
太平洋戦争の混乱期に日本人の父親とフィリピンで生き別れた95歳の女性が求めていた日本国籍の回復は認められませんでした。
父は強制送還、婚姻記録は焼失 無国籍状態に
フィリピン残留日本人2世のカンバ・ロサリナさん(95)は、鳥取県出身の神庭利太さんとフィリピン人の母親との間に生まれました。戦前の国籍法では、日本人の父親を持つ子どもには日本国籍が与えられました。しかし、敗戦後に利太さんが日本に強制送還されたうえ、両親の婚姻を証明する記録などが戦禍で焼失などしたため、無国籍状態となりました。
日本の司法「法律上の父子関係認めず」
ロサリナさんは、今年1月に来日した際、父親の出身地である鳥取県を訪れ墓参りをし、また、父親の写真が見つかるなど新たな証拠が見つかったため、家庭裁判所に日本国籍の回復を求めて「就籍」の申し立てを行いました。
しかし、6月24日付で家裁は「申立人と父との間に法律上の父子関係が認められない」として申請を却下し、ロサリナさんの国籍回復が認められなかったことが支援団体への取材でわかりました。弁護団は即時抗告を行うとしています。
最高裁に特別抗告
フィリピン残留2世の無国籍問題をめぐっては、タケイ・ホセさん(82)が日本国籍の回復が認められないのは違憲だとして、最高裁に特別抗告をしていて、4月には、憲法・国籍法などの専門家が、意見書を提出しています。
その中では、旧国籍法上には家裁が指摘する「法律上の親子」とした記載はなく、現代ではDNA鑑定で親子関係を証明できることから、血縁関係の証明をもって「就籍」を認めることができる、などの意見が述べられています。
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