「すみません、しゃべりません」委員長が交通整理をあきらめた? 「答えてない」「何を答えればいいんだ」プライバシー保護めぐり国会混乱 「国家情報局」設置法案審議

速報,会見
議場
【映像】委員長が交通整理あきらめた?混乱の瞬間(実際の様子)
この記事の写真をみる(2枚)

 10日の衆議院内閣委員会で中道改革連合の後藤祐一議員が、国家情報会議や国家情報局を設置する法案について、「個人情報やプライバシーの保護の配慮する」規定の必要性をめぐって木原稔官房長官と論戦した。

【映像】委員長が交通整理あきらめた?混乱の瞬間(実際の様子)

 警察が集めた情報を国家情報局に提供する場合、「必要性とプライバシー保護のバランスを考えて提供する」という個人情報保護法のルールがあるため、「国民のプライバシーを無用に侵害するものではない」とする政府側の答弁に対し、後藤議員は「必要性と保護のバランスを誰が判断するんですか。結局国家情報局なり官房長官なりということになる」と問題視。

 そのうえで「(情報を)無用には出さない、無理に出せと言わないということが、官房長官の節度にかかっちゃうのは、法的安定性という点では問題だと思う。ぜひこれはきちんと条文で『プライバシーや個人情報保護に配慮する』ということを規定すべきじゃないでしょうか。(法案を)修正すべきじゃないでしょうか。例えば『国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない』というような、もう少し広い書き方でもいいですよ。こういう規定がおかれて運用上何か困りますか?」と質問した。議場には「そうだ!」の声があがり、拍手をする議員もいた。

 これに対し木原長官は「国会における修正については私から申し上げる立場にはありません。情報を取得することを容易にするような権限を今回規定するものではありませんので、ご指摘のような規定は設けていない」などと答えた。

 後藤議員は「それは違うんですよ。この法律ができると国家情報局長なり、官房長官なり、あるいは総理が、各情報機関との間で情報疎通が向上するんでしょ、この法律は。言えば出すということが七条二項で義務付けられるんでしょ。ですから個人情報やプライバシーが集めやすくなる可能性はあり得るんじゃないですか。そういう面が全くないと言い切れますか」と質問。

 木原長官は「個人情報を取り扱う組織ではありますが、あくまでも基本的人権とかプライバシーの権利を不当に侵害してはならないというのは、憲法に規定されている大前提ですので、お尋ねのような規定を設けるという特段の必要性は感じておりません」などと答えたが、答え終わる前に後藤議員が「困りますかと質問です。条文(を設けないんですか)じゃなくて困りますかという質問」とカットインした。

 ここで山下貴司委員長が「ただ必要性を感じていないということで、立法側として新たな措置をとるかと…」と交通整理をしようとしたところに、後藤議員が「じゃあ困るということですね」とこちらにもカットイン。

 木原長官が「困る?」と困惑したため、山下委員長がもう一度質問するよう後藤議員に促し、後藤議員は「つまり国民の基本的人権を不当に侵害することはあってはならない、プライバシーや個人情報保護に配慮すべきだと条文で規定したら何か困りますか、という質問に答えていないんです。今の答弁は、困るところがあるということですか、それとも困ることはないんですか、どっちですか」と迫った。

 山下委員長が「じゃあ岡(内閣審議官)」と事務方を指名しようとしたところ、後藤議員は「違う、官房長官。全部通告してますから」と事前通告済みの質問であることを強調し、迫った。議場からは「さっきからちゃんと答えてないよ」というヤジも飛んだ。

 木原長官は「プライバシーの権利、あるいは基本的人権、侵害してはならないというのは当然考えています。個人情報保護法に則った形でこういった情報収集が行われるということであります。お尋ねのような規定を設けることは、その必要性は感じていないということであります」と、先ほどと同じ答えを繰り返した。

 これに後藤議員は「違います、答えていないです。答えていないです」と再びカットイン。「それは聞いていません。困りますかと、そういう規定が設けられると困りますかと聞いているんです。規定を設けるかどうかは、これは与野党で条文修正の協議をする話で、それが、条文修正が成り立った場合に政府として困ることがありますかと聞いているんです。全く答えていない。いやこれはもう官房長官、これ通告していますから明確に」と迫った。

 木原長官は「こうした個人情報の取扱いについて、今、少し見解の相違があるようですが、個人情報保護法をはじめとする関係法令に則って行われるということは当然のことですから、困るとか困らないとかというのはちょっとカテゴリーの違う話だと思いまして、したがいまして今、必要性は感じていないということに尽きる」と答えた。

 答弁中から「ダメ」「答弁してない」などと声を上げていた後藤議員は「それ聞いていないんです。困るかどうかを答弁してください」と要求。ここで与党理事が「修正があるかもわからないから」と口をはさんだが、後藤議員は「今、明確に言った。条文修正の案まで私、今、示しましたよ」と譲らず、「委員長これは…」というヤジも飛んだ。ここで山下委員長が「要するに必要性は感じていないから立法していないという意味であって、困る、困らない、困ら…」と交通整理をしかけると、後藤議員が「違う、修正された場合に」と述べたほか、与野党の理事なのか複数の声が錯綜し、委員会は混乱状態に。

 山下委員長は「じゃあどうしましょう。すみません、しゃべりません、どうぞ」と後藤議員にバトンを渡した。後藤議員も「私どの役をやっているか分からない」と混乱し、議場には笑いもおきた。

 ここで木原長官が手を挙げ「一番最初に申し上げたんですけれども、国会における修正ですから、今、私の立場で仮定の話に意見を申し上げる立場ではございません」と答えた。

 これに対し後藤議員は「それは違うんです。この修正協議を与党とやる上で支障があるのかないのか、まさにその条文の書き方でものすごく大事なんですよ。支障がないんだったら書いてもいいじゃないですかという話で、支障があるんだったら支障が少ない表現ぶりにする必要があるんじゃないですか。条文の書き方に関わっているから聞いているんですよ。これ答弁拒否許されないですよ。修正協議できないじゃないですか。審議は終わらないですよ、そんなの答えられなかったら。官房長官これはもう政治的意思だから、支障がないなら、ないとはっきり言ってください」と詰め寄った。

 「ダメだよ」とヤジが飛ぶ中、ここで木原長官が「何を答弁すればいいんだ」とつぶやき、後藤議員は「支障がないと言えばいいんですよ。支障があるならあると言うんですよ」と言ったところで、山下委員長が割って入り、「立法趣旨についてじゃあ、岡(内閣審議官)…」と事務方を指名しかけると、後藤議員は「立法趣旨だったらいいです」とこれを断った。

 後藤議員は「これは明確に答弁してください」と理事会で協議するよう要求したうえで、「この大事なところを答弁できなかったら修正協議できないじゃないですか。しかも一番大事なプライバシー、個人情報に対する懸念に対してどうやって議論すればいいんですか、これ以上。という話ですよ。審議進まないですよ、これ答弁しなかったら。しかもこれ通告しているんですよ、さっきからバタバタしているけど、騙しでもなんでもないからこれ」と述べて次の質問に移った。(ABEMA NEWS)

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(2枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る