
今の国会の会期末まで2週間余りとなりました。高市総理“肝いり”の政策を実現させようと、政府与党は30日も審議“強行”を連発、野党の反発は強まるばかりです。
【画像】【報ステ解説】党内から慎重論も出ているのになぜ?野党欠席の中…“強行”連発
国旗損壊罪』全野党欠席で採決
終盤国会は“職権”に次ぐ“職権”。永田町では、委員長が野党の合意を得ないまま、自らの権限で強行的に審議を進めることを指す言葉です。野党5党はそろって森議長のもとへ。政府・与党が強権的な国会運営を行っているとして、猛省を促すよう申し入れました。


中道改革連合 重徳和彦国対委員長
「“職権立て”で強引に立てられた、この後の本会議についても、衆院議長としてベルを押さないでいただきたい」
所村武蔵アナウンサー
「本会議がまもなく始まるベルが鳴りましたが、中道は扉を閉ざしたまま出てくる気配がありません。欠席の構えでしょうか」
結局、本会議は全ての野党が欠席した状態で開会。

森英介衆院議長
「国旗の損壊等に関する処罰に関する法律案を議題といたします」

法案を共同提出した国民民主党と参政党も席にいないという異例の事態です。さらに、自民党からも席を立つ議員が。岩屋前外務大臣です。採決を前に本会議場を後にしました。


自民党 岩屋毅前外務大臣
「国旗を尊重する意識は自然な形で育まれるべきで、刑罰で強制されるべきではない。党所属議員として反対はしないが、積極的に賛成もできない。棄権させていただいた」
ただ、衆議院は与党が4分の3を占めています。

森英介衆院議長
「賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって本案は委員長報告の通り可決いたしました」
では、なぜ野党はここまで反発しているのか。

国民民主党 玉木雄一郎代表
(Q.『国旗損壊罪』法案の提出者。本会議欠席をどう説明するか)
「この法案がどうこうということではなく、国会の運営というルールを政府・与党が破っている。議会制民主主義に対する敬意を欠いた行動。これはさすがに認めることはできない」
振り返れば、突然の解散や、その後の予算審議などを通じて、政府・与党に対する野党の不満は徐々に高まっていました。

中道改革連合 重徳和彦国対委員長
「極めて一方的に与党側が総理の出席を拒む。政府・与党による審議拒否が続いている。当初予算からずっと」
そうした状況の中で29日、日本維新の会の美延委員長が、肝いり政策である『定数削減』に関する法案を、野党の合意を得ないまま職権で審議入りさせます。これが対立を決定的なものとしました。
定数・副首都委員会は“空回し”
30日の委員会では、全ての野党が欠席する中で議事が進行。


美延映夫委員長
「これより中道改革連合・無所属の質疑時間に入ります」
もちろん中道の議員はいないため、質疑は始まりません。静寂の中、与党議員は思い思いの過ごし方です。そして。

美延映夫委員長
「これにて中道改革連合・無所属の質疑時間は終了いたしました。これより国民民主党・無所属クラブの質疑時間に入ります」
国会では“空回し”と呼ばれるこの時間。審議は行われていませんが“審議を行った時間”としてカウントされるのが大きな特徴です。30日は約1時間半が“空回し”されました。

美延映夫委員長
「本日はこれにて散会いたします。お疲れ様でした」
同様の光景は『副首都法案』を審議する委員会でも。こちらも自民党の委員長の職権で審議が進んでいます。

丹羽秀樹委員長
「中道改革連合・無所属、国民民主党・無所属クラブ、参政党およびチームみらい、所属委員のご出席が得られません。やむを得ず議事を進めます」
そして“空回し”が始まって約10分。

丹羽秀樹委員長
「30分ほど…ちょっとたばこでも」
その15分後には。

出席議員
「もしもし」
こちらの“空回し”は約2時間でした。

丹羽秀樹委員長
「本日はこれにて散会いたします。お疲れ様でした」
皇室典範改正案を閣議決定
影響は皇室をめぐる議論にも及びそうです。政府は30日夕方、皇室典範の改正案を閣議決定しました。

木原稔官房長官
「閣議決定を受けて、直ちにこの法律案を国会に提出してまいりたい」
しかし、皇室典範の改正法案はその性質上、静謐(せいひつ)な環境で議論するというのが与野党の一致した見解。今の国会の状況とは相容れません。

立憲民主党 田名部匡代幹事長
「衆議院の方では野党の会派が全て欠席のままで、一方的に国会提出を通告した。これのどこが静謐な環境なのか。言ってみれば乱暴だなと」
参議院の自民党からは、こんな声が上がりました。

自民党 磯崎仁彦参院国対委員長
「会期末まで残り3週間を切っている。会期内に全ての法案を成立させることについては厳しい状況になってきている」
党内から慎重論も“強行”なぜ
政治部・官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。
(Q.与党はかなり強気の国会運営に見えますが、自民党はこの状態で構わないと考えているのか)
千々岩森生記者
「むしろ逆で、自民党を取材すると、定数削減法案も含めて『野党を完全に敵に回してまで無理に進める話か』と、内心では慎重な人が多い印象です。高市総理の頭にあるのは“維新との約束”です。定数削減法案と副首都法案は、どちらも去年10月の連立協議で維新側が求めた“絶対条件”です。総理周辺は『高市総理は維新がいなければ、今の自分はなかったと、維新に恩義を感じている』と解説しています。つまり旗振り役は高市総理本人という訳です。取材をしていても、今総理に近いのは、自民党より維新じゃないかと思うくらいです」

(Q.自民党内からも慎重論や不満が出ているにもかかわらず、強気な姿勢を続けるつもりなのか)
千々岩森生記者
「強気に突っ込む構えです。定数削減法案と副首都法案は来月2日にも衆議院を通過させる勢いです。維新への恩義に加え、支持率への自信という要素もありそうです。報道ステーションの世論調査を見ると、内閣支持率は6割ほどの高水準をキープしています。野党と激突状態にあっても、政権が揺らぐかもしれないという焦りは内部では感じられません。ただ、自民党執行部の1人は『みんな総理を恐れて、嫌がる話・耳の痛い話を直言できていない』と、コミュニケーション、風通しへの懸念を口にします。実はこういう声は結構聞こえてきます。高い支持率はいいことですが、様々な声を吸い上げにくい今の政権のありようが、今後どう影響していくかだと思います」
