“ケアマネ探し”に3カ月…渋滞する『介護サービス』背景に“3つの要因”

“ケアマネ探し”に3カ月…渋滞する『介護サービス』背景に“3つの要因”
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介護保険サービスを利用する上で、要となるケアマネジャー。しかし今、その担い手が足りず、介護認定を受けても、サービスを使い始めるまでに数カ月もかかるケースが各地で相次いでいる現状が、番組の取材で見えてきました。

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“介護サービス”を申請しても…

要介護2
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京都に暮らす女性(55)。母親が『要介護2』と認定され、介護保険サービスを申請しに市役所へ相談に行きました。

母を介護する娘
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母を介護する娘
「『ケアマネジャーさんを探すようにしましょう』って言われて、すぐ見つかると思っていたんですよ。ケアマネジャーさんを紹介してくれると思っていたら『いや違います。自分で探してくださいね』と」

一覧表に電話
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自分でケアマネジャーを探すため、女性は市役所でもらった一覧表に電話をかけました。
ところが返ってきたのは予想外の反応でした。

母を介護する娘
「電話したら『やってない』『今はいっぱいです』。『無理です。今いっぱいなんで』、ぶちって(切られた)。こんなの見つからないと思って。でもどんどん時間が経っていき焦ってきて」

ケアマネジャーとは
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ケアマネジャーとは、訪問看護やデイサービスなど、どんなサービスを使えば自宅で暮らしやすくなるのか一緒に考え、手配してくれる専門職。このケアマネが作る『ケアプラン』がないと、原則、介護保険サービスを受けられません。女性は仕事の合間、電話をかけ続け、ケアマネが見つかったのは3カ月後のことでした。

母を介護する娘
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母を介護する娘
(Q.その間、母親の状況は)
「前できたことができなくなったりとか。歩けなくなった。どうしよう、どうしよう早く決めないとって思いながら。だから私みんなに言っていますもん。『本当にケアマネジャーさん見つけるの大変よ』って」

深刻なケアマネ不足。関東でも例外ではありません。

“ケアマネの一日”に密着

日高淳さん
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横浜市のケアマネ歴24年の日高淳さん(※高=正しくは、はしごだか)。
現在、担当している利用者は48人に上ります。

日高さんが作成したケアプラン
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見せてくれたのは日高さんが作成したケアプラン。例えば生活の介助が必要となる『要介護3』の男性の場合は。

ケアマネジャー 日高淳さん
「利用者本人が読んでも『自分はこうだね』と思ってもらえるようなプランを作るのがケアマネのお仕事」

月に1度、確認
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ケアプランを作っても、それで終わりではありません。サービスが本当にその人に合っているのか。月に1度、確認が必要です。

プラン
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男性の意思を尊重し、介護保険を使って、部屋に手すりを設置するプランを立てました。

ケアマネジャー 日高淳さん
「これがないと困るでしょう。寝室行くのに。取っ手を手すりだと思ってやると、バタンと行っちゃうからダメなの。こうやって持ってドスンといった人いる。これ絶対ダメよ」

1日のほとんどを訪問業務に費やす日高さん。この日は5軒を回ります。

ケアマネジャー 日高淳さん
「ケアマネが足りてないんだけれども、ケアマネ募集すればいいじゃない?といっても、人来ないですから今」

次の利用者は、介護認定の更新期限が迫っていました。

ケアマネジャー 日高淳さん
「介護度が切れるの。8月で」

ケアマネジャー 日高淳さん
「今日、書類を書いてもらって、神奈川区役所に出すの。全部、私がするから大丈夫」

介護認定
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介護認定の有効期間は原則1年です。サービスを利用し続けるには、更新の手続きも欠かせません。

それぞれの自宅には1時間ほど滞在。

利用者(82)
「もうあまり(働くの)長くないでしょ?」

ケアマネジャー 日高淳さん
「そうしたいけど、させてくれないのよ。ケアマネ全然足りないしね。いい仕事だと思うんだけどね、私はね」

深刻化する“ケアマネ不足”

介護保険サービスの利用者
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横浜市では、8年間で介護保険サービスの利用者は2万7000人ほど増えていますが、ケアマネの数はほぼ横ばい。

ケアマネ自身の平均年齢
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ケアマネ自身の平均年齢は53.6歳(2023年度 介護労働実態調査)と高齢化も進んでいます。

さらに、利用者からはこんな依頼も。

利用者からの依頼
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利用者からの依頼
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横須賀市居宅介護支援事業所連絡協議会調べ
「家電を買い替えたいから世話してほしい」
「滞っている支払いをなんとかしてほしいと丸投げされた」

