
“世界一美しい鳥”の強烈なキック。倒れているように見えて実は寝ている姿や、人懐っこさではナンバーワンの個性あふれる鳥たちを取材しました。
ヘビ好物“一番美しい鳥”の強烈キック
約100種600羽の個性豊かな鳥たちが集まる静岡県の掛川花鳥園。動かない鳥で有名なハシビロコウなのに、「よく動くふたばちゃん」で有名なこちらの施設を案内してくれるのは、飼育員の北條龍哉さんと多賀悠斐さん。
実はこの2人、文章からイラストまで手掛けた本も出版。そんな掛川花鳥園を知り尽くした2人に、今回は「一番○○な鳥」を紹介してもらいます。
まずは見た目とのギャップに驚かされるこちらの鳥。
飼育スタッフ
北條龍哉さん
「こちらが世界で一番美しい鳥とも言われるヘビクイワシになります」
佐々木若葉アナウンサー
「わあ、確かにきれい。なんだかオーラがありますね」
北條さん
「すごく気品のある鳥ですね」
佐々木アナ
「まつ毛も長くてすごい。そしてすらっとした脚もすごく綺麗ですね」
ヘビクイワシは、主にサハラ砂漠から南のアフリカに生息する鳥で、名前の通りヘビが大好物。猛禽類では珍しく、地上で狩りをするそうですが。
北條さん
「非常に興味深い行動をするんですね」
ヘビのおもちゃを取り出すと。
佐々木アナ
「こんなに強烈なキックをするんですか?」
北條さん
「はい、これがヘビクイワシの狩りですね。だいたい体重の3倍ぐらいあるというふうに言われていまして、キックちゃんが今体重3キロちょっとありますので、数字でいうとだいたい10キロから12、3キロぐらいの衝撃になります。このヘビの下に割り箸を仕込んでおいて、1回で何本割れるのか試したことがあるんですが、キックちゃんの記録、割り箸10本」
佐々木アナ
「すごいパワーですね」
さらに驚きなのは、蹴っている場所。
北條さん
「ヘビの弱点が頭ということを分かっているので、どうしても頭を狙いたいんですね」
本能的な行動のため、頭を持ち上げるコブラのようなタイプでも、見事なジャンプキック。確実に頭を捉えているのが分かります。毎日のショーでこのキックを受け続けているヘビのおもちゃは。
北條さん
「現在6代目です」
佐々木アナ
「6代目。もうそろそろじゃないですか」
北條さん
「首も取れかけて、下あごもなくなった状態になっていますね。ショーの最中に急にこのヘビを蹴らなくなる瞬間というのが実はありまして、草むらの中にバッタとかコオロギがいると、そちらを捕まえたり追いかけたりするのに夢中になってしまう。ヘビを蹴らずに部屋に帰るのも、実はあります」
佐々木アナ
「そんなちょっとおちゃめな、本能的な一面もあるんですね」
お客も心配?行き倒れる鳥
続いては、見た目はかわいいのに、ある姿が“ホラーすぎる”鳥です。
佐々木アナ
「おお、鳥がたくさんいますね」
飼育スタッフ
多賀悠斐さん
「はい。あの丸っこい鳥さんがイワシャコという鳥さんになりまして」
佐々木アナ
「すごい真ん丸でかわいらしいですね」
群れで行動するキジの仲間で、ユーラシアの山岳地帯やヨーロッパの南部から東部の岩場に生息する。その名もイワシャコ。
多賀さん
「このイワシャコっていう子が一番、お客様から心配されちゃう鳥なんですね」
佐々木アナ
「心配されるんですか?」
多賀さん
「はい」
その理由がこちら。
佐々木アナ
「これ生きている?大丈夫なやつですか?」
多賀さん
「大丈夫です。行き倒れてる風な写真が寝てる姿なんです」
佐々木アナ
「寝てるんですか?」
多賀さん
「はい。日光浴としてこのように翼を広げたりすることがありますので、なるべく太陽を受けようっていう姿勢が、この行き倒れ風の姿勢になったんじゃないかなと僕は思います」
佐々木アナ
「入って、あ、かわいい鳥いっぱいいると思ったら、もうこんなバタンって倒れてるわけですもんね。これは心配になります」
このギャップ満載の姿が人気を博し、2024年の園内人気投票「キジ科ハト科総選挙」では堂々の1位を獲得。グッズ化までされちゃう人気ぶりなんです。
佐々木アナ
「この姿見てみたいです。かわいい」
「住んでいない場所」の鳥
お次は?
