東日本大震災から15年 「対策で変わったこと」「変わらないこと」を日赤職員が解説 「備蓄は3日でOK→1週間目標に変化」

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【映像】「ガラス飛散防止フィルム」など、ひと目で分かる「家の中の安全対策」

 東日本大震災から15年を迎えるにあたり、日本赤十字社の土居正明氏と玉井温子氏に、災害対応における「変わったこと・変わらないこと」について聞いた。

【映像】「ガラス飛散防止フィルム」など、ひと目で分かる「家の中の安全対策」

 日本赤十字社の土居氏は、この15年で大きく「変わったこと」として、避難の多様化を挙げた。かつては「避難所へ行くこと」が唯一の正解と思われがちだったが、現在は自宅の安全が確保できれば留まる「在宅避難」や、ホテル・車中泊など複数の場所に分かれる「分散避難」など、個々の状況に合わせた形が普及している。

 また、避難所での生活環境についても、東日本大震災をきっかけに「雑魚寝」による健康被害(呼吸器疾患など)が課題となり、段ボールベッドの導入といった改善が進んだ。これにより、「災害関連死」を防ぐ意識が大きく向上するきっかけとなった、と土居氏は述べた。

 女性への配慮にも変化がある。玉井氏は以前から言われていたとしながらも「東日本大震災の避難所で授乳室が足りない、プライベートスペースがないといった問題が出てきたので、それが政策に落とし込まれた」と説明。さらには、女性に限らず、障がいを持った方への配慮やユニバーサルなデザインなども強く再認識されるようになったという。

 食事の面でも変化が見られ、避難所で提供される食事はこれまでのコンビニおにぎりやパンやカップ麺といったものから、栄養バランスの取れた「温かい食事」の提供へと官民を挙げた努力が続いている。玉井氏は、日常生活の中に備えを組み込む重要性を指摘し、普段からカット野菜を洗って冷凍しておくなど、特別な準備ではなく「生活の延長線上」でできる備えが非常時の支えになると解説した。

 一方で、15年を経ても「変わらないこと」として、土居氏は津波避難の鉄則を強調した。揺れたらすぐに高いところへ逃げること、そして警報が解除されるまで避難を続けるという行動は、今も昔も変わらず命を守る基本である。また、家具の固定や、地域住民同士で助け合う「共助」の精神も、公的な支援に限界がある災害直後においては不変の教訓であると語った。

 備蓄については、「かつては3日分あればいいと言われていたが、大きな災害になれば支援が届くためまで時間がかかるという理由から現在はできれば1週間分程度を目標にするようにと言われるようになった」と説明。さらに、「必要なものをしっかり備蓄していく。あるいは消費しながら買い足す『ローリングストック』方式にすることが推奨される」とした。日赤の調査では、震災を「忘れてはいけない」と考える人が多い一方で、自身の対策や備えについて「十分だと思う」「ある程度できている」と答えた人はわずか20.5%という実情がある。

 情報収集の手段がスマートフォンへと移行し、SNSによる安否確認が普及した現代では、フェイクニュースに惑わされない見極めも新たな課題となっている。土居氏は、「信頼できるリソースから情報を得ること」の重要性を説き、15年前の教訓を風化させることなく、現代のツールに合わせた備えの更新を呼びかけた。

(ニュース企画/ABEMA

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