
埼玉県立小児医療センターが11日に会見を行い、謝罪しました。白血病の治療で抗がん剤を注射した10代の男性患者が、先月に死亡。また、同じ注射を受けた別の2人の患者も意識不明の重体となっています。病院は、事故と事件の両面の可能性があるとして、警察に届け出ました。
【画像】抗がん剤注射で10代患者死亡…同じ注射の2人が意識不明の重体
同じ注射の2人 意識不明の重体

埼玉県立小児医療センター 岡明病院長
「この度は誠に申し訳ございませんでした」
さいたま市にある埼玉県立小児医療センターは、地域の中核を担い、先進的な小児医療を行っています。今回行われた治療は珍しいものではなく、使用された薬剤も通常広く使われている抗がん剤でした。しかし、その抗がん剤治療を受けた白血病患者3人が重い神経症状を引き起こし、そのうち1人が死亡しました。患者3人に共通するのは、抗がん剤を脊髄(せきずい)の周辺に注入する『髄腔(ずいくう)内注射』を受けていたことです。

去年1月、10歳未満の男の子が、治療後に歩行が難しくなるなどの神経症状を発症。3月には10代の男性患者に太ももの痛みなどの症状が現れました。2人はその後、全身にまひが広がるなどし、現在、意識不明の重体です。

埼玉県立小児医療センター 渡邊彰二副病院長
「(2人の)症状が少々違っていたので、まれに見る、本来投与したはずの薬の副作用がたまたま2例出たと考えた」

しかし10月、今度は10代の男性患者が抗がん剤の注射を受けた後、太ももの痛みなどを発症します。病院は全ての患者への髄腔内注射を中止し、調査対策委員会を立ち上げました。男性は先月6日に死亡しました。
本来使われない薬液検出
病院側が患者から採取した髄液を分析したところ…。

埼玉県立小児医療センター 岡明病院長
「本来、抗がん剤の髄腔内注射では使用されるはずのない、別の薬液が検出された。別の薬液が重篤な神経症状の原因である可能性が高い」

検出されたのは『ビンクリスチン(オンコビン)』と呼ばれる薬品です。白血病治療に使う抗がん剤ではありますが、通常は静脈に注射するもの。パッケージにも髄腔内注射を行わないよう、目立つ文字で書かれています。

埼玉県立小児医療センター 調査対策委員会 中澤温子委員長
「(薬の)調整から運搬、投与までの手順は、かなりしっかり検討したが、落ち度はなかった。普段通り、手順通りにやっていたと確認している」
また、誤って混入した可能性については、今の段階では考えにくいとしています。

埼玉県立小児医療センター 調査対策委員会 中澤温子委員長
「薬剤の調整時間も他の薬剤とかけ離れた朝一番に調整。通常の手順ではなかなか混入する可能性は低い」

病院は、事故と事件、両方の可能性が考えられるとして、10日に警察に相談したということです。

埼玉県立小児医療センター 岡明病院長
「公的な調査と協力しながら原因究明をしていきたい」
