ありふれた車内でその事件は起きた。75歳の男性が近くにいた50代の男性に「新聞の音がうるさい!」と注意した。やがて新聞をめくる音は刃物沙汰へと発展する。2人はバスから降りた。すると注意した側の75歳が相手の顔をナイフで切りつけ逃走。その後、殺人未遂などの疑いで逮捕された。
原因とみられるのが、新聞をめくる音だ。この音がなぜ殺人未遂の事件にまで発展するのか。音響の専門家・東京工芸大学工学部の森山剛教授に分析を依頼した。
人が不快に感じる音とは、一番聞き取れる3000ヘルツを中心とした音に雑音が混ざると不快な音とされる。この性質を利用して、あえて注意をひくために不快にしている音もある。
「人の耳は3000Hz付近の周波数が敏感だということは分かっている。例えばサイレンとか警告音、これは聞き逃されたら元も子もないので、その辺の帯域はちゃんと含むように設計されている。しかも繰り返すと何か警告に聞こえるという設計がされている」(森山教授、以下同)
「新聞をめくる音」も科学的に不快な音?