佐々木アナ
「何が起こってるんですか?これは」
多賀さん
「頭に2羽います」
佐々木アナ
「うそ!」
多賀さん
「コガネメキシコインコっていうインコは一番人懐っこい鳥です」
佐々木アナ
「コガネメキシコインコということは、メキシコに生息しているんですか?」
多賀さん
「それがですね、メキシコに住んでないんですよ」
メキシコを中心に生息するクサビオインコ属の仲間だったことから、生息地も同じではと名付けられたそうですが、実際はブラジル北部などの南米に生息するコガネメキシコインコ。
名前の通り黄金色の羽を持ち、英語ではサンパラキート、太陽のインコとも呼ばれています。ここでは手の上でヒマワリの種を器用に食べる姿を見ることができますが。
多賀さん
「触られることはあんまり好きではなくて、実は一羽。この子たちよりもさらに慣れたインコちゃんがいるんですよ」
佐々木アナ
「え?もうこの子たちよりももっとフレンドリーな子がいるんですか?」
多賀さんが連れてきてくれたのは…。
多賀さん
「コガネメキシコインコのピスタチオ君です」
見た目は他の子たちと変わらないんですが、ピスタチオ君が人懐っこさナンバーワンの所以がこちら。
多賀さん
「『にぎころ』っていう技があるんですけど、手の平に寝そべるっていうのができるぐらい、すごい慣れていた子」
本来、鳥はおなかを見せること自体、警戒する生き物なんだそうで、ここまでリラックスした姿を見せるのは激レアなんです。
多賀さん
「生後3カ月、4カ月ぐらいから、僕らスタッフで子育てをしまして。それでかなり人に慣れたっていう子なんですよ」
そんなピスタチオ君は芸を覚えるのもナンバーワン。園内のコガネメキシコインコの中で初めてショーに出演したんです。
多賀さん
「カチッの音がご飯をくれるっていう合図なんですけど、カチッて自分で言うんですね」
佐々木アナ
「本当だ。すごい」
木の枝になりきる鳥
続いては、見た目が激変する不思議な鳥です。
佐々木アナ
「木みたいですね」
北條さん
「はい。オーストラリアガマグチヨタカという、すごく隠れるのが上手な鳥になります。今、普通の状態からちょっとこうほんのり細くなって、自分を木の枝に見せかけているところですね」
フクロウに似ていますが、夜行性で、暗闇を飛ぶ姿がタカに似ていることから名付けられたヨタカの仲間。木になりきる能力は鳥類でトップクラスだといいます。
佐々木アナ
「すごい不思議ですね。こう、木目のような」
北條さん
「動物が何かに隠れるのは擬態と言われたりするんですが、体を小さく見せかけるのは外敵に見つかりにくくするということですね」
そんなオーストラリアガマグチヨタカの普段の姿は。
佐々木アナ
「かわいいですね。もう先ほどの擬態していた姿とはまた変わって、まんまるぷっくりでかわいいです」
木にそっくりな模様を生かし、じっと動かず待ち伏せをして昆虫などを捕まえて食べるそうで、実際に餌(えさ)を差し出してみると。
佐々木アナ
「おお、口大きいですね」
北條さん
「はい。このお口がこのがまぐちのように見えることから、ガマグチヨタカという名前がついています。ふっくらしているところは、フクロウに似たところがあるんですが、フクロウみたいな猛禽(もうきん)類と違って、狩りに使えるような鉤爪はないんですよね。口を使って直接ご飯を食べますから、足を使って捕まえるということはヨタカはしないんです」
佐々木アナ
「本当にガマグチのようにぶわって開くんですね」
北條さん
「そうです」
佐々木アナ
「すごい!」
ダチョウとの見分け方
そして最後は、世界で2番目に大きいと言われる飛べない鳥です。
佐々木アナ
「エミューですね。大きい。実際にこんなに近くで見るのは初めてです」
エミューはダチョウの仲間で、オーストラリア全域に生息。ダチョウと簡単に見分けるなら大きさ。エミューの方が小さいんです。他にも見分け方ってあるんですか?
北條さん
「足の指の数が違いまして、エミューは足の指が3つ、3本あるんですが、ダチョウは2本になります」
さらにダチョウは卵が白いのに対し。
佐々木アナ
「これがエミューの卵なんですか?」
北條さん
「そうです。これ緑色の非常にきれいな卵をしております」
何より一番の違いは、この走る姿。
北條さん
「実は体の大きさに対して翼の比率が一番小さい鳥とも言われるんです」
(2026年6月8日放送分より)
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