サッカー日本代表・中村敬斗(25) 運命を分けた後悔シーン 武器である本能プレーの重要性を改めて確認

 サッカーのFIFAワールドカップ2026、日本代表の悔しい敗戦から2週間が経ちました。大会直前、中村敬斗選手(25)に松岡修造さんが話を聞き、その思いを語ってくれました。考えないでプレーをする、本能を大事にする中村選手。初めてのワールドカップで何を感じたのか、松岡修造さんが改めて話を聞きました。

運命を分けた「後悔」シーン

松岡さん
「日本に帰ってきても、ワールドカップは見ている?」

中村選手
「見ていないです、全く。見るの嫌ですね」

松岡さん
「憧れの選手たちが、みんないるわけですよ」

中村選手
「もしブラジルに勝ってたら、僕らがノルウェーとやってたとか考えちゃう。そういうのも嫌なんで。後悔していますね、あのシーンは」

 考えてしまう後悔とは、一体どんなことなのでしょうか。中村選手にとって初めてのワールドカップ。それはセンセーショナルなゴールから始まりました。

 オランダとのグループステージ初戦。先制を許した直後でした。中村選手のシュートが決まり、日本は同点に追いつきます。

「人生で間違いなく、一番いいゴールでしたね」

松岡さん
「人生イチ?」

中村選手
「間違いないと思います」
「一言で言うと、イメージ通りだった。僕がボールを持って、久保選手にスルーパスを出して。久保選手がドリブルで相手を引きつけている時に、僕は中に入っていって。感覚的には久保選手があそこで持ったら、パスが来るのは分かっていて。パスが来た時『こうしよう』って頭の中でイメージあって。それがイメージ通りにいった」

オランダ戦で「本能シュート」

 ワールドカップ直前、中村選手は自身のプレースタイルについて話していました。

「本能でやるというところは大事にしているかなと思うんですけど」
「ロナウジーニョ、大好きで。ブラジルのサッカーに魅了されていて」
「教え込まれたようなプレーじゃなくて、本能で思うがままに動く」

 18年前、ロナウジーニョ選手に憧れた8歳の中村選手は、父親に頼み込み、ブラジル旅行を実現。現地の子どもたちとボール1つで会話をする。そんな経験が中村選手のプレーの原点となりました。

 ワールドカップの大舞台で決めたオランダ戦のゴール。それは中村選手のプレースタイルそのものでした。

松岡さん
「あれは本能にしか見えなかった。だって、あそこからシュートすると思ってないから」

中村選手
「本能です」

松岡さん
「本能シュート?」

中村選手
「本能シュートです(笑)頭の中でイメージができているんです」

松岡さん
「画が見えたわけですか?」

中村選手
「画が見えてます。考えてはないです、正直」

 さらに、続くチュニジア戦。中村選手は思うがままに、ドリブルで相手をかわし先制点をアシスト。この活躍で、中村選手はグループステージのベストイレブンに選出。エムバペ選手(27)、メッシ選手(39)などスター選手と肩を並べました。

悔しい思いをしたブラジル戦

 しかし、決勝トーナメント1回戦。立ちはだかったのは、小さなころから憧れていたブラジル。

「緊張していましたね。運命的だなと思うんですけど、感情的なところが入ると、あまり試合でうまくいった試しがないので、『普段通り、やることは一緒』というので臨みました」

 試合は前半、ブラジルの猛攻を受けながらも日本が先制します。

 佐野海舟選手(25)が前半に先制点を決め、1点リードのまま迎えた後半開始直後。中村選手が後悔していると語ったシーンが訪れます。

 一見、見過ごしてしまいそうな中村選手のプレー。相手ディフェンダーと1対1の状況がポイントだったんです。

「一番後悔しているところです。仕掛ければ良かったなと思っていて。普段なら仕掛けていると思うんですけど、僕の中では1-0でリードしているんで、無理にドリブルで仕掛けて引っ掛けるよりも、セーフティーにつないでクロスとか。ボールを持った時に『どうしようかな』って考えちゃった」

 本来の中村選手ならドリブルで相手をかわそうとした場面。しかし、1点リードの中、ドリブルをカットされるよりも、パスミスでボールを奪われた時のほうが、カウンターを受けるリスクは少ないと考えたのです。

松岡さん
「敬斗さんは本能をすごく大事にしてました。どんなものが邪魔した?」

中村選手
「考えている時点で本能じゃない。『これ行こうかな、どうかな』と迷っている時点で本能じゃないんですよね。消極的じゃなくて、アグレッシブにいけばよかったなと。後悔していますね、あのシーンは」

 いつも通りプレーできず、悔しい思いをしたブラジル戦。だからこそ、自分の武器である考えない本能のプレーの重要性を改めて感じています。

松岡さん
「ワールドカップを通して最も自分が得たものは何だったと思いますか」

中村選手
「変わらないのが一番大事だと思う。オランダ戦・チュニジア戦で結果が出ている時は、外的な要素に影響されずに本来の自分を出せる。『いつも通りやる』っていう。何か特別なことをしようじゃなくて」
「自分らしくというのは、本能で動く、体が勝手に動くっていうのが、自分の中で一番ベストなプレーができるので、それが答えですね」

後悔が本能を強化

徳永有美キャスター
「松岡さんに聞きます。中村選手は『後悔している』と話していましたが、考えてみれば後悔が本能を強化するという面もありますか?」

松岡さん
「まさにそうだと思います。話してて、間違いなく、憧れの対象変わったんだなと思います。もちろんブラジルに対して憧れはありますが、それ以上に将来の自分自身に憧れたいって言ったんです。それは同じワールドカップの舞台で、同じ場面で、本能でのプレーをする自分と言ったんです。これは最強です。なぜなら周りにコントロールされない。自分自身がどうやればこの経験を経て、本能でプレーができるかって分かってるんです。たどり着くと思います」

(2026年7月17日放送分より)

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