
シラス漁に燃料不足と価格高騰の影響が直撃しています。水揚げ後、最短15分で市場に並び、日本一の鮮度とも言われるシラス漁に異変が起きていました。
遠出やめて近場へ
各地で解禁を迎えるシラス漁。中でも高値で取引されるのが、静岡県用宗産の生シラスです。通常より5割ほど高い価格で取引されることもあります。
水揚げされたばかりの生シラスは張りがあり、甘みが強いのが特徴です。
仲買人は「(鮮度は)日本だったら、日本一じゃないですか」と話します。
取材班が向かったのは午前7時。港を出たのは、およそ50隻。本来は群れを求めて、四方八方に船が散らばりますが、この日はすべての船が同じ方向に向かいます。
港から近い、3キロほどの漁場です。
清水漁協用宗支所 増田新支所長
「ホルムズ海峡の封鎖で、燃料(軽油)の供給ができていない状態が続いていて、今ある燃料を細く長く使うために、操業も工夫してやっている。(今は)プール操業にして、経費をなるべく燃費よく使うために、操業を考えてやってくれている。今回は特別ですね」
燃料高騰競争から助け合い
プール操業とは、共同で漁をして水揚げしたものを均等に分け合う制度。軽油が高騰し供給不足になっていることから、船主同士が相談して、21日の解禁から実施しています。
網を入れた船にもう1隻が横付けして、2隻の船で網を引く二艘引きが用宗のシラス漁の特徴。シラスを素早く港に運ぶ運搬船と合わせて3隻で漁を行います。
一艘引きと比べると3倍の燃料代がかかりますが、水揚げから最短15分でセリにかけることができるメリットがあります。
増田支所長
「(Q.もう軽油がないんですか?)ないです。今あるだけしかないです。入ってこないので、使えないですよね」
「(Q.入ってこないというのは何と言われているんですか?)仕入れが今できない。仕入れ先にはできないと言われている」
本来は沖まで出てシラスを探し回りますが、この日は燃料を節約するため、沿岸の近くで網を下ろしました。
水揚げを終えると、港には運搬船が次々と到着。この日のシラスを見せてもらうと、仲買人はこう評価しました。
「硬いし、白いし(きょうの中で)良いほうだと思います。生でも、炊いても、釜揚げで」
「きょうの中で良いほうだね。鮮度もいいし」
大行列 生シラス丼800円
この日の水揚げ量は2トン。船が着くたびにセリが行われます。漁協の職員が競り落とされたばかりのシラスを台車で運び、真水で洗って氷締めにします。
増田支所長
「セリで買ってからすぐ洗って、すぐ販売しますので、どこよりも早く、どこよりもお客さんには喜ばれています」
このシラスを求めて、港の前に大行列ができています。お目当ては、取れたての生シラス丼800円(味噌汁付き)。新鮮な生シラスを、炊き立てのご飯にぜいたくに盛り付けています。
※水揚げがない時は釜揚げシラス丼
漁がある日は格安になるため、大行列ができます。
シラスを食べに来た人(30代)
「プリプリな感じが違いますよね。おいしいですね。初めて食べたんですよ」
シラスを食べに来た人(60代)
「何もくさくなくて、苦みがなくて、甘くておいしい。ここに来なければ食べられない」
港の周辺にある生シラスや釜揚げシラスを販売する専門店にも、開店と同時に列ができます。
増田支所長
「天気とか予報を見ながら来ていただければ、ちょうど(船が出ている日)とバッティングしてあえば、ラッキーだと思って、楽しみに来ていただきたいと思います」
(2026年3月27日放送分より)
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