
外国人の在留審査にかかる手数料の上限を大幅に引き上げる「改正入管難民法」が先月29日に成立しました。収入が不安定な難民申請者らを支援する現場からは不安の声も出ています。
【画像】就職活動用のスーツも 企業や支援者から寄付された生活用品
難民支援協会の現場
難民支援協会 石川えり代表理事
「こちらが入り口になっていて、受け付けで名前や国などを書いていただくんですけれども、『食べ物について相談したい』とか『休みたい』とか『洋服などを欲しい』という、生活を下支えするような相談も来られています」
都内にある難民支援協会。さまざまな理由で母国から日本に逃れてきた人が、法的な手続きや当面の生活などの相談に来る場所です。
事務所の中には、企業や支援者から寄付された大人から子どもまでの古着や生活用品、男性が就職活動する時のスーツも用意されています。カウンターの裏には…。
石川代表理事
「こちらが食料棚になっていて、生活の相談があった方に、必要な方にお渡ししている。『ご自由にお取りください』というよりは、本人の状況をお伺いして、置かれている経済的な環境なんかも理解したうえで、必要なものをこちらでお渡ししている」
活動に必要な予算の9割以上は寄付で賄われています。この男性も月に1回、ボランティアで参加しています。
ボランティアの男性
「海外で生活していたことがあって、その方(難民)が多い国にいまして、それがきっかけ」
支援にあたっては直接、本人から詳しい事情を聴いて判断します。
石川代表理事
「難民の定義とか審査は非常に複雑で難しいので、簡単に聞き取って、簡単に判断できるものではない前提で支援しています。ただ、違うのではないかと思う時は、本人に申し上げています。そうしないと結局、本人にとっても日本に居ることができないので」
申請者「居られなくなる」
こうした中、国の対応は大きく変わりつつあります。
去年5月から始めた「不法滞在者ゼロプラン」。政府が難民審査の迅速化を目指す中で、申請直後に「明らかに該当しない」に分類されるケースが前の年に比べて20倍に急増しました。
石川代表理事
「非常に簡易な手続きで『難民ではない』と申請中に割り振られる方が増えて、ゼロプランはその適正な手続きをカットしてしまう恐れがあると、非常に懸念を持って考えています」
国会では先週、「改正入管難民法」が成立しました。
急増する外国人の出入国管理費用について、相応の負担を求める必要があるとして、手続きにかかる手数料の上限を最大10倍(変更・更新)から30倍(永住許可)に引き上げます。審議の過程では…。
立憲民主党 石橋通宏議員
「特に難民申請者ですね。在留資格更新変更(手数料)の大幅引き上げが行われると、それこそ日本に居られなくなる」
支援したいと考える人増加
難民支援協会によると、難民申請者の在留期間は申請後の最初は2カ月、次は3カ月を2回、その後は半年と頻繁に更新を繰り返すのが一般的です。
現行の6000円でも払えない申請者が少なくなく、家族が多いほど負担も増えてきます。
石川代表理事
「(難民申請後)8カ月までの就労ができない期間、そこでも4回更新があるんですね。やはり減免の対象にしていただきたいというのが、こちらの大きな願いです」
一方で、政府の「ゼロプラン」によって外国人問題が大きく議論されるようになり、支援したいと考える人も増えてきているといいます。
参加者
「いろんなSNSで外国人はあまり入れたくないとか、そういった声が高まっていた時にすごくモヤモヤして」
石川代表理事
「良くも悪くも争点化されたというか、やはり自分はこれまで見て見ぬふりをしていたと。全体的にはすごく後ろ向きの風も吹いていると思うが、彼ら(難民)の存在に気付いて『何かしたい』とか『自分自身は排除する側に立ちたくない』と、マイナスの面には手当てしつつ、プラスの面を育てていくという形で考えている」
(2026年6月1日放送分より)
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