
近年、カワウの大量発生が各地で問題になり、住民を悩ませています。なぜ大量発生するのか、その理由の1つにある魚の“生態の変化”がありました。
【画像】漁船が隠れるほどひっきりなしに川の上を飛び交うカワウ
カワウ“関東の7割集結”
途切れることなく、群れを成して飛ぶ黒い鳥。奥から来る漁船が隠れるほど、ひっきりなしに川の上を飛び交います。
名古屋市で撮影された映像。飛んでいるのは全国の川や湖などに生息するカワウです。
10日、カワウの一大生息地である千葉県市川市の鳥獣保護区を取材すると、国道沿いの木には無数の巣がありました。
カワウの生息数に詳しい水産技術研究所の坪井潤一さんは…。
「数年前までは3000~4000羽でずっと安定して推移していたが、ここ何年かで急増していて、最新の公表値で言うと1万4000羽を超えている。(カワウが)もっといるという話も耳にしている。(市川市に)関東の7割方が集結しているという状況になっていて、一極集中という表現がぴったり」
1980年代以前は生息数が減少し、保護する流れとなったものの、今は逆にカワウが増えすぎたことで近隣住民にも影響が…。
近隣住民
「いっぱいいる。巣を作らないように木を切っても、一本の木に(巣を)5つも6つも作って」
「(Q.昔と比べて数は?)増えてますよ」
通りには白いペンキで塗られたような木が目立ちます。実はこれ…。
近隣住民
「向こうの木、みんな真っ白」
「(Q.木が真っ白?)(カワウの)フンでみんな真っ白」
「(Q.カワウがいて困ることは?)木が枯れる」
「(Q.カワウがいて困ることは?)湾岸のほうを通るとキーキーキーキー聞こえる」
大量のフンによって木が枯れる、カワウが落とす魚から異臭がするなどの被害が出ています。
なぜ増えた?
なぜカワウはここまで増えてしまったのでしょうか?
坪井さん
「(カワウの)主食はコノシロだと分かった。コノシロは(冬場)暖かく深いところに移動する。温暖化で海が一年中暖かいから冬場も結構浅いところを泳ぐ。カワウが潜れて食べる。海でコノシロを食べて、おなかいっぱいになって戻ってくる」
豊富な餌(えさ)によって増加数に歯止めがきかなくなったカワウ。坪井さんたちのチームは、ある対策に打って出ました。
「粒々状のドライアイスを巣の中に入れて、卵の一部分を凍らせて孵化(ふか)しないように。ドライアイスが卵の殻に接しているだけでも、卵白ですね、白身の部分が固まってヒナが孵化しない」
「(Q.卵を取り除くことではダメか)卵を取り除くと非常に繁殖力の強い鳥で、行徳には周りにたくさん餌がある。卵がなくなったら生み足す。ヒナが孵化しないようにする。孵化しない卵を温め続けてもらう」
坪井さんは、4000羽前後がこの保護区の適切な生息数と考えていて、今後も繁殖を抑える活動を続けていくといいます。
(2026年4月10日放送分より)
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