2日、参議院外交防衛委員会において、社民党の福島みずほ議員が防衛装備品の海外移転をめぐり政府側を追及した。日本製の重要部品が米国を経由して第三国へ移転され、実際の戦闘で使用されている疑惑に焦点を当てた質疑では、福島氏が答弁に対して自席から声を上げ、委員長から制止される一幕もあった。
福島氏は、日本がライセンス生産していた地対空誘導弾パトリオット(PAC-2)の重要部品「シーカージャイロ」の米国への移転について質問し、防衛省側から「防衛装備移転三原則上の防衛装備に該当する」との答弁を引き出した。その上で福島氏は、2024年に日米間で交わされた協定の交換公文にある「事前の同意を得ないで移転はできない」という規定を提示。米国が同部品を第三国であるカタールに移転する際、「事前同意が必要な装備資材に当たるのではないか」と迫った。
これに対し、外務省の山本文土参事官や防衛省の小杉裕一装備政策部長は、部品をライセンス元に納入する場合は運用指針に基づき「仕向け先の管理体制の確認」をもって適正管理が確保できるため、事前同意を義務付ける必要はないとの説明を繰り返した。納得のいかない福島氏は「防衛装備には当たるけれども、交換公文(公式の合意文書)の装備には当たらないということなのか。書いてないことを言うのはおかしくないか」と厳しく批判し、条文の解釈に問題があるのではと指摘した。
さらに福島氏は緊迫する中東情勢に触れ、米国とイランの軍事衝突に際してカタールが迎撃にPAC-2を使用したとされる件を指摘。「使用されたPAC-2に、日本が移転したシーカージャイロを用いたものは含まれているのか」と小泉進次郎防衛大臣に迫った。小泉大臣は「他国の軍の運用についてお答えする立場にない」としつつも、カタールが同システムで迎撃に成功している事実を認め、PAC-2は飛来する巡航ミサイルなどから自国民の命を守るための「あくまで防御的な装備品」であると強調。その上で、厳格な管理体制のもとでの移転であれば特段の問題はないとの認識を示した。
福島氏が「カタールで使われていることを認めた」としてさらなる確認を求めると、防衛省の小杉部長は「2016年当時は、カタールで使用されるんじゃないかということで我々確認している」と答弁。現在進行形の事態に対して過去の経緯を語る答弁に対し、福島氏は猛反発し、自席から「今回! 今回!」と激しく声を挟んだ。このヤジに対し、委員長から「指名をされて(から)ご質問ください。時間が参りますので、おまとめください」と制止される場面があった。
改めてマイクの前に立った福島氏は、「私の質問は、今回使われているかどうかだ」と強調。日本が輸出した部品がカタールで実戦投入されているのではないかと問題視し、「国際紛争助長の回避のために武器輸出三原則があったわけだが、まさに今回のようにアメリカに行ったものがカタールで使われているのであれば、国際紛争をまさに助長している」と強く訴え、質問を締めくくった。
(ABEMA NEWS)

