『緊密な同志国』中国念頭に“安全保障”強化 初の武器輸出はフィリピン?今後の課題

『緊密な同志国』中国念頭に“安全保障”強化 初の武器輸出はフィリピン?今後の課題
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高市総理は、政権発足後、初の国賓として来日した、フィリピンのマルコス大統領を迎えました。

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国交正常化から70年
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今年は、フィリピンとの国交正常化から70年の節目の年。
首脳会談は、総理官邸ではなく、元赤坂にある迎賓館で行われました。

高市総理
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高市総理
「記念すべき年に、国賓としてお招きできて、とてもうれしく存じます」

フィリピン マルコス大統領
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フィリピン マルコス大統領
「両国関係が着実に強く、深く、広くなったことをうれしく思います」

会談の最大のテーマは、その両国関係について。
冒頭、両首脳は「戦略的パートナーシップ」と位置付けてきた関係を、一段上の段階に引き上げることで一致しました。

高市総理
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高市総理
「日本とフィリピンが緊密に連携していく重要性は、かつてなく高まっております。“包括的”戦略的パートナーシップに格上げできることを、とてもうれしく思います」

この包括的戦略的パートナーシップ。あらゆる分野で緊密な関係を築くという意味ですが、両首脳が、特に重視するのが、安全保障分野での関係強化です。

フィリピン マルコス大統領
「これまでの安全保障・海洋防衛協力、インフラ開発での成長に加え、国際法の遵守や新たな分野での連携拡大を反映しています」

なぜ、いま、安全保障なのでしょうか。

背景にあるのは、世界第2の経済力を持ち、軍事的な膨張を続ける中国の存在です。

尖閣諸島などがある東シナ海で中国とにらみ合う日本。南シナ海の南沙諸島をめぐり、中国と領

有権を争うフィリピン。

南シナ海では、武装化や大型化が進む中国海警局の船と、フィリピン側の船が衝突する事態が、たびたび発生しています。

共同声明
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共同声明には、東シナ海および南シナ海の情勢に深刻な懸念を表明し、平穏に確立された現状を力、または、威圧により変更しようとする、あらゆる一方的な試みに強く反対すると明記されました。

しかし、フィリピンは、周囲を海に囲まれた海洋国家でありながら、海軍力が十分ではありません。

ゲリラやイスラム過激派への対応といった国内の治安維持に陸軍が駆り出され、予算が重点的に配分されてきたからです。結果、近代的な戦闘能力を持つ軍艦は、わずか数隻。しかも、防衛力の一端を担っている同盟国アメリカのトランプ大統領は、中国と接近するような動きを見せています。

首脳会談に先立ち、国会で演説を行ったマルコス大統領は、日本の重要性を強く訴えました。

フィリピン マルコス大統領
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フィリピン マルコス大統領
「海の民主主義国家として、両国は、海洋安全保障を強化し、力ではなくルールによって、安全で開かれた海を維持していきます」

約1時間にわたって行われた会談の終了後、両首脳は、安全保障分野に関して、2つの成果を発表しました。

高市総理
「本日の会議におきまして、まず、安全保障分野では、秘密軍事情報保護協定の正式交渉開始で一致しました。また、あぶくま型護衛艦などの移転に向け、防衛当局間のやり取りを加速させることでも一致しました」

秘密軍事情報保護協定
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1つ目の秘密軍事情報保護協定とは、安全保障上の機密を交換するために結ぶもの。締結されれば、フィリピンが入手した情報を、日本が活用することも可能になります。フィリピンに対して、日本はすでに高性能な警戒管制レーダーを輸出しています。

あぶくま型護衛艦等の移転
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2つ目のあぶくま型護衛艦等の移転は、就役から30年以上が経ち、退役が予定されている海上自衛隊の護衛艦を、フィリピンに輸出するというもの。高市政権は、先月、殺傷能力のある武器の輸出を全面的に解禁していて、実現すれば、第1号の案件となるかもしれません。

フィリピン マルコス大統領
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フィリピン マルコス大統領
「これらは防衛協力をさらに強化し、ルールに基づく海洋秩序を維持するための非常に重要な一歩です。さらなる高みを目指して、努力を続けていきます」

◆武器輸出をめぐる経緯です。

武器輸出をめぐる経緯
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1976年、当時の三木武夫内閣が、政府の統一見解として、武器輸出の原則“禁止”を示したのが、始まりです。これが大きく変わったのが、2014年の第二次安倍内閣が打ち出した『防衛装備移転三原則』です。これにより、救難・輸送・警戒・監視・掃海の5類型、5つの条件に沿った場合、防衛装備品の輸出が可能になり、これに基づき2023年フィリピンへ警戒管制レーダーが輸出されました。

5類型を撤廃
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先月、高市政権が閣議決定により、5類型を撤廃しました。狙いについて、政府は「同盟国や同志国の抑止力・対処力の強化」「相互に支援する環境の構築」などを挙げ、進める方針です。

輸出先は制限されます。「現に戦闘が行われていると判断される国」はもちろんのこと、輸出先は、協定を結んだ17の国に基本的に限定されます。加えて、輸出に際しては、NSC=国家安全保障会議で審議を行い、輸出を認める場合は、速やかに国会に通知します。国会の事前関与はありません。

政府は、国家安全保障局を中心に、輸出後の管理状況のモニタリング体制を強化するとしています。ただ、この点について、安全保障問題に詳しい拓殖大学の佐藤丙午教授は、課題もあるとしています。

佐藤丙午教授
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佐藤教授は「現在の日本は、輸出した武器が契約通りに使用されているか、モニタリングする機能が弱い。例えば、銃器は、群衆弾圧などの人権に反する使い方、戦闘機などは、状況によっては、紛争拡大を助長させてしまう可能性もある。そのため、目的外の使用を監視する必要がある。今後、現地に派遣し、監視を担う組織作りを行う必要があるだろう」と指摘。また「監視で得られた情報を元に、取引量の増減や契約の打ち切りなど、次の取引に生かすことも重要だ」と話します。

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