
イランへの軍事作戦を巡り、トランプ大統領の発言が揺れています。「縮小を検討している」と明かしたかと思えば、「停戦は望んでいない」とも発言。その真意はどこに。(3月21日OA「サタデーステーション」)
海兵隊ら数千人を追加派遣か
イスラエルのテルアビブでは21日、朝から警報が町中に鳴り響きました。アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が始まって、早3週間。攻撃の応酬は終わりが見えない状況になっています。
イラン市民
「無防備な人たちを攻撃するのが敵のやり方だ」
「アメリカとイスラエルほど卑劣な存在はない」
「戦闘はまもなく終わる」としていたトランプ大統領ですが、20日。
アメリカ トランプ大統領
「停戦など望んでいない。相手を壊滅させている最中に停戦などあり得ないだろう」
イランと対話する考えは「ない」としながらも、自身のSNSでは。
トランプ大統領のSNS(20日投稿)
「イランのテロ政権に対する中東での大規模な軍事作戦が目標達成に近づいているため作戦縮小を検討している」
しかし、その一方で。
米CNNキャスター(日本時間21日放送)
「さきほど、数千人の海兵隊員が中東に追加派遣されると発表されました」
海兵隊員ら数千人の追加派遣など軍事作戦を“強化”する動きも。
米CNNホワイトハウス担当記者(日本時間21日放送)
「政権の見立てでは戦争は縮小しているそうですが、海兵隊の追加派遣で戦況は泥沼化の様相を見せています」
モジタバ師 新たな声明「敵に打撃」
20日、ペルシャ歴の新年をむかえたイラン。しかし、新年を祝うムードはありません。そんな中、イランの最高指導者モジタバ師が2度目となる声明を発表しました。
イラン最高指導者モジタバ師の声明(20日発表)
「敵は数日でイランの体制を解体できると見ていたが、それは大誤算だ。敵を混乱させる打撃を与え続けた結果、(アメリカやイスラエルは)発言が矛盾し不条理な行動をみせている」
国民の団結がアメリカやイスラエルを追い込んでいると訴えました。
停戦しないという、アメリカ。徹底抗戦の構えを示す、イラン。原油の供給不安が一段と高まるなか、19日、原油の先物価格は再び、一時1バレル=100ドルの大台を突破。トランプ政権は20日、制裁の対象としているイラン産の原油について、現在海上輸送中のものに限り各国が購入することを認めるとしました。
ベッセント財務長官のX(20日投稿)
「世界へのエネルギー供給を最大化し市場の安定化に努める」
また、事実上封鎖状態のホルムズ海峡をめぐっては気になる発言も。イランのアラグチ外相は共同通信のインタビューに対し「日本側との協議を経て日本関連の船舶の通過を認める用意がある」との考えを示しました。日本への原油供給に直結する話でもあり、その真意が注目されます。
カギ握るのはネタニヤフ首相か
高島彩キャスター
「トランプ大統領は『目標を達成すれば中東での軍事作戦の縮小を検討する』との考えを示しましたが、柳澤さん、この発言の真意はどこにあるのでしょうか?」
ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「当初、トランプ大統領は“イランの体制を転換して、自らの名声を高めたい”という思いを持っていたようですが、イランの報復攻撃が激しく軍事作戦が長期化し、ホルムズ海峡の事実上の封鎖も起きて、世界の原油価格が高騰して市場の混乱も広がっています。さらに、トランプ政権の支持基盤である“MAGA派”の政府高官の一人が『イランの脅威が差し迫ったものではなかった』と、トランプ大統領を批判し辞任するなど、米国政権内部の足並みの乱れも浮き彫りになってきてるんです。これにより、11月の中間選挙の勝利戦略にも、かなりの狂いが生じ始めてきていると言われています。このため、トランプ大統領は“イランの核開発、弾道ミサイルの脅威は取り除いた”ということを強調したうえで、早期に幕引きを図りたいというのが本音のように見えます」
高島彩キャスター
「トランプ大統領の『早期に幕引きを図りたい』という、思惑通りに進むんでしょうか?」
ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「そのカギを握っているのは、イスラエルのネタニヤフ首相だと思いますが、ネタニヤフ首相は“今がイランを打倒する千載一遇のチャンスだ”と捉えていて“軍事作戦を継続をしたい”と考えているようです。トランプ大統領の“早期の幕引きを実現できるかどうか”は、ネタニヤフ首相を説得できるかどうかにかかってるんですね。もし説得できなかった場合には、軍事作戦を再び拡大、あるいは継続するという方向に舵を切るということになると思うんです。ネタニヤフ首相、それからトランプ大統領、この2人の思惑が今後のイラン情勢の行方を大きく左右することになるのは、間違いないと思います」
高島彩キャスター
「今の流れの中で、ネタニヤフ首相の考えが変わることはあり得るのでしょうか?」
ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「あり得ないと思います。ネタニヤフ首相が、今回のタイミングを“イラン打倒の千載一遇のチャンス”と捉えているのは間違いなさそうですから、ネタニヤフ首相が考えを変えるということは、まずあり得ないと思います」
高島彩キャスター
「この軍事作戦が長引けば、当然、世界の石油供給は滞りますし、日本で暮らす私たちの暮らしにもその影響は及びますから、引き続き注意深く見ていく必要があります」
