
賢いクマ、その実態が映し出されていました。電気柵を巧みに下からすり抜ける様子も。その賢さの理由を地元の猟友会に聞きました。
「箱わなには入らない」
2日、番組の取材班は、北海道北部に位置する西興部村へ。ベテランハンターの見回りに、密着させてもらいました。
今、ハンターを悩ませているのが、賢いクマの存在です。
猟友会西興部部会
中原慎一部会長(75)
「危ないのは(クマが)分かっているから。入り口で(扉が)落ちるのは何となく分かっているみたい」
「(カメラが)あそこに」
そのクマの姿を、カメラが記録していました。去年の夏の終わりごろに撮影された映像です。箱わなのフレームを前脚で触れて、後ずさり。警戒しているのでしょうか。
3日後にも現れたヒグマは、わなの外から手を伸ばし、上を向いて扉を気にしているように見えます。
そして、明らかに「中に入ると危険」と、察知しているような動きです。
「そこに餌(えさ)を置いたりして…(クマは)食べたいが入れない」
このヒグマは恐らくオスの成獣で、ハンターは体重が200~250キロあるとみています。1週間ほどの間、クマは繰り返し現れるも、結局捕獲には至りませんでした。
中原さんは、その理由をこう推測します。
「親が捕られて子が生き延びたら覚えているから。箱わなには入らない」
「自ら窓を開けた」
クマは学習する賢い生き物として知られています。クマによる人身被害や、行方不明者が相次ぐ青森市の八甲田地区では、「ツキノワグマ出没特別警報」が発表され、警戒が続いています。
青森県警
「クマが人間を恐れないばかりか、獲物と認識している可能性。出没している地域への入山は自粛して下さい」
クマは人間を“獲物”と学習してしまったのか。賢いクマといえば、先月に福島市で4人を襲ったツキノワグマも…。
福島市の担当者
「蛇口に前脚を当てながらクマが水を飲んでいた」
横一列に並んだ蛇口に前脚を当て、水を飲む姿を市の職員が目撃しました。さらにクマは、窓から抜け出した時、水道の蛇口をひねり、窓のカギを開けてスライド。
「鍵をおろして。引き戸なので。クマが自ら窓を開けた」
“賢いクマ”VSハンター
そんな賢いクマは、何頭もいるのでしょうか。2日取材した西興部村では、別の場所でも。
中原会長
「ここを掘って。通り道でここを掘ってここをくぐって。だからここの畑は全滅。毎日来て食べるから」
電気柵の手前で、クマは恐る恐るといった様子で土を掘り起こし、次の瞬間!電気柵の先にあるのは、デントコーンの畑です。
そして、畑に入ってから2時間半後、電気柵をすり抜けて、姿を消しました。
「ここらへん(鼻)に触れれば、抜けていかないで下がると思う。50センチ以上穴掘ってくぐっていくから。すごいですよ」
映像をよく見ると、後ろには、子グマ2頭の姿も見えます。
「親が通るのを見ているから。くぐり抜けていくのは子グマに伝わっていると思う」
母グマからの学習も、賢いクマになる理由の一つなのでしょうか。
「箱わなに入らないクマ」と「電気柵を避けるクマ」は、別のクマだとみられます。近くの農道では、今年の5月にも、ヒグマの姿が確認されていますが…。
「道路、国道がある所では撃てない。跳弾とかがある」
頼りは「箱わな」です。ただ、賢いクマは警戒心がとても強く、簡単にはわなに入ってくれません。今季は、目撃情報が増えているものの、いまだ箱わなによる捕獲は0件です。
「わなを置くと毎日見回りをしないといけない。何個もだったら毎日見回りが大変」
賢いクマとハンターの格闘は、消耗戦と言える状況となっています。
(2026年7月2日放送分より)
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