16日、参議院予算委員会において、広田一議員が中東情勢について質問する中、議場内が騒然となった。
まず、広田議員は「中東情勢に関する閣議決定」の内容について説明を求めた。
これに木原稔官房長官は「令和7年11月7日の閣議決定ですが『中東地域における平和と安定および日本関係船舶の安全の確保のための我が国独自の取り組みを定めた令和元年の閣議決定』の期間延長などを行ったものであります。令和元年の閣議決定の内容を申し上げると、『中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けたさらなる外交努力、関係業界との綿密な情報共有をはじめとする航行安全対策の徹底。情報収集態勢強化のための自衛隊の艦艇および航空機の活用について政府一体となった総合的な施策を関係省庁が連携して実施すること』としております」と回答。
さらに広田議員は「官房長官、この閣議決定の中に『不測の事態が発生するなど状況が変化する場合の対応策』がございますけれども、ここでいう『不測の事態』とはどのような事態を想定されているのでしょうか?」と質問。
だがこの質問に与党側は当惑したように、答弁者が決まらず、議場内はしばらくざわついた。
その後、答弁席に立った小泉進次郎防衛大臣が「今の点については事前の通告をいただいておりませんが…」と述べると議場内に不満の声が上がった。
小泉大臣が「今の時点では(通告は)ありません。不測の事態についてはありませんが、この今の閣議決定の中で自衛隊がどのような活動をすることとされ、当該文書に基づいてどのような活動を行っているかというのが私に対して通告なのです。それを多分ご説明をさせていただくのが結果としていいのではないかなと思うんですが、そういったことではないんですね?」とここで話すと、議場内はざわつき、複数のヤジが飛んだが「後ろうるさいよ!」という“一喝”がどこからか飛んだ。
小泉防衛大臣は続けて「立たせていただいているのでご説明をさせていいですね」と広田議員に確認。その後、「ということで、今の閣議決定につきまして自衛隊は政府の航行安全対策の一環として日本関係船舶の安全確保に必要な情報を収集することとされており、令和2年1月以降現在に至るまでの間オマーン湾アラビア海北部およびバブエルマンデブ海峡東側のアデン湾の公海において護衛艦および固定翼哨戒機により情報収集活動を実施し実施してきたところであります」と話した。
だが広田議員は納得がいかない様子で「大臣、そのご説明は現状の活動地理的範囲についてのご答弁だったと思いますが、私が質問しているのは閣議決定があります『不測の事態』、これ一体どういう事態なのか具体的にご説明をお願いします」と再度質問した。
これに小泉防衛大臣が「一般論としての不測の事態を考えられているのかそれとも技術的な部分の理解の中でのあれなのかはちょっと想像がなかなかつきにくいんですが、事態の発生場所やその状況など個別具体の状況を踏まえ慎重に判断することになるため一概に不測の事態はこれだと申し上げることは困難であることもご理解ください」としたところ、議場内は騒然とし、与野党の理事が話し合う事態に。藤川政人委員長も「質問の論点がずれている」と指摘すると共に“適切ではないヤジ”についても注意した。
仕切り直しとなった後、木原官房長官が「不測の事態が発生するなど状況が変化する場合には関係省庁が連携して状況の把握に努め、相互に緊密かつ迅速に情報を共有するとともに…」とここまで話すと、議場内にフラストレーションが満ちたようなヤジが複数飛んだ。
木原官房長官はその後も「政府全体の対応を強化するということであります。そのうえで当該状況への対応としては自衛隊によるさらなる措置が必要と認められる場合には自衛隊法第82条の規定に基づき海上警備行動を発令して対応いたします。当該発令に際しては迅速な意思決定に努めることとしております」と話したのだが、“異変”に気づいたように視線を上げると答弁途中であるにもかかわらず自席に戻った。
“異変”とは答弁途中に与野党の理事が席を立ち、話し合いを始めたこと。この事態に藤川委員長も「答弁よろしいんですか?」と木原官房長官に確認。与野党の理事には「答弁中止めちゃダメですよ」と笑顔で注意した。
この一連のやり取りに議場内に笑いが広がったが、藤川委員長は「まあいいや、官房長官帰られたから」として両理事を呼び寄せ、議論した。
しばしの中断を経て、再度答弁席に立った木原官房長官は「一般論として不測の事態はそれを規定した当時に想定していなかった事態というのが不測の事態ということであります」と回答。
広田議員は苦笑いをしながら「もうちょっと若干禅問答みたいな感じになっているんですけど、さすれば今般の状態なんですけれども、先ほど来議論ございますようにイランによるホルムズ海峡の封鎖により日本関係船舶が59隻、日本人24名が極めて危険な状態にありますこれは明らかに不測の事態ではないでしょうか? 極めて深刻な状況の変化でもありますこの点についてはどうでしょうか?」と質問。
茂木敏充外務大臣は「『不測の事態が発生するなど状況の変化がある場合に』ということで確かに今状況さまざま動いておりますが、それが不測の事態であるかどうかについては今時点で確定的に『これは不測の事態である。こういう事態だから』ということは難しいんだと思います」と回答すると各所から不満の声が上がった。
広田議員は「総理すいません。さすれば、今のこのホルムズ海峡の状態というのは想定外のことだったんでしょうか?」と質問すると、これまでの一連のやり取りや先ほどの“禅問答”などのフレーズもあってか議場内には笑いが上がった。
高市総理は「(広田)委員が今質問されている閣議決定というのはオマーン湾アラビア海北部およびバブエルマンデブ海峡東側のアデン湾の公海について自衛隊が今も実施している情報収集活動に関するものだと思います。ですから、ここでホルムズ海峡が入っていないということでございます。現状については不測の事態に当たるんでしょうけれども、この閣議決定の内容がカバーしている範囲はホルムズ海峡入っていない。ですからそれに対して不測の事態かどうかという答え方はできないんです」と回答。
広田議員は次に「自衛隊の情報収集活動の地理的範囲」などについての質問に移った。
(ABEMA NEWS)

