富士山頂への全ルート開通 “日本一標高の高い職場”初勤務の舞台裏

富士山頂への全ルート開通 “日本一標高の高い職場”初勤務の舞台裏

列島各地が“災害級の暑さ”に見舞われる中、こちらも“想定外の暑さ”となった富士山。すべての登山道が開通し、山頂にも変化が…(サタデーステーション7月11日OA)

全ルート開通 富士山も汗ばむ暑さ

11日の厳しい暑さの影響は、本来なら肌寒いはずの富士山でも…

報告・内田吾郎ディレクター
「5合目でも汗ばむ暑さとなっており、登山客の方を見てみますと半袖や半ズボンの方もいらっしゃいます」

標高およそ2400mにある登山口では、アイスを食べる人の姿もありました。

埼玉から来た登山客
「止まっているだけで暑いので、歩いたら汗だくになってしまう、汗冷えしないように薄着にしてきました。(バッグに)雨具とダウンジャケットが入ってます」

富士宮ルートと御殿場ルートが10日に山開きし、全4ルートが開通した富士山。

山岳救助隊は増員 取材中も負傷者が

実は去年、負傷者を含む遭難者数が静岡側で1番多かったのが、「富士宮ルート」です。サタデーステーションが取材中に遭遇したのは…

報告・矢谷一樹ディレクター
「手をケガした方が9合目で治療を受けています」

救助隊に囲まれ、手に包帯を巻かれる男性。骨が少し見えてしまうほどの大ケガだといいます。

負傷した男性
「砂利で滑った。左側に岩があってそこに(手を)ついてしまった。急ぐつもりじゃなかったけど、早足になってしまったかもしれない」

男性は下山中に足を滑らせて転倒。帰りのバスの時間が迫り、焦ってしまったといいます。登山靴ではなくスニーカーを履いていました。

隊員「歩けそうですか」
男性「歩けます」
隊員「こういう状況なので、あまり急ぐのは(良くない)。時間を気にせずゆっくり行きましょう」

男性は、転倒防止の縄をつけた上で、救助隊と一緒に下山しました。この「富士宮ルート」を選ぶ理由を登山客に聞いてみると。

イギリスからの留学生
「ルートが一番短いから一番早く登れます。でも難度は高いですよ」

静岡県警は今年度、山岳遭難救助隊を7人増員し、35人体制にしました。富士宮ルートは、急こう配で高山病のリスクが高まるため、登山のペースに注意が必要だといい、下山中の事故も多いため、ストックや手袋の着用を呼び掛けています。

富士山頂“郵便局開き”に密着 行列も

本格的な山開きによって、山頂でも大きな変化がありました。5合目から“日本一標高の高い職場”への初出勤を控えていたのは、静岡県内の郵便局に務めている菅野さん。

菅野ひとみさん
「きょう、念願叶ってとても感謝しております」

菅野さんは山小屋などへ荷物を運ぶブルドーザーに“関係者”として同乗し、頂上まで移動。積み荷の一部を受け取り、向かった新たな職場は、富士山の山頂に10日、開設された郵便局です。

富士山頂郵便局で初勤務 菅野ひとみさん
「初めてで少し緊張していますけど、お客様の素敵な思い出の一部となれるように、笑顔と誠意を持ってお出迎えしたい」

菅野さんはすぐ近くの山小屋で3泊しながら、4日間、勤務予定。滞在中の食料は自分で用意したといいます。

富士山頂郵便局で初勤務 菅野ひとみさん
「4日分、朝昼晩用意して、私の場合は段ボールに詰めて、山頂に送っています。電子レンジが使えるので、温めて食べられるレトルト食品」

山頂の郵便局では今年、48人が交代で勤務する予定です。4県の郵便局から希望者を募ったところ、定員を上回る応募があったといいます。

富士山頂郵便局で初勤務 菅野ひとみさん
「去年から女性も希望できるようになったので、心待ちにしておりました」

郵便局の“裏側”を見せてもらうと…

富士山頂郵便局で初勤務 菅野ひとみさん
「今回は男性陣が寝泊まりに使用したり、(郵便局の)休憩室として利用しています」

そして11日の朝…

報告・矢谷一樹ディレクター
「山頂にはたくさんの人が集まっています。眩しいほどに輝いています」

菅野さんは最初のチャンスで、ご来光を見ることもできました。

富士山頂郵便局で初勤務 菅野ひとみさん
「雲がかかっていたんですけど、きれいなご来光でした」

その後、郵便局の前では…

報告・矢谷一樹ディレクター
「すごい行列となっています。20人以上の方が並んでいますね」

山頂の郵便局は午前6時の営業開始直後が、一番忙しいといいます。

外国人登山客
「ナンバーツー、スリー、ナンバーフォー、スリー」

菅野さん
「これがスリーでこれがフォー…?」

外国人登山客
「ノーノ―、スリー」

菅野さん
「スリー?スリーでオッケー?」

英語があまり話せない外国人も多く、菅野さんはメモを見せながら対応していました。一方、日本人に人気だったのが、富士山頂限定の消印を押してもらえるポストカードです。

登山客
「両親が北海道に住んでいるが、最近なかなか帰省できてないので書いた」

大混雑の解消に役立ったのが…菅野さんが得意としている電卓の早打ちでした。

富士山頂郵便局で初勤務 菅野ひとみさん
「山頂郵便局はレジがないから、電卓でやらないといけない」

同僚
「(Q菅野さんどうでしたか?)窓口の接客対応が素晴らしかった。(来年も)お願いしたいです」

菅野さん
「お願いされなくても来ます!」 

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