来月開幕のサッカーワールドカップを戦う日本代表26人が発表されました。森保一監督にスタジオに来ていただきました。まずは15日午後2時、運命の代表発表の様子から見ていきます。
勝つために選んだ「最高の26人」
まず、発表されたのはゴールキーパー3選手ともワールドカップ初選出です。
中でも注目は、海外組の鈴木彩艶選手(23)。身長190センチ、体重100キロという恵まれた体格を持ち、3月のヨーロッパ遠征では好セーブを連発。強豪相手に完封するなど絶対的守護神です。
続いてはディフェンダー。その瞬間を見ていた長友佑都選手(39)。アジアで初めての5大会連続メンバー入りを果たしました。直前のけがもあり、一時は出場を危ぶまれた中での選出です。
一方、初選出ながらスタメンとして期待がかかるのが渡辺剛選手。オランダの名門フェイエノールトでプレーする29歳。強さが売りのセンターバックです。
鈴木淳之介選手はディフェンスで最年少22歳。去年のブラジル戦、1対1の強さで勝利の立役者に。機を見て攻撃参加もできるディフェンダーです。
ミッドフィールダーとフォワードは…。不動のキャプテン、遠藤航選手(33)は3度目のワールドカップ。2月に左足を負傷し、手術。トレーニングは再開していますが、実戦復帰前に選出されました。
今回のメンバーで日本代表最多の16ゴールを挙げているエース上田綺世選手(27)。オランダリーグでは今シーズン25ゴールと得点ランキングトップを独走しています。
先月、3カ月ぶりにけがから復帰した久保建英選手(24)。チーム最年少で臨んだ前回大会に続き、2度目の選出となります。
そして大抜擢(ばってき)されたのがフォワード2人。チーム最年少、20歳の後藤啓介選手は今シーズン、ベルギーリーグで11ゴールと結果を残しています。
21歳の塩貝健人選手は代表戦出場わずか1試合での選出となりました。
一方、これまで森保ジャパンの主軸を担ってきた三笘薫選手(28)がけがのため、落選。26名の最終決断は発表の3時間前。ギリギリまで悩みました。
森保監督
「(Q.目が潤んでいるように見えましたが…)『ワールドカップの舞台に立ちたい』という思いをかなえてあげられなかった選手のことを考えると、感情の部分で少しコントロールできないところが出てくる。選ばれなかった選手のことも含めて、ワールドカップで勝つこと、成長することチャレンジしてもらいたい」
三笘薫「本当に痛い」落選
日本代表の森保監督に聞きます。選ぶという行為は、誰かを選ばないということでもあるわけで、つらい仕事でもあると感じました。
「おっしゃる通りです。選べる選手は26人で選べなかった選手は本当に何百人といるので。彼らの思いであったり、心があるということはいつも感じさせてもらってるので、そういう意味でも選ぶ選手を発表する場ですけど、選べなかった選手たちのことが本当にたくさん出てきます」
そうやって考え抜いて選び抜いたこの26人。この26人にした基本的な考え方、哲学というのはどういうことなんでしょうか。
「今のベスト。今、日本代表がワールドカップで戦ううえにおいて、勝つ可能性が一番高いと思える26人を選ばせていただきました。今のベストだと思ってます」
改めて、ワールドカップを戦う森保ジャパンのメンバー、26人となっています。半数の13人が前回大会に続いての選出で、もう半数の13人が初めての選出ということです。
森保監督は4年間で89人の選手を代表に招集されてきました。その中で選出されなかった主な選手ですが、三笘選手、南野拓実選手(31)などとなっています。
特に主軸であった三笘選手はけがをしたのが、ついこの前で、選に漏れたわけですが、これは非常に痛いのではないかなという思いですが。
「おっしゃる通りです。誰が出ても勝つ、誰が出ても機能するということで、チームの総合力で戦っていくということはこれまでもやってきましたけど、その中でも違いを作れる選手でしたので、そこはチームにとっても本当に痛いところはあります。本人が何よりもこのワールドカップにかけていたので、その胸中を考えるとこちらも悲しくなりました」
「(Q.直近話はされましたか?)一度話はしました。そこで、彼の思いと、彼の思いを見ていたこともお互い共有させてもらって、選んだ選手とともに、薫の分もみんなで頑張るからという話をさせてもらいました」
