赤い帽子に「私はMAGAを去った」 トランプ氏の“おひざ元”で異変 建国250年の分断

赤い帽子に「私はMAGAを去った」 トランプ氏の“おひざ元”で異変 建国250年の分断
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アメリカでは7月4日、建国250年を迎えました。アメリカという国の在り方が大きく変わりつつあるいま、国民はトランプ大統領をどう見ているのか。私たちはトランプ氏のお膝元で起きている異変に注目。その背景と実態を、現地アメリカで探りました。(7月4日OA「サタデーステーション」)

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際立つ「トランプ色」 分断鮮明に

トランプ大統領(米・サウスダコタ州 7月3日)
「アメリカ合衆国は人類の歴史上、最も成功し、最も多くを成し遂げ、最も卓越した国家なのです。皆さんの大統領として、大変光栄に思います」

建国250年を翌日に控えた現地3日夜、歴代大統領4人の顔が彫られたラシュモア山で、誇らしげに語るトランプ大統領。

トランプ大統領
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全米各地で祝賀イベントが続くなか、際立つのは「トランプ色」の強さです。80歳の誕生日だった6月14日には、祝賀行事の一環として、ホワイトハウスで総合格闘技イベントを開催し、賛否を呼びました。

この日、国民のあいだでは。

トランプ支持者(米・フロリダ州 6月14日)
「ハッピーバースデー トランプ大統領!」
「史上最高の大統領です」

ボートパーティー
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熱烈な支持者が祝う一方、トランプ政権に抗議する人たちの集会も。

“反トランプ”イベント主催者(米・フロリダ州 6月14日)
「これは、『王はいらない』という意味です。アメリカは1776年、王の支配から独立しました。守るべき憲法やルールがありますが、彼(トランプ氏)はまったく尊重していません」

イギリスからの独立を宣言して250年。いまアメリカは強大な権力をふるうトランプ氏への支持をめぐり揺れています。

反トランプイベント
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トランプ氏 おひざ元で“異変”

サタデーステーションが向かったのは、トランプ氏の邸宅「マーアラゴ」があるフロリダ州。

報告・神宮桃子ディレクター(米・フロリダ州)
「あそこには標識がありますね。トランプ大統領通りというふうに書いてあります」

トランプ大統領通り
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過去3回の大統領選では、トランプ氏が全て勝利している「おひざ元」ですが、ある異変が。

建築業の男性
「以前はトランプ氏を支持していました。でも今は、誰を支持すべきか、まったくわからない。生活のすべてが大変だから」

“反トランプ”イベント参加者
「トランプ氏は『戦争はしない』『インフレを抑える』と言いましたが、どれも実現できていません」

マイアミなど複数の市長選で、いずれも共和党系候補が落選。「マーアラゴ」を含む選挙区でも、州議会の補欠選挙で、トランプ氏が支持した候補が敗れたのです。

MAGA離れも?“脱退支援”に勢い

何が起きているのか、取材を続けていると…。

報告・神宮桃子ディレクター
「あちらの大きい看板に、『MAGAについて疑問はありますか?』と書かれています」

脱MAGA看板
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「米国を再び偉大に」をかかげるトランプ氏の熱烈な支持層、MAGAに疑問を投げかける看板です。看板を設置したフロリダ州在住のリッチさん。おなじみの赤い帽子には、「私はMAGAを去った」の文字。かつてはトランプ支持者でしたが、今は“MAGA離れ”を支援する組織を運営しています。

リッチさん
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リッチさんの帽子
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Leaving MAGA代表 リッチさん
「これまで以上に、多くのMAGA支持者から『疑念がある』『脱退したい』と連絡が来ています。今年は全州に看板を設置するのが目標です」

7月4日時点で看板を設置したのは18州25枚。11月の中間選挙を控え、活動にいっそう力を入れています。“MAGA離れ”の動きは、いま全米各地に広がっているといいます。

連邦政府職員のロンさんも、その一人です。住宅都市開発省で働いていて、妻と一緒にMAGAから抜けました。疑問を持ったのは、去年のこと。トランプ氏が連邦政府職員の働きぶりを批判し、解雇を進めたのです。それ以外にも―

MAGAを離れた連邦政府職員 ロンさん
「エプスタイン事件やイランをめぐる彼の失態、そしてひどいICE(移民・税関捜査局)。移民政策は悪夢そのものです」

“おひざ元”の幹部 中間選挙へ焦りも

トランプ政権の2期目がスタートして、約1年半。就任当初、50%台だった支持率は、約40%まで下落しました。中間選挙が迫る中、地元の共和党関係者はどう受け止めているのでしょうか。

キリスト教団体を運営・パームビーチ郡共和党委員会 ウィリーさん
「これは5年ほど前にトランプ大統領からいただいた帽子です」

広報責任者を務めるウィリーさん。トランプ氏は気さくで謙虚な人だと言います。

ウィリーさん
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キリスト教団体を運営・パームビーチ郡共和党委員会 ウィリーさん
「支持率?でたらめだと思います。人々は、トランプ氏の考えを十分に理解していません。彼の計画はとてつもなく大きなものなのです」

一方、他の共和党関係者からは最近の選挙結果について焦りも。

弁護士・パームビーチ郡共和党委員会 カール委員長
「(補選では)無党派の有権者が共和党候補に圧倒的な反対票を投じました」

カール委員長
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危機感を示したのは、無党派層の“反トランプ”の動向です。さらに…。

