1匹4000円 7万種も! 武器・擬態で魅せる“生きた宝石” エビ&カニの世界

1匹4000円 7万種も! 武器・擬態で魅せる“生きた宝石” エビ&カニの世界
この記事の写真をみる(13枚)

 普段食べるカニやエビとは違い、観賞用の仲間はクセが強めです。イソギンチャクを武器にしたり、体を着飾ったり、その不思議な生態を紹介します。

【画像】脚を“非常食”にするカニ

脚を「非常食にしてしまう」カニ

 食用のみならず観賞用としても人気の甲殻類たち。まずは海水編から、その不思議な生態を見ていきます。最初の甲殻類は、ハサミではなく武器を装備して戦うカニです。

観賞魚を販売する 日海センター
佐藤政輝さん

「こちらの水槽に面白い子がいるんです」

佐藤ちひろアナウンサー
「カニいますね!ハサミじゃなくて、応援する時にチアが持つようなポンポンというんですか。モフモフしていますね」

佐藤さん
「この子、イソギンチャクを持っている『キンチャクガニ』っていうんです。イソギンチャク自体に毒があるので、それで身を守っているカニさん」

キンチャクガニ
拡大する

 体の大きさは成長しても最大で約2センチです。キンチャクガニは、イソギンチャクの毒に耐性があるといわれていて、自身が毒に侵されることはないのだそうです。主にインド洋から西太平洋に分布し、日本では伊豆大島、八丈島、沖縄などの浅いサンゴ礁や岩礁に生息しています。

 付けているのは、その名もカニハサミイソギンチャクで、毒性が強いんです。ハサミはイソギンチャクを持つのに使っているので、餌(えさ)は2番目の脚を使って食べています。武器として装備しているイソギンチャクですが、もしもの時は、こんな使い方もあるそうで…。

脚を「非常食にしてしまうことも」
拡大する

佐藤さん
「手に持っているのは身を守るために使っているんですけど、周りに餌がなくて、もう我慢できない時は、非常食にしてしまうこともあるみたいです」

 実はイソギンチャクを武器にするのは、カニだけじゃないんです。

佐藤さん
「ヤドカリの仲間で、イソギンチャクを同じように持つ子がいます」

 日本の南の沿岸でよく見られるのが「ソメンヤドカリ」です。貝殻に毒を持つ「ベニヒモイソギンチャク」を付けることで、天敵のタコから身を守っているんです。

100種類ほどはヤドカリの貝殻に付着
拡大する

 ちなみに、イソギンチャクは世界で約2000種類が確認されていますが、そのうち100種類ほどは、ヤドカリの貝殻に付着しているんです。イソギンチャクをくっつけるのではなく、自分がくっついていく生き物もいます。

佐藤アナ
「イソギンチャクの隣にエビがいますね」

佐藤さん
「そうなんです。ちっちゃいエビがいるんですけど、イソギンチャクの中に身を守ってもらう共生のエビなので、『イソギンチャクモエビ』って言います」

触手や波の動きをまね
拡大する

 体長2センチほどのイソギンチャクモエビは、日本の小笠原諸島や沖縄、インド洋から太平洋にかけ広い地域で生息しています。おしりの動きがうまく身を守る方法なんです。

佐藤さん
「このフリフリがイソギンチャクの触手だったり波の揺れだったり、そういうのをまねているみたいで、敵に見つかりにくく隠れているみたいですね」

擬態プロ “掃除屋”エビ

 続いては、敵から身を守る擬態のプロです。実は、この水槽の中に擬態しているカニがいます。

佐藤アナ
「どこだろう。この子ですか?ちょっと動いていますね!かなりいろんな物を身に着けていますね」

モクズショイ
拡大する

佐藤さん
「名前は『モクズショイ』って言って、体に無数の毛があって、それにひっかけて固定しているので、絡まることはない。この子は温かい海の方のカニになるんですけど、サンゴ礁だったり、岩の隙間に隠れている。体をデコレーションしているデコレータークラブとも呼ばれています」

