
福島県にあるメガソーラーの問題です。資源エネルギー庁はこの福島のメガソーラーを悪質だと認定し、初となる交付金の返還命令を行いました。
“飛び地メガソーラー”目的は
10日、話を聞いたのは、地元・福島の情報を50年以上発信している情報誌「月刊 政経東北」の編集者・佐藤仁記者です。案内してもらった林の中にひっそりと佇んでいたのは、たった2枚のソーラーパネルです。
「ちょっと異様だなと」
「ただのパネル、飾りといってもいいぐらい」
これが大規模太陽光発電所だというのです。
「あそこの電源もついてるはず。音が聞こえるはずだが、私が見に来ている時点では一回もついていたことはない」
実態はここから3キロ先にあります。猪苗代湖の近くにある「Blue Power磐梯猪苗代発電所」。東京ドーム16個分以上の広大な敷地で、一般家庭8300世帯の年間電力をまかなうことができるといいます。
ゴルフ場の跡地で、コースだった場所に7万5000枚がずらりと並んでいます。空から見た画像では、一部、破損しているような箇所もみられます。
直線距離で3キロ離れている2カ所。国への申請では、2枚のパネルの方が発電所の「所在地」になっていて、ゴルフ場跡地の方は「飛び地」と呼ばれ、後で追加された発電場所になります。
「その種地(所在地)と飛び地を自営線(送電線)でつなぐことによって、1つのメガソーラーという体(てい)に国のほうでは認定する」
2枚のパネルが置かれている理由は、国から認定を受けると、電力が最大20年、一定の金額で買い取ってもらえる「固定価格買取制度」です。
このメガソーラーは、パネル2枚の場所で、2013年度に国の認定を受けました。この時の買い取り価格は1キロワットあたり38円ほど。一方、ゴルフ場の土地を取得したのは2019年5月です。電力の買取価格は、認定を受けた年度が遅いほど金額が下がります。
2つが一体のメガソーラーとなり、高い買取金額が全体に反映され、“産地偽装”ともいえる仕組みです。
「いわゆる法に触れなかったら、何をやってもいいのかという話になる」
初の交付金返還命令
この福島の「飛び地」メガソーラーについて、国が処分に踏み切りました。
赤沢亮正経産大臣
「2025年度に認定取り消し処分を行った55件のうち、特に悪質と認められる5件について、法施行後初となる返還命令を行ったところです」
この施設は2024年1月から発電を開始していましたが、国が支払ってきた交付金を「返還」するよう初めての命令を出したのです。
認定時の買い取り価格などから試算すると、返還は5億円を超える可能性があります。
今回認定を取り消された理由について、事業者は「認定計画上の送電線の敷設ができていなかったためとなります」とコメントしています。
2枚のパネルとメガソーラーの間に送電線がなく、一体のメガソーラーにはなっていないまま、電力を売っていたのです。
初の「返還命令」について、ボーダレス経営法律事務所の三澤充弁護士は次のように話しました。
「交付金の返還まで踏み込んで制裁が及んだというところは、かなり案件として非常に悪質だったのかなというふうに思っています」
「返還命令」が出た場合、法律には、設備を解体し、大臣の確認を受けなければならないと記載があります。
「(撤去に)何億というレベルではなくて数十億レベルの費用がかかるのではないか。2、3年ぐらいはかかると思うので、かなり撤去まで時間がかかるというのは心配される」
現在の事業者は、2年前に別の事業者からメガソーラーを買い取っています。現在の事業者に7万5000枚の撤去について聞くとこう答えました。
「FIT認定は取り消されましたが、発電所は引き続きFIT以外での事業継続が可能な状態であり、法令上、直ちに撤去が義務付けられている状況ではありません。現在は、地域の皆様への影響にも十分配慮しながら、他のスキームによる事業継続の可能性について検討を進めています」
(2026年4月11日放送分より)
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