
静岡県を走る大井川鉄道の値上げ計画に反対する地元の声に対して、鉄道会社の社長がブログで怒りをあらわにしました。その後、書き込みは削除されましたが、この社長は廃線の危機に瀕(ひん)した「ローカル鉄道の再生請負人」として有名な人物でした。
3500円均一価格巡り
「別に井川線が廃止になったとしても、世の中大勢に影響はないし、自分たちで反対してこの話をつぶすんだったら、それは自己責任だから私が責任を感じることもないし。とか思う自分もいるわけですよ」(4月28日投稿 ※現在は削除)
自身のブログにこう投稿した後に反発を受けて、先週謝罪したのは、静岡県を走るローカル線・大井川鉄道の鳥塚亮社長です。
静岡県中部、島田市と静岡市をつなぐ大井川鉄道。千頭(せんず)駅から井川駅を結ぶ井川線は、歯車をかみ合わせて急勾配を上る「アプト式」を導入している日本で唯一の路線です。
沿線には、湖に浮かんでいるように見える秘境の駅や絶景が楽しめるため、鉄道ファンだけでなく観光客にも人気です。
かつては地域の足として利用されていましたが、過去15年間で定期券の利用者はゼロ。そこで打ち出したのが観光列車としての再生です。
来月1日から導入されるのは、観光案内などを組み合わせた新たな料金体系です。区間にかかわらず、大人1人3500円、小児は半額。現在の運賃は160円から1340円のため、利用区間によっては2.6倍、最大で20倍を超える値上げになります。
ただ、地元からは「急すぎる」など不安や批判の声も上がっています。
ローカル鉄道の再生請負人
鳥塚社長は「ローカル鉄道の再生請負人」として知られています。
廃線の危機に瀕していた千葉県のいすみ鉄道をさまざまなアイデアで知名度をアップさせました。
また、新潟県のえちごトキめき鉄道の社長時代には、列車を貸し切って結婚式を行うなど、斬新な企画を次々と打ち出してきました。
大井川鉄道の社長に就任したのは2024年6月。これまでの経験もあってのコメントだったのでしょうか。
「ふだん田舎の山の中で生活している人たちにも理解していただくことは難しいということを『やっぱりここもそうだったなあ』と今回改めて感じているところなのです」(4月28日投稿 ※現在は削除)
大井川鉄道は、沿線にある温泉を利用する人などに配慮し、普通乗車券で利用できる列車を1日1往復設けるとしています。
また、地元に住む希望者には、すべての列車に乗車できる2年間有効な「住民パス」を1000円で発行する予定です。
川根本町で旅館経営 地元住民
「(ブログは)言い方によっては脅しにも取れる感じはした。そういうところで余計こじらせてしまって、地元との向き合い方ももう少し考えてほしい」
説明会を終えた鳥塚社長は8日、こう話しました。
「謝りました、地元の皆さんに。私も妻から怒られて『あんなこと書くんじゃない』と。その話はご理解いただけたと思います」
(2026年5月11日放送分より)
この記事の画像一覧