南野拓実はメンターで…
内田篤人さんは三笘選手がいないということ、どう捉えていますか。
「もちろん三笘選手がチームに与える影響というのは大きいと思うんですけど。チームを作っていくうえで1人の選手に頼りすぎるというよりは、ここはチームみんなで乗り越えていく問題かなと思っています」
今回のメンバーをポジション別に並べてみました。
内田さん
「森保監督、ポジション的には左サイドのシャドーと呼ばれるゴールに近いポジションに三笘選手がいたんですが、この辺りの選手で乗り越えていくという考え方でよろしいでしょうか?」
森保監督
「そうですね。あと、前田大然であったり中村敬斗であったり、後藤啓介も2列目でプレーできるということで考えています」
内田さん
「いろいろな選手が複数のポジションができますし、チャンスもあるということでいいですよね」
森保監督
「おっしゃる通りだと思います。いろんな複数のポジションできる選手が多いので、あらゆる回し方を考えてチームとしては戦えると思います」
けがで選べなかった選手というところで、南野選手もいらっしゃいますけども、いかがですか。
「拓実もチームのコンセプトを体現してくれているような選手だったので、本当にワールドカップの舞台で一緒に戦いたかったっていうところはありますけど。ただ、けがで一選手としては帯同はできないですけど、選ぶことはできなかったですけど、違う形でチームに帯同してもらえるよう今、調整をしてもらっています」
違う形というのは?
「分かりやすく言うとチームのサポート役のメンターとして帯同してもらって、本人にはリハビリをしっかりしてもらいながら、チームのサポートをしてもらうことを考えています。前回のワールドカップでアルゼンチンがそういう形をとっていたりということで。まねしているわけではないですけど、彼も3月のイングランド遠征の時には、自費でチームに寄り添う形で来てくれたりとかありましたし。本人もどういう形であっても、チームと戦いたいという気持ちを持ってくれていますので、今、交渉しているところではあります」
キャプテン遠藤航の存在
内田さん
「一方で、キャプテンの遠藤航選手、今シーズン復帰できずに招集しましたけれども、これは間に合っていいと考えていいですか?」
森保監督
「手術をする前から間に合う前提で手術をしてっていうプランを聞かされていて、順調にいけば、必ずワールドカップに出られるということをメディカルサイドから話は受けていて、まさに順調に今、リハビリもできてコンディションも上げてきていると聞いているので、招集しました。実際にワールドカップの前に親善試合等々でそこでプレーをして実戦感覚は養ったうえで今大会にも挑めるということで」
内田さん
「少しけがが心配なので、ちょっと暗くなっちゃうんですけど、選手側から言わせてもらうと、経験上、けがをしたということは1シーズンフルフルで稼働してないので、余力が余ってるんです。僕がそうだったんですけど、モチベーションもサッカーをしたい!という状況でワールドカップに臨めるのは悪くないと思っています。なのでコンディションをしっかり整える期間があるので、それほど僕は心配していないと思います」
それがキャプテンの遠藤選手であるということも大きい。
内田さん
「彼がその姿勢を見せてくれれば、さらに強固なチームを作れるんじゃないかなと僕は思っています。森保さんにもう1つ伺いたいのが、今回ヨーロッパのリーグの終わりを待たずにメンバーを発表しました。例えばドイツやオランダは今週末にシーズンが終わるので、これを待ってから発表してもいいのかなと思ったんですが、15日に発表、少し早いかなと思うんですが、狙いはあるんですか?」
森保監督
「選手たちのシーズンの終わりをもって発表するというのももちろん考えましたけど、そうすると、選べなかった選手たちのオフの予定等々が分からなくなると。実際に1週早くしてもこれまでずっと選手たちのことを見てきていますし、その中で決めていくということにおいては、すべてメディカルサイドのチェックも我々、テクニカルサイドのチェックも終わらせたうえなので、もし想定外のことがあれば、そこは差し替えということで考えたほうが、選手にとっても安心して落ち着いてまたワールドカップに向けて考えられるかなと思います」
