「皇室典範改正案」参院で審議 皇位継承をめぐる与党の思惑、高市政権が成立急ぐ背景 麻生氏が主導

「皇室典範改正案」参院で審議 皇位継承をめぐる与党の思惑、高市政権が成立急ぐ背景 麻生氏が主導
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 皇室典範改正案の審議が参議院の特別委員会で行われている。政府は17日の本会議で可決・成立させたい考えだが、高市政権が成立を急ぐ理由はどこにあるのか?皇室典範改正を巡る議論の焦点を見ていく。

【画像・動画】元宮内庁長官「皇室典範には欠陥があると言わざるを得ない」 “国民の理解”得るためには

議論の焦点は?

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 参議院での審議を巡り自民党の磯崎仁彦参院国対委員長は当初、非公開での審議を野党に提案していた。ただ、これに対して野党側から疑問の声が上がったことから、衆議院と同様にテレビやインターネットで中継が行われた。

 非公開での審議を求めていた理由について、8日、磯崎氏は「反対意見がたくさん出る状況はどうなのかという懸念があった」と、静かで落ち着いた環境で審議を行うためだったと説明している。

 改めて、皇室典範の改正を巡る政府案では、(1)「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つこと」や、(2)「旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」ことを可能とするとされているが、(2)に関しては養子に入った本人は皇位継承資格を持たないが、その養子のもとに生まれた子が男子だった場合には、皇位継承資格を有することになっている。

 ただ、審議を前に各党の主張をとりまとめた「立法府の総意」では、改正の目的はあくまで「皇族数の確保」であり、皇位継承の在り方については今後の課題としていた。そんな中で養子案が入ったことについて立憲民主党など一部の野党は「立法府の総意」に含まれていない内容が盛り込まれているとして「だまし討ち」だと反発している。立憲民主党は15日午後、この養子案を削除することを柱とする修正案を提出する方針で、修正案が否決された場合、政府案に反対する方針だという。

 また、養子案に慎重論が出る背景には他の理由もある。そもそも11の旧宮家と天皇陛下の共通の先祖は、およそ600年前の室町時代までさかのぼることになる。36親等から38親等の隔たりがあるなど遠い血筋だとして、養子案自体に慎重論が出ている。

特別委員会で論戦

どうして「旧11宮家」だけ?
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 15日午前の参議院・特別委員会で立憲民主党の長浜博行議員は、「皇族以外の男子を養子にしてまで何を維持しようとしているのか」「どうして旧11宮家だけが皇室典範の『養子の禁止』『皇籍復帰の禁止』をクリアできるのか」と質問し、答弁に立った木原稔官房長官は「衆参正副議長のとりまとめで、旧11宮家の皇族男子の男系男子を対象に、慎重に制度設計を行うものとされていた。旧11宮家の皇族男子は現行憲法下でも皇族であった時代がある」と回答している。

女性天皇・女系天皇は…
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 続いて質問に立った共産党の小池晃書記局長は、「日本国憲法の条項と精神に照らせば、女性天皇・女系天皇は当然認められるべきだと思うが」と質問をし、これに対して木原官房長官は「2021年の政府の有識者会議の報告において、皇位継承資格者は悠仁さままでゆるがせにしてはならないとある。政府はそれを尊重している」と回答している。

与党の思惑は?

 改正を急ぐ高市政権の思惑を見ていく。高市早苗総理大臣は男系男子への強いこだわりがあるようだ。

与党の思惑は?
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 去年10月、自民党と日本維新の会が結んだ連立政権合意書には「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする案」を「第一優先」とすると明記されており、自民と維新の衆院選の公約にも盛り込まれた。結果として、自民党はその後の衆院選(2月8日投開票)で圧勝した。

 今年4月12日に行われた自民党大会で高市総理は「男系で皇統が継承されてきたという世界でも比類がない歴史的事実こそが天皇の権威と正統性の源だと考えている」として、皇統に属する男系男子の養子案を実現することを第一優先にすると改めて強調した。

 その後、皇族数の確保を巡る与野党協議が加速した。4月15日に1年ぶりに「全体会議」が開催され、以降およそ3カ月のうちに5回の全体会議が開かれ、衆参両議長が「立法府の総意」を取りまとめた。

 ただ、その後出てきた政府案に「立法府の総意」にはなかった、養子のもとに生まれた男子に皇位継承の資格を与えることになる案が盛り込まれた。今回の改正を主導・応援したのは自民党の保守派だといい、改正を支持するある議員は、記者から「国民世論との齟齬(そご)がないか」と問われた際に「一時的な世論に左右されるべきではない」と主張するなど自民党・保守派の強い意志が政府案に現れたとみられている。 

麻生氏が主導

皇室典範改正に麻生氏の影響力? 妹やめいの皇族が養子受け入れ可能に
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 自民党内で皇室典範改正を主導してきたのが麻生太郎副総裁だ。

 麻生氏は自民党の「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」で会長を務めており、4月20日には保守系団体主催の会合で「皇室典範の改正は必ず今国会で成し遂げなければならない」と訴え、「旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることができれば、新たな皇族数確保の道が開かれる」と発言していた。

 また、連立を組む日本維新の会から異論が出た際、その説得に当たったのも麻生氏だったという。

 養子に迎える旧宮家の男系男子について政府は対象年齢を15歳以上としているが、これに対して維新は反対していた。幼い時から養子となっていれば環境に適応しやすいなどとして、年齢制限をなくすよう主張していた。

 そんな中、先月30日、維新の藤田文武共同代表と麻生氏らが会談を行い、その場で麻生氏らから「伏してのお願い」だと説得された藤田氏は年齢制限を受け入れたという。

 ちなみに、政府の皇室典範改正案では、麻生氏の妹である寛仁親王妃の信子さま、また、麻生氏のめいにあたる彬子さまと瑶子さまは養子を受け入れることができるようになるという。

(2026年7月15日放送分より)

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