
全国でクマの出没が相次ぐ中、なんと住宅に侵入し「冷蔵庫を開けて、食べ物をあさる」クマまで現れました。クマはどこまで頭がいいのか? その知能を検証しました。(7月18日OA「サタデーステーション」)
夏休みに警戒・相次ぐクマの出没
報告・畑中彩里ディレクター(秋田・仙北市 午前11時ごろ)
「こちらの施設では、中で子どもたちが遊んでいますね」
子どもたちにとっては、待ちに待った夏休み。秋田県仙北市では市役所の一角が子どもたちの遊び場として開放されていました。
保護者(秋田・仙北市)
「家だと手狭なので。出てきて遊ぼうかなって。(クマが)いるところは行かないようにしようかなと思っています」
秋田県内では、春以降クマの出没や被害が相次いだことから、外で遊べない子どもたちのために施設の無料開放などの対策を行っています。
7月に入ってもなお、クマの出没は相次いでいます。17日夜、北海道更別村では、40代のハンターの男性がクマに襲われました。駆除しようとした際に両腕をクマに噛まれ、重傷です。
報告・田中昌貴ディレクター(仙台市・宮城野区 午前10時ごろ)
「かなり大規模な草刈りが行われています」
仙台市宮城野区では、7月に入ってからクマが相次いで出没。出没は市街地を流れる川の周辺に集中しています。
周辺住民(仙台市・宮城野区 午前11時ごろ)
「外に出ようとした時にちょうどパトカーが止まっていて。『クマが出ているので、外出ないでください』って。本当にまさかです。家の前に出るんだなって」
住宅侵入だけでなく…冷蔵庫開ける“賢さ”目立つクマも
7月9日に岩手県雫石町の住宅に現れたクマ。防犯用の警告ライトが点滅していても、撮影者が大声を上げても、すぐに逃げるような素振りは見せませんでした。別の住宅では10日、勝手口からクマが侵入し、かりんとうやクッキーなどのお菓子を食べました。
クマが自宅に侵入した 山本光雄さん(岩手・雫石町 11日)
「大きいですよ。私の身長と同じくらいありましたから」
被害が相次ぐ中、建物に侵入されるだけではなく、台所にあった冷蔵庫が開けられる被害が。
被害住民の親族(岩手・雫石町 14日)
「粉物の砂糖を探して。あとは小麦粉があったみたいなので。そっちの方が手をつけていたが、(袋を)裂くだけで終わっている」
付近では、その後クマ一頭が捕獲されていて、住宅に侵入した個体かどうか鑑定を進めるとしています。
どれだけ賢い? “クマの知能”を独自検証
数々の映像にとらえられてきた、クマの賢さ。冷蔵庫さえ開けてしまうクマの知能は、どれくらいなのでしょうか。番組では、新潟県胎内市にある動物園、樽ケ橋遊園に取材の許可を得て、クマの学習能力を検証しました。協力してくれるのは、ツキノワグマのくーちゃんです。専門家の監修のもと、クマの展示室の端に冷蔵庫を設置。冷蔵庫に入れたリンゴを自ら取り出せるかどうか、手順を追ってみていきます。
【冷蔵庫のリンゴを自ら食べる?】実験(1) 扉を開けた状態
午前7時、実験開始。まずはリンゴが冷蔵庫にあることを認識させるため扉をあけた状態で。
報告・藤澤愛ディレクター
「クマがゆっくりと出てきました。一直線に冷蔵庫の方に向かっています」
冷蔵庫に向かうも、すぐにエサに気づくことはありませんでした。
報告・藤澤愛ディレクター
「床の匂いを嗅いでいますね」
実験を監修・鳥獣被害対策のコンサルティングを行う山本麻希さん
「新しい木の匂いに多分反応しているんだと思いますね」
今度は、冷蔵庫の匂いをくんくん。興味は示すものの、普段置いていない物に警戒している様子も。その後、タイヤに乗ったり、冷蔵庫の前で座り込んだりしたクマ。
そして、実験開始から18分後…
ようやくリンゴを発見し、食べ始めました。
報告・藤澤愛ディレクター
「中からリンゴを。あ、食べていますね」
【冷蔵庫のリンゴを自ら食べる?】実験(2) 扉を半開きの状態
次に、扉を開ければリンゴがあることを示すため、扉を半開きで試してみます。今度も、クマはほぼまっすぐに冷蔵庫へ。
実験を監修・鳥獣被害対策のコンサルティングを行う山本麻希さん
「最初の時点で危ないものではないということ、中に美味しいものがあったという、この2つを学習していますから。警戒する行動は2回目の方が減っていましたね」
冷蔵庫の前から離れることなく約30秒。寝ころんだ拍子に。
報告・藤澤愛ディレクター
「冷蔵庫が開いて、それでびっくりしましたね」
大幅に時間を短縮して、約2分でリンゴを食べました。
【冷蔵庫のリンゴを自ら食べる?】実験(3) 扉を完全に閉めた状態
では、最後は扉を完全に閉めた状態で試してみました。
報告・藤澤愛ディレクター
「今度は、冷蔵庫と反対側。ぐるりと岩をまわって」
今度はすぐに冷蔵庫に向かうことはなく、暑いのか。水の中へどぼん。
報告・藤澤愛ディレクター
「水で体を冷やしているようです。人間もかなり暑いので」
それでも、やっぱり冷蔵庫が気になるのか。5分ほどでしょうか、冷蔵庫の前から離れようとしません。
実験を監修・鳥獣被害対策のコンサルティングを行う山本麻希さん
「きっとこの中にあるはずだというのは、おそらく匂いの位置から理解をしていて、ただ扉が簡単には開かないから、どうしようどうしようっていう状態」
試行錯誤を繰り返す仕草をみせていた、約4分後。
報告・藤澤愛ディレクター
「今、冷蔵庫をあけました。立ち上がって、中のリンゴを食べています」
完全に扉を閉めた場合でも自分で扉を開けてリンゴを取ることが出来ました。
一連の結果について専門家は。
実験を監修・鳥獣被害対策のコンサルティングを行う山本麻希さん
「試行錯誤しているうちに、たまたま扉に手がかかって開いて食べたと。そういう風にみました。わずか2、3回でこれだけ学習しているわけなので、次はもっと早く開けられるんじゃないかと思いますね」
驚くべきクマの学習能力 出没相次ぐ中どう対策?
あらためて浮きぼりになった、クマの知能の高さ。
鳥獣被害対策のコンサルティングを行う山本麻希さん
「体重比で大脳の大きさがとても大きい動物だと言われていますし、学習能力ですね。前にいい思いをした経験があるものを学習したり、それを長期的に記憶する力がある動物」
人の住む家の中にまで踏み込んでしまうクマ。私たちはどう気を付ければいいのでしょうか?
実験を監修・鳥獣被害対策のコンサルティングを行う山本麻希さん
「何回かその家の周りにあるエサに餌付いてしまっているクマが、だんだん大胆になって民家侵入にいたったのではないかと思っているので、家の周りのものをしっかり管理していただく。雨戸とかシャッターがあるお宅はそういうのを閉めた方がより安全かなと思います」
