
医師が処方する医薬品のうち、「OTC類似薬」に追加負担を求める法改正が進んでいる。どのような制度なのか。そして、財務大臣の諮問機関が「高齢者の医療費を原則3割負担とすべき」と提言した。理由と生活への影響をみていく。
膨らむ医療費、抑制できる?
まずは、OTC類似薬への追加負担についてみていく。
概算医療費は年々増加し、2024年度は48兆円で4年連続で過去最高を更新した。それに伴って、社会保障の負担率も高止まりが続いている。
こうした中、先月28日、医療費削減を目的とした健康保険法改正案が衆議院を通過した。一部野党が賛成に回っていて、今国会で成立する見込みとなった。改正案の柱の1つが「OTC類似薬」の購入時に追加負担を求める制度だ。
では、OTC類似薬の負担は今後どう変わるのか。
そもそも「OTC類似薬」とは、湿布や抗アレルギー薬、便秘薬など市販薬と成分や効能が似ている、医師が処方する処方薬のこと。OTC類似薬約7000品目のうち、約1100品目が対象だ。
具体的に金額はどう変わるのか。例えば1000円のOTC類似薬を購入した場合、3割負担の人は現在、自己負担額は300円だ。改正案では「特別の料金」として全体の4分の1にあたる、250円が新たな料金として課される。残りの750円に3割の225円がかかり、自己負担額は475円になる。
1割負担の人は現在、自己負担は100円だが、改正案では325円になる。
これにより医療費は年間900億円の削減、保険料は1人あたり年間約400円の引き下げにつながると国は試算している。
OTC類似薬の負担が増えることにより、どのような懸念が生じるのか。
栗原薬局・薬剤師、栗原貴彦さんによると、「病院に行かず、市販薬を選ぶ人が増える可能性があり、自分の症状に適した薬が分からず、副作用や体の不調が出てしまうなどの懸念がある」と指摘している。
高齢者の自己負担見直し?
財務大臣の諮問機関が、「高齢者の医療費を原則3割負担とすべき」と提言した。
財務省は先月28日、財政制度等審議会の分科会を開催し、社会保障分野の改革について議論した。分科会の増田寛也会長代理は「高齢者でも負担能力のある人にはそれなりの負担をお願いして、医療保険制度を持続可能なものにしていきたい」と述べたうえで、高齢者の自己負担について提言をした。
現在の自己負担は、現役並みもしくは一定以上の所得がある場合を除き、70歳~74歳は2割負担、75歳以上は1割負担で、高齢者の約9割が1割または2割負担となっている。そのため、財政制度等審議会は高齢者も一律で原則3割に引き上げるべきとの考えを示した。
高齢者の自己負担について、与党内の議論はどのように進んでいるのか。
自民党と日本維新の会は、連立合意書に盛り込まれた社会保障改革の実現に向け、改めて協議を開始。維新が公約で掲げる高齢者の医療費「原則3割負担」が最大の論点になっている。日本維新の会の藤田文武共同代表は3月18日に、「年齢で区切るのではなく、所得や資産で区切っていくという大原則に基づいてやっていきたい」と話していた。
(2026年5月5日放送分より)
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