
中国共産党の習近平総書記と握手を交わしているのは、台湾の最大野党・国民党の鄭麗文主席です。両党のトップが会談するのは10年ぶり、このタイミングで実現した背景には何があるのでしょうか。
【画像】“経済不安”高まる中…“10年ぶり会談”思惑は?台湾最大野党トップが習氏と会談
“10年ぶり会談”の思惑は

中国共産党と国民党のトップが会談するのは10年ぶりのこと。2人が顔を合わせるのは初めてです。
中国共産党 習近平総書記
「台湾海峡を挟んだ両者が近付き、親しくなり、一緒になる大きな流れは変わることがない。歴史的必然であり、我々は自信に満ちている」
台湾・国民党 鄭麗文主席
「戦争を防ぎ、回避できる制度的な解決策を探り、台湾海峡を“紛争解決”の世界の模範にさせる」
双方が“台湾の独立”に反対する考えで一致しました。また、鄭主席は「制度的で持続的な対話と協力のメカニズムを作るべきだ」と強調したということです。
経済不安の声が高まる中
テーブルにつくことが大事だと訴える背景には、中国本土との対決姿勢を鮮明にしてきた与党・民進党の頼清徳総統の存在があります。

台湾 頼清徳総統
「ここ数十年間、中国が台湾を取り込もうとし、我々を消滅させようとする姿勢は変わっていない」
就任以来、一貫して中国を批判し、アメリカとの関係を強化してきました。その頼総統、会談をこう批判しました。
台湾 頼清徳総統
「権威主義者との妥協は、主権と民主主義を犠牲にするだけだ」

しかし、トランプ政権の関税政策やイラン情勢などを受けて、直近では台湾の6割近くの人が経済状況を不安視するなど、アメリカ一辺倒ではいけないとの声も出始めています。
こうした状況を見越してか。10日の中国側の出席者を見ると、台湾政策だけでなくマクロ経済を担当する幹部の姿もありました。
鄭主席も上海で9日、台湾の企業家ら300人を前に「全面的に配慮してもらえるようにする」と中国本土とのパイプをアピールしています。
米中会談控え“牽制”の狙いも
今回の訪問自体、中国側の招待で実現したもの。新華社通信によると、習氏は会談で「外部の干渉に反対しなければならない」とも述べるなど、来月の首脳会談を控え、アメリカを牽制(けんせい)する狙いもあるとみられます。
会談後、鄭主席は…。
台湾・国民党 鄭麗文主席
(Q.印象に残ったことは)
「習総書記はとても親切で、スタッフにも優しかった。政権交代したら、習総書記らを台湾に招きたい」

ただ、台湾の人たちの中では「統一」でも「独立」でもない、現状維持を望む声が多数を占めているのが実情です。
台湾の大学院生
「台湾は台湾、米国にも中国にも頼るべきではない。過度に敵対しても親密になってもいけない」
