁の井上企画市場局長は「契約者に対する還元の在り方につきましては、保険商品の設計にあたり、“配当として還元するか”あるいは“無配当とする代わりに保険料を下げるか”いずれかを優先するということについては、各保険会社の創意工夫のもと経営判断に委ねられることが重要だと考えております。我が国の外資系保険会社は一般に無配当の商品が多いと認識しております。その背景としては、死差益が生じた場合には保険会社の利益となり契約者配当が得られないものの、逆に当初、保険料の払込額を抑制したいといったニーズを踏まえた商品販売が行われてきたものと認識しております」と述べた。

 続けて「いずれにしても生命保険会社の適切な商品設計の中で発生した死差益については、一義的には保険会社に帰属するものです。その分配については株式会社や相互会社といった会社形態に応じて株主や契約者に適切に分配されるべきものと考えております」とし、「金融庁としては現時点で直ちに死差益について還元率規制を設ける必要があるとは考えておりません」と答えた。

 片山さつき金融担当大臣は、「制度の整理としてはこういうことでございますが、今般プルデンシャル生命保険の営業者に対して非常に遺憾な件が起きておりまして、今後こういうことが起きないようにどうするかということをやっているわけですから、さまざまな状況をきちっと調べて適正な制度運用、国民から見て納得できるような制度運用に努めてまいりたいと思っております」と答えた。(ABEMA NEWS)

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