他にも「高額商品のクーリングオフを任された」というケースもあったそうです。アンケートを取った横須賀市の協議会は、利用者からの業務外の依頼でケアマネ本来の仕事がひっ迫していると訴え、市に対し、より一層、サポートしてほしいと要望しました。

ケアマネジャー 玉井秀直さん
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ケアマネジャー 玉井秀直さん
「本来求められている以外の仕事もやらざるを得ないという状況が、持続性がない継続性がないというところに至ってしまうのではないかと思っています」

高まる社会的ニーズと、進まないケアマネの待遇。介護サービスは今、岐路に立たされています。

ケアマネジャー 日高淳さん
「無報酬でやる部分が非常にケアマネは多いので、やっぱり働く人にしてみたら不満も出る。最初はやってあげたいと思っても、それが頻回になると、人間だから『やってられないわ』になっちゃうんですよ。ケアマネという立ち位置をしっかりと国が(資格化など)定位置にしてあげて、そこから発信しないと人も増えないし、いいケアプランもできないよと私は思っています」

介護サービスの要“ケアマネ”とは

ケアマネジャーは介護サービスの要であり、絶対に欠かせない存在です。ケアマネジャーが具体的にどのような仕事を担っているのか。働く場所は色々ありますが、今回は自宅で介護を受ける人の場合を中心に見ていきます。

【ケアマネジャーの主な仕事】

ケアマネジャーの主な仕事
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(1)ケアプラン作成
介護が必要になった人が、介護保険サービスを利用する際に、具体的にどのような支援を利用するかという計画

(2)事業者→プラン実行
デイサービスや訪問介護の事業者に連絡を取り、プランを実行に移してもらう

(3)プランの経過確認
自宅で介護を受けている場合は、月に最低1回は自宅を訪問し、プラン通りに生活できているか、サービスに不満はないかなどを確認する

厚労省によると
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厚労省によると、要支援者・要介護者は年々増加傾向で、今年3月時点で約736万人。一方で、ケアマネジャーの人数は約18.3万人と少ない状態です。ケアマネ不足のためにケアプランが作れず、介護サービスが受けられないという状況になっている人も多くいます。

深刻な“ケアマネ”不足 背景は

ケアマネジャーが不足している背景には何があるのでしょうか。ケアマネ不足は地域や事業者などによって偏りがありますが、不足の主な理由について、自身もケアマネジャーとして14年間勤務した経験がある、国際医療福祉大学大学院の石山麗子教授に聞きました。

石山教授によると
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石山教授によると、ケアマネ不足の理由に『人材の高齢化』『精神的・物理的負担』『“見合わない”報酬』などがあげられるということです。

人材の高齢化
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【人材の高齢化】
ケアマネジャーの主力の年齢層は50~60代。定年退職者に対し、新たにケアマネになる人材が足りていない。背景に受験資格の難しさもあります。一例として、介護福祉士や看護師など、保健・医療・福祉に関する国家資格を持ち、在籍期間が通算で5年以上、かつ実務900日以上が必要になります。さらに、ケアマネの試験に合格しても、さらに研修が必要です。

精神的・物理的負担
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【精神的・物理的負担】
原則1人で利用者の自宅という“見えない空間”に臨む。認知症や精神疾患の人が増加傾向にあり、問題を抱える人や家族への対応に強い緊張感やストレスを伴う。“シャドウワーク”=業務を越えた要望への対応、例えば部屋の片づけ、ゴミ出し、買い物、郵便や宅配の発送・受取など「ケアマネには何を頼んでもいい」というような感じで言われると、それも物理的・精神的負担になる。

“見合わない”報酬
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【“見合わない”報酬】
事業所によっては、給与体系が明確になっていない所もある。担当件数が増えても、シャドウワークをやっても給料が変わらないため、やりがいを感じにくい。

深刻な“ケアマネ”不足 対策は

(Q.ケアマネ不足にはどんな対策を取ればいいですか)

石山麗子教授
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石山麗子教授
「ケアマネ不足にはたくさんの背景があり、どこかのボタンを押せば解消できるという状況ではない。受験資格の間口を広げる、資格の5年更新をなくすなど国も改善に動いているが、抜本的な不足解消は難しい。利用者だけでなく、行政や医療関係の中にも“ケアマネは何でもしてくれる人”と思っている人もいる。ケアマネは専門職であり“何でもしてくれる人”ではない。こういったところから意識を変えてほしい」

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