佐藤アナ
「オシャレなカニさんですね!」

カイメン類や海藻を体にまとう習性
拡大する

 全体の長さ最大20センチほどになるモクズショイは、カイメン類や海藻を体にまとう習性があることが名前の由来です。海藻以外にも貝殻やサンゴの欠片、ホヤなどなど、いろんな生き物を身にまとっているのが分かります。この水槽には、私たちがおいしくいただける生き物もうまく隠れているんです。

佐藤さん
「今、手前にいる子が『シラヒゲウニ』っていうんですけど、同じように海藻をくっつけている」

人気の高級食材
拡大する

 シラヒゲウニも、殻の表面に貝殻やサンゴを付け、カムフラージュする特徴を持っています。九州や沖縄などでも夏に食用として流通し、地元ではウニ丼や刺身、にぎりずしとして食される人気の高級食材として親しまれているんです。

 続いては、鮮やかな紅白のコントラストが目を引く、このエビです。ある動物にそっくりなことから、その名前が付けられました。それはスカンク?!

佐藤さん
「『オレンジスカンクシュリンプ』っていう子で、日本の南の暖かい海に生息しています」

オレンジスカンクシュリンプ
拡大する

 スカンクのような白いラインが背中に入っているので、スカンクシュリンプと呼ばれています。

佐藤さん
「魚の寄生虫や生き物の古い角質などを食べてくれるんですけど、魚が自分から近づいていって、お掃除してくれってやる子もいるみたいなんです」

1匹4000円“生きた宝石”

 ここからは淡水編です。調査するのは東京・八王子市にある淡水エビ専門店です。まずは、独自の進化を遂げ“生きた宝石”とも呼ばれるエビです。

スラウェシシュリンプ
拡大する

淡水エビ専門店 EBINOKAKATO
長嶋智幸さん

「こちらが『スラウェシシュリンプ』になります」

佐藤アナ
「見てください、この子。手をバタバタさせています…速い」

長嶋さん
「水の中に漂っている有機物とか、餌を常に食べているような仕草になります。生きた宝石と呼ばれるくらい美しいカラーリングの種類が豊富にいます」

 生きた宝石とも言われるスラウェシシュリンプ、こちらの品種の値段は1匹4000円です。体長3センチに満たないスラウェシシュリンプは、地殻変動など環境の変化に適応し、美しい姿に変化しました。

インドネシア スラウェシ島
拡大する

長嶋さん
「インドネシアのスラウェシ島の中にある湖にすんでいます。もともとそこの湖が何万年も前に、海だった所になります。海だった所から淡水化していった。長年かけて淡水に順応し、こういう進化を遂げたエビになります」

 お次は、品種改良で色鮮やかな姿になったエビです。

佐藤アナ
「色鮮やかなオレンジですね!」

長嶋さん
「チェリーシュリンプという仲間のエビになります」

チェリーシュリンプ
拡大する

 ヌマエビが突然変異で赤色の個体が生まれたことをきっかけにできた品種、チェリーシュリンプ。サクランボのような色だったことから、名前が付いたそうです。

 繁殖する時、チェリーシュリンプをはじめ、エビがどのように稚エビを産むか知っていますか?

ビーシュリンプ
拡大する

 抱卵と言って生まれるまでの数週間、卵をおなかの中に大事に抱え、付き添うんです。そして、孵化(ふか)すると同時におなかの中から赤ちゃんが外に出てきます。チェリーシュリンプと同じくヌマエビから品種改良されたビーシュリンプも、淡水エビの人気品種です。

長嶋さん
「縞模様が特徴で、それが蜂の模様に似ている。そこから名前が付けられたのが、由来の一説です」

 ビーシュリンプ、チェリーシュリンプともに、原産地はアジアですが、最近はブリーダーによって繁殖された品種が多く流通しているんです。また、これら淡水に生息するエビは、岩場に生えたコケなどを食べて暮らしています。

(2026年3月16日放送分より)

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(13枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る