
イランの首都テヘランで、前の最高指導者ハメネイ師の国葬が始まりました。アメリカなどの攻撃で殺害されたハメネイ師を悼むため、2000万人が参列するともされる、異例の規模の葬儀です。その現場に、私たちのカメラが入りました。
会場に響く「復讐」の叫び
報告・松本拓也記者(イラン・テヘラン 4日)
「会場の中にはハメネイ氏の大きな写真が掲げられています。そして広場には参列客が多く集まっています。皆さん、イランの国旗、そしてハメネイ氏の写真を掲げています」
4日、イランの首都テヘランでは、今年2月にアメリカとイスラエルの攻撃で殺害されたイランの前の最高指導者、ハメネイ師の国葬が始まりました。私たちANNの取材班は、イランに入国し、緊張が続くいまを取材しました。
葬儀会場で繰り返されていたのは“復讐の叫び”です。
式典の司会者
「私たちは彼(ハメネイ師)と約束します。この場所とこの一歩は最後の一歩ではなく、この一歩はイラン国民と、“傲慢な国々”との闘いの始まりの一歩です」
会場には、各地から大勢の人が弔問に訪れました。地元メディアによると、国葬には約2千万人が参列する見通しで、各国からもイランとアメリカの交渉を仲介したパキスタンのシャリフ首相、ロシアのメドベージェフ前大統領、中国の代表団などが弔問に訪れました。イラン外務省は、約100か国からの弔問が予定されているといいます。
報告・松本拓也記者(イラン・テヘラン 4日)
「祭壇にはイランの国旗に覆われた棺が並んでいます。小さい棺もあります」
祭壇には、黒のターバンが置かれたハメネイ師の棺、そして、一緒に亡くなった親族の棺が並べられていました。小さな棺は、当時1歳2か月の孫娘の棺です。
注目のモジタバ師 葬儀にもまだ姿見せず
注目されているのは、父親の跡を継いだ息子のモジタバ師が姿を見せるかです。空爆で負傷したとされ、最高指導者になってから、いまだに公の場に姿を見せていません。この日も姿を見せたという情報はありません。
熱狂する参列者は、会場の外でも。
報告・松本拓也記者(イラン・テヘラン 4日)
「国葬の会場に向かう道路なんですが、人で埋め尽くされています。みなさん、会場を後にして戻ってくる人もいます。ハメネイ氏の写真を掲げている人もいます。中には幼い子供の姿もあります。まさに国をあげての葬儀だというのが伝わってきます」
葬儀は9日まで、イスラム教シーア派の聖地や、ハメネイ師の故郷などで行われた後、遺体は故郷に埋葬されるということです。
続く物価高 米との戦闘が拍車
復讐を誓う声が高まる中、気になるのは国民の日々の生活です。テヘラン市内で青果店を営む男性は、日々、状況は悪くなっているといいます。
青果店の店主(イラン・テヘラン 3日)
「毎日、きのうより悪くなっていきます。毎日、果物や野菜を売っていますが、その得たお金にさらにお金を足して、また同じ商品を仕入れなければならないような状況です」
イランでは、元々の経済制裁による影響に加え、アメリカやイスラエルとの戦闘が物価高に拍車をかけています。イラン政府が先月発表した消費者物価指数は、前年同月比で88.6%の上昇。特に食料品は、前年同月比で135%上昇しました。
青果店の店主
「私たちは、責任者たちが何か行動を起こしてくれることを願っています。少なくとも人々の生活を考えてほしいです。制裁が解除され、以前のように他の国々と友好的な関係に戻れることを望んでいます」
最終的な戦闘終結へ向けた協議は、仲介するカタール政府によると、国葬後に再開される見通しだといいます。
