
アメリカとイスラエルによる攻撃で死亡した、イランの最高指導者ハメネイ師の国葬が行われていて、首都テヘランには葬列が続きました。悲しみに暮れる市民がいる一方で、イラン政府には、不満をそらし、団結を促す狙いもあるようです。
【画像】「支配体制を立て直す布石か」イラン・ハメネイ師国葬の“狙い”
早朝から集い…長蛇の葬列

松本拓也ディレクター
「朝早くから、多くの人たちが最後別れを告げようと集まってきています。この先の道はすでに人で埋め尽くされています。中には、トランプ大統領に復讐を誓うメッセージを持った人の姿もあります」
首都テヘランではハメネイ師の国葬は3日目を迎えています。6日はテヘラン市内を棺が巡る日です。


松本拓也ディレクター
「ハメネイ師の棺を載せたトラックが、最終目的地の会場に到着しました。荷台には大きいものと、小さい棺も確認できます。黒いターバンがのせられた真ん中の棺が、ハメネイ師のものとみられます。参列する人たちが棺に向けて花束を投げています。最後の別れを惜しんでいます」
娘や孫といる時に自宅を爆撃され、殺害された最高指導者。その記憶はイランの人々に遺恨として強く刻まれました。

葬列参加者
「私は反体制派の1人でした。ただ、祖国のために自らと家族を犠牲にする独裁者はいません。大国に一歩も譲らず、祖国の領土を守り抜きました。私たちは指導者を愛しています」
この国葬。トランプ大統領には不思議な光景に映るようです。
Axios
「トランプ氏は葬儀で泣いているイラン人がいるのを見て『人々はハメネイ師を嫌っていると思っていたので驚いた』と語った」

ハメネイ氏の国葬は今月9日まで執り行われ、最終的に2000万人が参加すると言われています。革命防衛隊の司令官や政府要人、宗教指導者など、今のイランを主導する面々も大集合しました。ただ、この場に跡を継いだ最高指導者モジタバ師の姿はありません。本人は参加を希望しましたが、断念を余儀なくされたといいます。
ニューヨーク・タイムズ
「イスラエルによる暗殺や追跡のリスクがあり、警護チームが強く反対した」
狙いは支配体制“立て直し”か
アメリカ・イスラエルとの戦闘がどうなるか、その見通しは立っていません。2月から始まった戦闘で最高指導者も殺され、イラン社会は確実に消耗していました。一般的な家庭の状況はというと…。

テヘラン在住
「戦争のせいで、以前より物を買えなくなっています。節約が必要です」
イラン政府が先月発表した消費者物価指数は、前年同月比で88.6%の上昇。特に食料品は前年同月比で135%も上昇していました。
テヘラン在住
「先週からパンの値段が一気に倍になりました」
(Q.パンを見せてくれますか)
「朝食の残りです。まとめ買いして冷蔵庫で保管する家庭もあるようです」
国内が不安定だからこそ、イランの指導部は今回の国葬により力を入れているのかもしれません。

松本拓也ディレクター
「食料や水が提供されていまして、この国葬には費用を惜しんでいないというのがよく分かります」
海外に拠点を置く反体制メディアは…。

イラン・インターナショナル
「多くの命を奪ってきた張本人が、無念を晴らされるべき犠牲者に仕立て上げられている。この立場の逆転こそ、プロパガンダの核心だ。今回の葬儀は、揺らぐ支配体制の威信を立て直そうとする布石なのだ」
