自民党の石田昌宏議員は19日の参議院予算委員会で、“ジャパニーズウイスキー”の法律上の定義がないことについて質問した。
石田氏は質疑の冒頭、「朝からお酒の話で恐縮ですが」と切り出し、議場内では軽い笑いが起きた。その上で、日本のウイスキーが世界5大ウイスキーの一つとして高い評価を得ていることに言及。一方で、「足元を見ると何が日本のウイスキーかよく分からない。日本の価値をむしろ足蹴にしているんじゃないかといった状況がある」と問題提起を始めた。
そして「アメリカで売っていた『明確な』という名前のウイスキーなんですけど、100%ジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーと書いてます。当然日本で造ったウイスキーを日本でブレンドして、外国で売っていると思いたいんですけれども、それがよくわかりません。ひょっとしたら日本で造ったウイスキーを米国でブレンドしているかもしれないし、米国のウイスキーを日本でブレンドしているかもしれない。“明確さ”がないんですね」とウイスキーの名前に掛けて懸念を示し、酒税法上のウイスキーの定義を質問した。
国税庁の田原芳幸次長は、酒税法第3条で、麦芽と水を原料として糖化・発酵させたモルトウイスキー、麦芽と水で穀類を糖化・発酵させたグレーンウイスキー、モルトウイスキーまたはグレーンウイスキーを原酒としてアルコール・スピリッツなどをブレンドしたもの、の3種類の規定があると回答した。
これを受け石田氏は、「蒸留所で造ったウイスキーをそのまま瓶詰めしても、アルコールで10倍に薄めてカラメルで色の調整をして瓶詰めしても同じウイスキーになる。お酒の税金は作った量で決まるため、10倍に薄めて売ったら10倍の税金が入ってくる仕掛けになっている」と酒税法上の問題点にも触れ、「結局何がウイスキーかよく分からない一方で、私たちは5大ウイスキーだというふうに、誇りを持って自慢している」と指摘した。
続けて、「日本以外のウイスキーの産地ではその国の名前を冠するウイスキーとは何か、明確に法律で定義しています」とし、「日本の酒税法はそこに全く触れていない。極端な話、外国の大麦で、外国で糖化・発酵させ、外国で蒸留して、外国で貯蔵して、外国で樽詰めしても、日本語っぽい名前を付ければ『ジャパニーズウイスキー』と言えないこともない」と危機感を示した。
そして、日本洋酒酒造組合が自主的に定義を定めているものの、法的拘束力がないとして、「日本の酒類は現在酒税徴収の観点から定義が決められてますけれども、今後は税収じゃなくて文化とか産業だとか日本の価値を守るための、新しいルールが必要だ」と主張した。
これに対し国税庁の田原次長は「国税庁では、ウイスキーをはじめとした日本産酒類について、そのブランド価値を世界の中で高めて、国内外における認知度を向上させることが重要と考えている」とし、「現在国税庁として、ウイスキーの製法や品質に係る表示基準の制定に向けまして、関係団体等と協議を行っているほか、ウイスキー製造業者間の同意取りまとめ作業をしている事業者の団体とともに、ジャパニーズウイスキーの地理的表示の指定の実現に向けて取り組んでいるところでございます」と答えた。
石田氏は「この業界の振興とか価値のアップも日本の価値だと思う。調整を急いでいただいてできるだけ早く法制化に向けて動いていきたい」と述べ、次の質問に移った。(ABEMA NEWS)
この記事の画像一覧
