6日、参議院決算委員会で、れいわ新選組の天畠大輔議員が質問した。重度の障害がある天畠議員は、介助者が「あ、か、さ、た、な」と読み上げ文字を確定させる「あ、か、さ、た、な話法」などを用いて質疑に臨み、全国の障害当事者が主催する「高市総理へのお手紙アクション」の手紙を紹介した。
【映像】天畠議員の「あ、か、さ、た、な話法」の瞬間(実際の様子)
天畠議員は、防衛費の増額や武器輸出などへの不安と平和への願いを総理に届けたいとの呼び掛けに、全国から114通の手紙が寄せられたと説明。実名での紹介・配布に承諾した11名の手紙を資料として配り、その中から2名の内容を紹介した。
最初に、視覚障害のある藤原久美子さんの手紙が紹介された。手紙には、不良な子孫として身体を傷つけられてきた歴史や、津久井やまゆり園事件に象徴される優生思想がいまも社会に根付いていると指摘した上で、「戦争になっても私たちは戦えず、真っ先に殺される存在です。だからこそ戦争のない世界の大切さを知っています」と綴られていた。さらに「どうか、戦争のできる国にしないでください。軍事予算は市民一人一人が幸せに生きていくための福祉や医療、教育、国際協力のために使ってください。軍拡は不幸しか生み出しません。今すぐ止めてください。私たちを守って、守って、守り抜いてください」との訴えが記されていた。
次に、知的障害のある須藤明さんからの手紙として、「せんそうはんたい ぜったいはんたい ぜったいダメ せんそうのことをかんがえると、とってもかなしくなるよ せんそうのためにお金をたくさんつかうことも、ぜったいやめてほしい」との内容を紹介した。天畠議員は、防衛費の増額や武器輸出は国民を守るための政策であり、戦争をするためではないとの政府説明を想定しつつも、「大切なのは、当事者の不安の背景に思いを馳せていただくことです」と指摘し、総理にその声に向き合う考えがあるかをただした。また、114通の手紙を自分たちの手で直接手渡したいとして、「総理、その機会を設けて、障害当事者の代表から直接受け取っていただけますか?」と要請した。
高市総理は、「まず、114通の手紙を心を込めて書いてくださった皆様にお答えしたく、その手紙を直接受け取らせていただきます」と表明。続いてやまゆり園の事件から10年という節目に当たり、犠牲者への哀悼の誠を捧げ、遺族へのお悔やみと傷ついたすべての人へのお見舞いを述べた。防衛費に関しては「国民の皆様の平和を願う切実な声には私も強く共感をいたします」とし、我が国の抑止力を高めることで事態の発生を未然に防ぎ、平和な暮らしを守っていくために防衛力の抜本的強化を進める必要性を主張。同時に、社会保障や教育といった国民生活を支えるために必要な予算はしっかりと確保すると回答した。
高市総理の答弁後、天畠議員が発言の準備を行う間、委員長から「天畠くんが発言の準備をしていますのでお待ちください」と案内があった。天畠議員は介助者との「あ、か、さ、た、な話法」によるやり取りを経て、「総理、どのように受け取るかも検討お願いいたします」と伝えた。
天畠議員は、今日紹介した手紙に共通しているのは「障害者は真っ先に切り捨てられるのではないかという不安」であるとし、1996年まで存在した優生保護法や今なお消えない優生思想、尊厳死の議論や出生前診断の広がりが背景にあると指摘した。「当事者の不安の言葉の重みを直接受け止めていただきたい」と重ねて直接の受け取り検討を求め、次の質問に移った。
(ABEMA NEWS)

