
取り調べで机をたたき、「反社や」などと強い言葉で詰め寄るのは、東京地検特捜部の検事です。映像には、“不適正”とされた様子も記録されていました。
検事「検察庁を敵視は反社や」
検事
「もう自主申告をせなあかんレベルまで達してるで。なめきっとんねんから、こっちを…。捜査機関がなめられたと思ったらどうするか、考えたら分かるはずや」
取り調べを受けるのは、生田尚之被告(52)。詐欺などの罪で逮捕・起訴された太陽光発電関連会社の社長です。
東京拘置所内で撮影されたその取り調べの映像には、たびたび東京地検特捜部に所属していた検事が声を荒らげる場面が記録されていました。
検事
「『自分がここにいる理由がないのに』と思うのか!?理由はあるやろが!」
生田被告は複数の金融機関から金をだまし取ったとして5年前に逮捕され、今年3月に東京地裁で実刑判決を受けています。
問題は、その初公判前の取り調べです。
生田被告側は無罪を主張するとともに、「検察官による暴言や威圧的な取り調べがあった」として起訴が無効だとも訴えました。
ANNは、その証拠となる映像を関係者から入手しました。
検事
「敵視してるやろって。首振ったよな。してるよ。したかったらしていいよ。でもな、検察庁を敵視するってことは、反社(反社会的勢力)やん、完全に。その理屈ぐらい分かれよ。検察庁や警察、そういうところを敵視するっていうのは、そもそもがルールを守るつもりがない。そういうことやろ」
「敵視する以上は、こっちだって常識の範囲内では敵視する。悪いことしておいて、全然認めんで。逮捕前は。逮捕してから黙秘する。完全に戦略や」
その後の取り調べでも、検事からは黙秘権の行使を非難するような発言が繰り返されます。
検事
「どれくらい裁判の結果が悪くなるかを試してるのか。(机をたたく)生田さん…それぐらいひどいで。黙秘している場合ちゃうやろ、本来」
そして、黙秘を続ける生田被告に対して机をたたいたり、大声を上げたりする様子も。
「生田さん、ちょっとええかな。俺をにらむな。こら、なんでにらまれなあかんねん、こっちが」
「ええか、生田さん。簡単に嘘をつきすぎ。簡単に嘘をつくし、必死に嘘をつく」
東京地検“不適正取り調べ”
逮捕から39日が経った取り調べでは…。
検事
「なんかもう、あぶらっこい人間の欲と。なんちゅうか本能と欲と、責任を取りたくないという人間の醜いところが、凝縮された感があるよな、この取調室は。この結果な、例えば生田さんに有利な事情が出なかったとか。またぴくっとしたな。うんざりやな、もう」
生田被告
「え?な?」
検事
「もうええわ。もうええ。お寒いわ」
生田被告
「何も今、表現してないですけど」
検事
「ん?」
生田被告
「何も今、表現してないですけど」
検事
「ぴくってしたやん、分かるねん、こっちだって。あほやないんやから」
生田被告
「じゃあ、本当に何も言えないですね」
検事が生田被告の表情が変わったと主張し、怒鳴り合いになりました。
検事
「もう本当に何も言えないですねって、何も言うてへんかったやないか。何か言うとったっけ。俺の勘違いかよ、この39日間。何か言うとったの聞いてへんかった、俺が。ええか生田さん、黙秘を人のせいにするな!!」
生田被告
「(深く息を吸う)」
検事
「自分が選んだんやろ!!」
生田被告
「してません!!」
検事
「してるやろが!」
生田被告
「してない!!ひどい!!」
検事
「人のせいにするな!!」
生田被告
「何度か話してもらって、私も自分なりに考えて発言しようと思うと、すべての発言を、どうせ裏目にとられると思うから、発言できないでいる。悔しくてしょうがない。でももういいです。もう罪を重くすることだけしか多分考えていないと思ってますから」
最高検も、取り調べの一部が不適正だったと認めています。
一方、生田被告側が担当検事を刑事告訴したことについては、東京高検は今年3月、違法な行為であると認めるに足る証拠はないとして不起訴としました。
生田被告はこれを不服として、刑事裁判を開くよう請求しています。
また、国を相手に損害賠償を求める民事裁判も起こしていて、法廷で映像を再生するよう求めています。
(2026年5月12日放送分より)
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