市民協会理事・パームビーチ郡共和党委員会 ドラコさん
「『名ばかりの共和党員たち』を党から排除しなければなりません。彼らはトランプ氏に反対します」

党員のなかでも、トランプ氏への支持をめぐり亀裂が生じているというのです。

経営者・パームビーチ郡共和党委員会 ロニー副委員長
「大きな要素は経済です。人々は自分の財布を見ながら投票しますから」

物価対策“不発” トランプ離れに拍車

カギとなる「経済」、しかしその先行きは不透明なままです。「トランプ大統領通り」にあるガソリンスタンドでは…。

ガソリンスタンドオーナー
「イラン攻撃前の価格を振り返ると、2.4ドル~2.5ドル台でした。つまり数カ月前と比べて1ドル近く高くなっています」

イランとの「合意」表明を受けて、ガソリン価格は下落傾向ですが…。

学生
「毎日車に乗っているので、ガソリン代が大きな負担です」

ガソリン
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生活が苦しい人に食料を無料で配るフードバンクには、車の列ができていました。接客の仕事をしている女性は、家族3人の暮らしは厳しいといいます。

接客業
「電気代や生活費、食費など、何もかもが高いです。私も一生懸命働いていますが、家族を養うのに精一杯です」

トランプ大統領
「アメリカの生活費を再び手頃にすることが最優先だ。物価高騰が引き起こされたが、我々はそれを抑制する。単純明快だ」

「バイデン政権が物価高を招いた」と批判していた、トランプ氏。ところが、物価の高止まりは続いています。世論調査では、トランプ氏の物価対策への支持率は22%。バイデン氏が退任した際の水準も下回っています。こうした経済状況を受けて、フードバンクでは。

「ボカ・ヘルピング・ハンズ」アンドリュー代表
「『今すぐ支援が必要だ』と訪れる人たちが増えています。利用者のほとんどは、働いているのに低賃金しかもらえない人です」

フードバンク
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融和よりも分断が浮き彫りになっているアメリカ。建国250年を迎えるいま、“MAGA離れ”を支援するリッチさんは、こう話します。

Leaving MAGA代表 リッチさん
「アメリカの民主主義は、この困難な局面を乗り越えられると信じています。『国としてどこが不十分なのか』を真剣に振り返り、国民としてこの国が直面している問題の解決方法を考える良い機会だと思います」

支持めぐり家族と関係悪化も 現地で感じた“分断”

高島彩キャスター
「改めて、トランプ大統領の支持率を見ていきます」

板倉朋希アナウンサー
「こちらは、トランプ大統領寄りと見られているアメリカの保守系メディアFOXニュースの世論調査です。イラン攻撃が始まった2月末から3月はじめにかけての調査では、支持率は43%でしたが、先月6月には39%まで低下しました。また“イラン情勢・経済対策・ガソリン価格への対応”でも“支持”を“不支持”が上回っています」

高島彩キャスター
「トランプ大統領の求心力の低下は世論調査にも表れているようですが、柳澤さんいかがですか?」

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏
「世論調査を見ると、イラン攻撃の後に支持率の低下が起きているように見えるんですが、実際に取材してみてイラン情勢は支持率の低下に影響していると感じたのか、あるいは影響していないと受け止めましたか?」

取材ディレクター 神宮桃子
「イラン情勢がきっかけではあるんですが、ガソリン価格の高騰や物価高といった生活に直結する政策への不満が高く、それがトランプ離れにつながっているのかなと取材して感じました」

高島彩キャスター
「インタビューを受けてくれた方の印象はどうでしたか?」

取材ディレクター 神宮桃子
「トランプ大統領を支持する人も不支持の人も非常に熱心に語ってくださったんですが、一方でフロリダの街を取材していると政治の話題自体を避けたり、誰を支持しているとは言いたくないと話す人も少なくありませんでした」

高島彩キャスター
「VTRを見ていても、物価高が人々の生活を苦しめているという印象を受けましたが、若い世代の声の中で印象に残ったことってどんなことがありました?」

取材ディレクター 神宮桃子
「若い世代にも、やはり生活への影響は重いということは当然なんですが、二大政党だったり、政治そのものへの不信を口にする若い世代もいました。取材していると、トランプ支持をめぐって家族や友達との関係が悪くなったという人が何人もいました。それだけ社会の分断が深くなっているのかなと思いました」

高島彩キャスター
「家庭の中でも分断が起きている現状ということで、MAGAを抜ける手助けをしている方いますよね。そのあたりは改めていかがでした?」

取材ディレクター 神宮桃子
「やはり『自分の周りにMAGAの人が多く、家族や友達が自分がMAGAを離れようと思うと、家族や友人を失うことにつながる』ということで、やっぱり孤独を感じてしまうと。そういう時に『Leaving MAGA』(MAGAから離脱したいと考える人々や、その家族を支援する組織)というような組織があると、感情の面でも救われたと話していました」

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏
「トランプ大統領は自分のやってきたことの成果を強調する、例えばイランとの覚書合意にしても、『これでアメリカが勝ったんだ』と言ってますが、実際に取材してみてトランプ大統領が、例えばイラン情勢が少し落ち着いたりしたら支持が回復するという空気感というのはあるんでしょうか?」

取材ディレクター 神宮桃子
「今回の取材では、『今まで何度も終わらせるとトランプ大統領は言ってきたが、できていないから今回も期待してない』という人もいました。また実際に自分たちの生活や経済がよくなったという実感がないと、なかなかトランプ大統領がアピールしても支持回復につながるのは難しいのかなと感じました」

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