
アメリカとイランの直接協議が、11日にパキスタンの首都・イスラマバードで行われる予定です。
【画像】バンス副大統領「前向きな交渉に」直接協議へ出発 “危うい停戦”要因にイスラエル
市内は厳戒態勢。停戦協議が行われるホテルは、周囲3キロが封鎖されました。
47年間対立し、武力紛争にまで発展したアメリカとイラン。そもそも、協議は本当に行われるかという疑念は消えていません。
「大統領から明確な指針」
アメリカの交渉担当者・バンス副大統領が日本時間10日午後9時半ごろ、パキスタンに向け、出発しました。

アメリカ バンス副大統領
「おはよう。交渉を楽しみにしています。前向きな内容になると思う。大統領が述べたように、イラン側が誠意を見せれば、歓迎する。だまそうとするなら、我々、交渉団は温かく迎えない。建設的な交渉を目指します。大統領の方針は明確で、展開を見守りたい。安全な空の旅を。質問は後ほど。とりあえず飛行機に乗ろう」
イラン側は、国会議長と外相が交渉担当者ですが、出発したないしは、到着したという情報は皆無です。

CNNホワイトハウス担当 ホームズ上席特派員
「トランプ政権は何としても、この“危うい停戦”を守り抜く構えです。合意を盤石にするべく、大統領や高官は、ほぼ不眠不休で奔走中です。決裂するか否かはアメリカではなく、イランの意向次第です。アメリカは、この合意を念願の“出口”にしようと躍起です」
“危うい停戦”要因にイスラエル
“危うい停戦”の要因の一つは、イスラエルです。

アメリカとイランが2週間の停戦に合意しても、イスラエルは、レバノン国内での軍事活動をやめてはいません。8日の攻撃だけでも死者は300人を超え、多くの子どもや女性が巻き込まれました。
この現状にトランプ大統領は、テレビのインタビューでこう語りました。
アメリカ トランプ大統領
「ビビ(ネタニヤフ氏)と話をした。今後は控えめにしてくれるだろう。我々も、もう少し控えめにした方がいいと思う」
現在、イスラエルの攻撃は、ヒズボラの影響力が強い南部にとどまっている模様です。
直前も“ホルムズ海峡”駆け引き
停戦が守られるか否かは、ホルムズ海峡の封鎖に直結します。
停戦後の空爆に対し、革命防衛隊は、対応を変えていました。

革命防衛隊の無線(8日)
「ホルムズ海峡の通行は、依然として閉鎖されている。海峡を通過するには、革命防衛隊海軍の許可が必要だ。許可なく通過を試みた船舶、これを破壊する」
ただ、9日夜になると、アナウンスは女性の声になり、内容から『革命防衛隊』の単語が消えました。
イランからの無線
「船舶に通達。現在、海峡は開通しています。航行を許可しますが、イラン海軍への報告を義務付けます」

イラン当局が公開したホルムズ海峡の航路図です。オマーン側の海域は、機雷が敷設されている可能性がある『危険区域』に指定。革命防衛隊と連絡を取りながら、イラン側を通るよう指示しています。
ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、イラン政府は、通過できる船舶数を1日当たり約12隻に制限し、暗号資産、または中国元で通航料を支払うよう求めているそうです。

イラン外務省 ハティブザデ次官(8日)
「“技術的制限”の解除は、戦況次第で相応の時間を要しますが、航行の安全は確保されています。(Q.“技術的な制限”とは海峡内の機雷か)それも含め、戦時体制の措置が継続中です。我が国に報告して許可を得た船舶には、すべて通航を認めます。(Q.アメリカの船舶でも)敵対行為がない限り、扱いに差はないはずです」
現地時間9日午前11時ごろのマリーントラフィック。
日本関係のタンカーが、東に向かって航行していくのが確認できました。こうした動きを見せているのは、一隻だけではありません。
最高指導者のモジタバ師の声明です。

モジタバ師の声明
「ホルムズ海峡の管理は、新たな段階に移行する。我々は戦争を望まないが、正当な権利を放棄するつもりもない」
「新たな段階」とは、何を意味するのか。
二国間協議も「核開発よりもホルムズ海峡の扱いが論点になる」との見方がされています。
中東研究所 ポール・セーラム上級研究員
「(Q.戦略的に優位性はどちらに)イランの損害は間違いなく甚大だが、地域内では手を緩めていない。海峡の掌握という“純益”を出している。さらに、湾岸諸国の経済を“人質”にできることも示した。中東に展開した軍事力をもってしても、イランを屈服させることも、地域同盟国を守ることもできなかった。アメリカは、勘定が難しい状況です」
