
アメリカ軍はトランプ大統領が設定したイランとの交渉期限を前に、イランの石油輸出拠点であるカーグ島などを攻撃をした。その一方で交渉期限の1時間半前、トランプ大統領は2週間の攻撃停止を表明した。何があったのか?
イラン攻撃 米が2週間停止
日本時間8日午前9時が交渉の期限だった。その期限を前に大きな動きがあった。
トランプ大統領は、イランに対して戦闘終結の合意やホルムズ海峡の開放などを迫り、交渉の期限を日本時間8日午前9時に設定していたが、期限を前にイランの石油輸出拠点であるカーグ島の軍事施設を攻撃。
ただそんな中、期限1時間半前に、トランプ大統領が2週間の攻撃停止を表明した。
一転合意 背景に何が?
アメリカとイランの直前の動きから見ていく。
アメリカのトランプ大統領は6日、日本時間の8日午前9時までにイランが戦闘終結に合意し、ホルムズ海峡を開放しなければ、イランのすべての橋と発電所を4時間以内に破壊すると警告していた。
一方のイランは、損害賠償の支払いやホルムズ海峡に対するイランの継続的な支配、制裁解除など10項目の要求を提示し、一時的な停戦ではなく戦闘の恒久的な終結が必要だと訴えていた。
交渉期限が迫る中、トランプ大統領は、日本時間午前7時半ごろ自身のSNSに「ホルムズ海峡の即時、安全な開放に同意することを条件に空爆や攻撃を2週間停止する」と投稿した。
さらに、イランのアラグチ外相も声明を発表し、「イランに対する攻撃が停止されれば我が国の強大な軍隊は防衛作戦を中止する。2週間、ホルムズ海峡の安全な通航が可能となる」としている。
パキスタンが攻撃停止を仲介?
この動きにはパキスタンが大きく関わっているという。
パキスタンのシャリフ首相は交渉期限が3時間後に迫るタイミングでSNSに「アメリカ・トランプ大統領に交渉の期限をさらに2週間延期するよう要請し、イラン側にはホルムズ海峡の封鎖を2週間解除するよう求めた」と投稿した。
パキスタンは歴史や文化的なつながりが強いことから「イランの兄弟国」とも呼ばれており、戦闘開始後、アメリカ、イラン双方に停戦を呼びかけるなど停戦交渉を仲介してきた。
トランプ大統領は「2週間の攻撃停止」にあたり、SNSに「アメリカとイランの間では、過去の争点となっていたほぼすべての項目について合意に至っている」としたうえで、延長の期限について「2週間の猶予期間を設けることで合意を最終化し、成立させることが可能」になるとしている。
イランの実権握るのは革命防衛隊?
カギを握るのが、革命防衛隊だという。
イギリスの「タイムズ」が新たに報じたところによると、現在、イランの最高指導者モジタバ師は意識不明の状態で、イスラム教シーア派の聖地であるコムという都市で治療中だという。
アメリカ「フォーリン・アフェアーズ」によると、今最も権力を持っているのはイラン政府ではなく革命防衛隊で、この革命防衛隊の幹部らは強硬派であり、国内では民主化勢力と敵対しており、国外ではイスラエルやアメリカと敵対しているため、交渉がうまくいくかは不透明な状況だという。
イスラエルは強硬姿勢?
イスラエルはこのまま攻撃停止を受け入れるのか?
イスラエルメディア「ハアレツ」は、イスラエル政府当局者の話として「イスラエルはイランとの停戦を尊重する」と伝えているが、その一方でこの人物は「合意について懸念を抱いている。停戦を発効する前に戦争の目標を達成したい」とも発言していたという。
攻撃停止の発表前にはこのような報道もあった。アメリカのニュースサイト「アクシオス」はイスラエル当局者の話として、ネタニヤフ首相がトランプ大統領に電話会談で停戦に懸念をしたと報じている。
また「ロイター通信」は4日、イスラエルの国防当局者の情報として、イスラエルがイランのエネルギー施設を攻撃する準備を進めていて、アメリカの承認を待っている状態だとも報じていた。
米軍が生活インフラを攻撃する狙い
これまでアメリカ・イスラエルはイランに対して橋や発電所を攻撃すると圧力をかけてきた。その狙いは何なのか?
トランプ大統領はイランのすべての橋と発電所を破壊するとしていて、交渉期限を前に行われた攻撃に関して、ネタニヤフ首相はイスラエル軍が首都テヘランを含むイラン全土で8つの橋を攻撃したと明かしている。
今後、アメリカ軍が攻撃するとすれば、どこを狙うのか?
橋では「ハシュトム橋」というケーブル橋としては中東最大の橋が危ないという。2日に破壊された橋が「最も高い橋」という象徴的な場所だったため、今後も象徴的な橋としてこの「最大」の橋が狙われる可能性が高いという。
(2026年4月8日放送分より)
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