
大川原化工機の冤罪事件で、当時逮捕された元顧問は勾留中にがんが判明し、何度も保釈を請求しましたが却下され、その後、死亡しました。遺族らは、この裁判所の判断を違法として、6日に国を提訴。関わった裁判官37人の責任を追及するとしています。
【画像】「裁判官37人の判断は違法」がん判明後も7回保釈却下…大川原冤罪事件の遺族が国提訴
相嶋さんの遺族は、逮捕状や勾留状を出した裁判官や、保釈請求を退けた裁判官、合わせて37人の判断は違法だったとして、国に約1億7000万円の賠償を求める訴えを起こしました。

相嶋さんの長男(52)
「裁判官には国民に対して説明する義務があると思う。なぜ逮捕状を出したのか。なぜ保釈を却下したのか。なぜ罪証隠滅の恐れがあると思ったのか。それを今回の裁判の中で彼らから引き出したい」

大川原化工機の元顧問・相嶋静夫さん。勾留中に胃がんが見つかり、治療のため、7度にわたって保釈を求めましたが、東京地裁は、そのたびに退けました。ようやく勾留が一時停止され、外部の病院に移った時には、がんは手の施しようがないほど進行していました。

相嶋静夫さん
「早く元気になって皆に会いたいです」
相嶋さんが亡くなってから、捜査機関の違法性は認められましたが、裁判官の責任は問われていません。

相嶋さんの次男(49)
「証拠がすでに押収され、任意の取り調べにも誠実に応じたにもかかわらず、具体的な理由を示さないまま保釈は認められませんでした。さらに悪質なのが、父ががんで倒れているにもかかわらず、保釈の却下を繰り返した」
刑事裁判では、裁判所は保釈請求があれば認められるのが原則です。ただ、証拠隠滅の恐れなどがあると判断した場合には却下できることになっています。
遺族側は。

高野隆弁護士
「“罪証隠滅”を疑うにあたり“相当な理由”の解釈を根本的に間違っているのでは。憲法と法律が要求している裁判官の職責に明らかに反することが繰り返し行われていた事案」
裁判官の判断の背景にあると指摘されるのが、無罪を主張すると保釈が認められにくくなる“人質司法”の問題です。遺族は裁判を通じて、司法制度のあり方に問いを投げかけています。
相嶋さんの長男
「人権を蹂躙(じゅうりん)した裁判官の責任を、どのように裁判官が判断するのか。専門職の自律性が試されている」
東京地裁は「具体的な事件についてのコメントは差し控える」としてます。
