
関東有数の潮干狩りスポットで、高級ハマグリを狙う違反者が後を絶ちません。ルール破りの密猟の実態を取材しました。
【画像】貴重な国産ハマグリを守るため…ビーチでは「厳格ルール」
潮干狩り 家族連れでにぎわう
五月晴れが広がり、絶好の行楽日和となった2日。番組が向かったのは、茨城県の大洗サンビーチです。
南北およそ1.3キロにわたって広がり、日本でも有数の遠浅のビーチとして知られています。“入場無料”で潮干狩りが楽しめるとあって、この日は多くの家族連れでにぎわいました。
埼玉から来た人(11)
「引き潮の時に、いっぱいとれる感じで」
埼玉から来た人(8)
「いっぱいとれる!いっぱいとれる!」
埼玉から来た人(11)
「引き潮の時に歩くと(貝が)落ちている」
埼玉から来た人(8)
「楽しい!」
茨城から来た人(40代)
「帰ったらおみそ汁にする?」
茨城から来た人(7)
「ううん、もっといいの」
茨城から来た人(40代)
「バターしょうゆ?」
茨城から来た人(7)
「うん、バターしょうゆ!」
こちらでとれるのは、高級品として知られる「鹿島灘ハマグリ」。ぷりぷりの身は食べ応えがあり、特徴はその濃厚なうまみです。大きくなると高値で取引されるといいます。
厳格ルール 場所も“制限”
この貴重な国産ハマグリを守るため、ビーチでは厳格なルールが設けられています。
県の条例で3センチ以下のハマグリを取ることは禁止され、網が付いた熊手は使うことができません。違反すると6カ月以下の拘禁刑、もしくは10万円以下の罰金が科されます。
潮干狩り客
「子どもたちの安全のため、向こうは危なそうだなと思って」
場所にも“制限”が設けられています。
潮干狩りを楽しむことができるのは、第1サンビーチと第2サンビーチの2つのエリア。突堤から南側に位置する第3サンビーチは保護区域となり、貝類をとることが禁止されています。ライフセーバーも配置されていないといいます。
ところが禁止エリアでは、多くの人が熊手を片手に貝をとっていました。
この日の干潮時刻は午前10時すぎ。遠浅となった砂浜には、次々と“違反者”の姿が…。無法地帯と化していました。
網を足にくくりつけた男性。慣れた手つきで、貝をとっていますが…。
違反者
「(Q.何をとっている?)きょう初めて来たので、今から」
「(Q.今年初めてですか?)初めて初めて。70歳すぎて初めて来たの」
「(Q.貝の種類は何ですか?)ハマグリだと思うんだけど」
網には数十個のハマグリがありました。
「(Q.ハマグリとってはいけないが?)分からない。じゃあ返せばいいんだ」
とっているのは自分だけではないと弁解しながら、海の中にハマグリを戻しました。
「これ(網)ダメになったから、あげる」
男性は駐車場から周りの人の後をついてきて、禁止エリアに入ってしまったと説明します。
ビーチでは、潮干狩り禁止を知らせる看板を設置。県や海上保安庁が定期的にパトロールをしますが、密漁は後を絶ちません。
違反続々…無法地帯
ウェットスーツに身を包んだ男性。網には大ぶりのハマグリが入っているのが見えます。
違反者
「(Q.ここは貝の保護エリアだが?)ああそうなんだ。あっち行きます」
「(Q.知っていた?)全然知らなかった」
「(Q.服装もしっかりしているが?)年に1回気合いれて、ちゃんと着ている」
海が深い沖のほうで、ハマグリをとったといいます。
違反者
「こっち(波打ち際)だと、小さいやつしかいないから。(ハマグリを)戻したほうがよければ戻しますけど」
そう言いながら、その場を立ち去りましたが、男性は禁止エリアを立ち去るものの、貝は戻しませんでした。
茨城県は、貴重なハマグリなどの二枚貝を保護するため禁止エリアを設けています。エリア内では漁業関係者も、ハマグリを取ることはできません。
沖にも“密漁者”出没
波打ち際だけではなく、沖のほうでも“密漁者”が出没する事態に、サーファーは次のように話します。
常連のサーファー
「外国人がめっちゃ多い」
「たぶん奥のほうがとれる」
「(サーフィンの)邪魔だなとは思います」
アジア系外国人の網には、禁止エリアでとったハマグリが入っていました。
外国人の違反者
「(Q.何がとれた?)貝ね…」
「(Q.いろんな?)これだけ」
「(ビーチに来るのは)1年に1回だけだから」
「(Q.禁止エリアだと知っていた?)分からないけど、みんなとっているから」
そう言いつつも、しぶしぶハマグリを海に戻しました。
一方、こちらの外国人男性は…。
「(Q.これ持ち帰ると違反になるが?)この貝?放流します?」
貝を海に戻すと言って歩き出しましたが、しばらくするとなぜかUターンしました。仲間とともに、再び貝を拾い始めました。
51歳男性が行方不明に
実はこの日、禁止エリアではゴールデンウィーク期間中に実施している密漁のパトロールが行われていませんでした。
というのも、大洗サンビーチに潮干狩りに出かけた51歳男性が行方不明となり、その捜索が行われていたのです。男性は前日に、笠間市の自宅を出たまま戻ってこなかったといいます。男性のものとみられるサンダルも残されていたといいます。
この日は潮干狩りが可能なエリアと禁止エリアで、空と水中からの捜索が行われました。
海上保安庁の捜索隊
「視界は結構悪いですね。砂地なので波が立って、視界が悪い感じです」
大洗サンビーチでは、岸から沖へ向かう海水の流れ、いわゆる「離岸流」が発生することがあるといいます。
海上保安庁によりますと、男性はウェットスーツを着て、腰には鉛の重りをつけていました。その重みもあり、波が来たタイミングで海の中へ引きずり込まれた可能性もあるということです。
取り締まりで2人摘発
潮干狩りにはこうした海の危険に加え、守らなければならないルールがあります。先週、パトロールが行われました。
海上保安庁 職員
「間に網がついた熊手はダメなんで」
子どもが持っていた熊手には、禁止されている網がありました。
海上保安庁 職員
「1名検挙したから連れて行く」
知らなくても密漁と判断されれば、100万円以下の罰金などが科されます。
肩の高さまである大きな熊手を片手に現れた男性。ルールでは、熊手の柄の長さは50センチまでとされていますが、男性が持っていたものは1メートル30センチを超えていました。さらに、とったハマグリも3センチ未満で、こちらもルール違反にあたります。
この日の取り締まりでは、禁止されている道具の使用などで2人が摘発されました。
大洗町漁業協同組合 臼庭明伸参事
「昔から大洗町は小さいもの(ハマグリ)をとって、砂のあるところに放流して育てるとかずっとやっている。将来に『鹿島灘ハマグリ』を残したいから頑張って放流したり育てながらやっているので、ルールを守って楽しんでもらえれば一番いいのかなと思います」
(2026年5月4日放送分より)
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