
連日、季節外れの暑さが続く中、この暑さで渇水が心配されているダムの水位は、どうなっているのでしょうか。取材すると、21年ぶりの緊急事態が起きていました。
“渇水ダム”の水位に影響は?
13日、取材班が向かったのは“神奈川の水がめ”と呼ばれる津久井湖です。
この湖の水量を調整しているのが城山ダムです。現在、ダムの貯水率はどうなっているのでしょうか?
相模川水系ダム管理事務所
大谷長武部長
「きょうは貯水率18%。約21メートル下がったのが、現状の水位」
冬場の満水時に比べて、水位が21メートルも下がっています。
「城山ダムは非常に少ない状況。3月、4月も思ったよりは(雨が)降らなかった」
通常は、湖にかかる橋の柱がわずかしか見えないほど水が満ちていますが、1月に番組の取材班がドローンで撮影した際には、柱の大部分がむき出しに。さらに、湖に沈んでいた陸地が出現していました。
1月20日の貯水率は24%。水位はこの位置だったのが、3カ月近くが経った今月13日は、さらに水位が下がっているのが分かります。ダムの貯水率は6%減って、深刻な渇水が続いています。
「通常は秋口、10月、11月、12月、ダムに本来なら水をためなくてはならない季節に、半分程度の降雨しかなかったことが現状の水位になっている原因。非常に厳しい状況だと思っている」
神奈川の渇水で、東京にも影響が出ています。
県内には4つのダムがあり、合計の貯水率は現在41%です。導水管で水を相互に融通することで、水道水を安定して供給できるようにしています。さらに、相模川水系から東京都にも水を分けています。
通常は毎日約22万立方メートルを送っていますが、ダムの渇水により、先月5日から送る水の量を半分の約11万立方メートルに減らしています。
「これまで通り水は限りある資源。大切に使ってほしい」
21年ぶり給水制限
渇水の危機は、関東だけでなく、近畿最大級のダムでも…。
2月に番組で取材した大滝ダム。奈良県や和歌山県の“水がめ”として、水道水を供給しています。
冬にはダムの周辺が雪に覆われていました。この時の貯水率は当時としては過去最低の6.9%でした。雪解けの時期になって、貯水率は回復したのでしょうか。
紀の川ダム統合管理事務所
大滝ダム管理支所
古川友之支所長
「こちらが大滝ダム。本日午前9時の貯水率は12.9%。常時満水時から約40メートルほど低い」
ダムの水が多い時と比べると、13日の水位はかなり下がっているのが分かります。
貯水率は12.9%まで回復したものの、この時期としては過去最低で、平均貯水率68%には遠く及びません。ダムの水を放流するための設備が、水位の上にあることが渇水の深刻さを物語っています。
取材班は、ドローンを飛ばして上空からダムを撮影。
ダムの貯水率が低下していることを受け、県内26市町村では現在、水道の給水制限が21年ぶりに実施されています。供給量が7%減らされ、約88万人に影響が及んでいます。
湖の底に続く道路が、むき出しになっています。さらに、これまで湖に沈んでいた龍のモニュメントが出現していました。
ダムの竣工を記念して、水辺の守り神として作られたものです。
本来ならこの時期は水に沈んでいますが、渇水が続いたことではっきりと見ることができる異例の事態に。
21年ぶりに給水制限が行われている街では、「水不足」と「節水」を呼びかける横断幕が張られています。雨水をためて節水する人も。
住民
「節水。水をムダにしない。ここにジャーと雨水を入れて(水を)まいている」
毎日、大量のパンを作る工場からは、今後を心配する声が。
ウエダベーカリー 猶原秀和社長
「パン屋さんにとっては水と粉が命」
学校の給食や病院の朝食として提供するパンを、一日2000食作っています。パンを作る工程や清掃作業などで、1日に4トン以上もの水道水を使うといいます。
「奈良の渇水は深刻な問題と受け止めている。もし水が(さらに)少なくなった場合にどうするか、今後考えていかなければならない」
(2026年4月13日放送分より)
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