長友佑都に期待するのは
5度目の出場となる長友選手ですが、どのようなことを期待されますか。
森保監督
「まずはピッチ上で彼が一番ギラギラしているので、その気持ちとプレーを練習の時からぶつけてほしいなと思っています。そのうえでみんなが引っ張られていきますし、彼が持っている経験というのは、みんなを勇気づけてくれますし落ち着かせてくれるので、ピッチ内外で長友の存在感を発揮してもらいたいなと思っています」
改めて今回の北中米ワールドカップを見ていきますと、出場チームが全部で48増えました。そのうち32チームが決勝トーナメントに進出できます。
その32チームというのが各グループ上位2チームと3位の中からの8チームで32チームです。日本はグループFということでオランダ、チュニジア、スウェーデンと戦っていくわけです。
ちょうど1カ月となっていますが、最初の相手が最もランキングの高いオランダということで、これはどういうふうに捉えていますか。
「オランダは世界屈指のタレント集団だと思ってますので、そういった意味では個々の力が高いので、一人ひとりを自由にさせないように戦いを進めていかなければならないかなと思っています」
内田さん
「初戦のオランダ戦までにどんなところに気を配ってというか、チームのことを気にしながら準備していくと考えていますか?」
森保監督
「相手のことは本当に分析して対策をしなければいけないですけど、まず自分たちがどれだけ基本のコンセプトを徹底して共有できるかということと、フィジカル的なコンディションを上げられるかということが大切かなと思っています」
内田さん
「また少し前に中村俊輔コーチが入りましたけれども、どんなことをチームに期待しますか?」
森保監督
「まずはすべてにおいて彼のひと言が、みんなポジティブにいろんな考え方になると思いますので、我々コーチングスタッフに対してもこれまでやってきたことから、さらにまた勝つ確率を上げられるようなアドバイスをしてほしいと思いますし、選手には世界で戦っていく自信を持たせてもらえるような声掛けをしてもらいたいなと思います」
グループステージどう戦う
初戦、オランダ戦の話があり、チュニジア、スウェーデンと続くわけですが、それぞれのチームと戦う時のイメージは具体的にできていますか?
森保監督
「オランダに関しては想像ですけど、押される時間も長くなるかなと思いますので、そこは粘り強く戦いながら相手が日本の守備は嫌だなって思いながら、我々が上回っていけるようにしたいと思いますし、その中でもチャンスをしっかり作って。チュニジアに関しては予選で無失点で上がってきてるチームで、監督は代わったけど堅守速攻は変わらないと思いますので、そこで強固な守備を崩して我々は点を取れるようにかつカウンター攻撃を受けないようにしっかりとリスク管理をしていく戦いができればなと思っています。スウェーデンに関してはタイプとしてはチュニジアのようなタイプかなと思っています。ただし高さもあって非常に機動力もあるチームなので、個々の良さを出させないようにかつ、世界的にもトップクラスのストライカーがいますので、そこをしっかりと止めて我々が攻撃に移っていけるようにできればと思っています」
森保監督のもとで強化試合では強豪をなぎ倒すこともしばしばありました。そういう意味でいうと今回、これまでベスト16でなかなかそれ以上いけなかったところが、新たな自信というんでしょうか、今度のジャパンは違うぞという何か手応えは感じておられますか?
「これまで勝てなかった相手に、親善試合だとはいえ勝って、我々はできるという自信を持ってワールドカップに挑めると思います。ただ選手たちも親善試合で勝ったから公式戦で勝てるとはかぎらないという冷静さを持っているという部分では、選手たちは自信を持ちながら、さらに高みを目指して挑むという準備をしてくれているので、いい戦いがワールドカップでできると思います。でも、何よりも我々の戦いを見てくださっている方々が『日本、ワールドカップで勝てるんじゃないのか』っていう思いを持って今、共闘応援の輪を広げてくださっているので、そのパワーをいただきながらワールドカップに挑みたいと思います」
(2026年5月15日放送分より)
