
今度の日曜日は、土用の丑(うし)の日。今年はウナギが豊漁で、価格が安くなっています。さらに、カツオや岩ガキなど海の幸にも今年は変化が出てきています。
ウナギ豊漁 質よし価格よし
暑い夏でも香ばしい香りが食欲をそそるうなぎ。今週末の土用の丑の日を前に、早くもうなぎ専門店は大盛況。使われているのは、愛知県の「一色産うなぎ」です。
うなぎの兼光 加藤朝也マネージャー
「身が柔らかくて肉厚で、脂のりがいいというのが特徴」
ウナギの出荷が最盛期を迎えている一色うなぎ漁業協同組合。全国有数のウナギの生産地です。
高級食品でもある国産ウナギですが、実は今年ある変化が起きています。
一色うなぎ漁業協同組合
田中三千雄代表理事組合長
「去年から今年、シラスウナギが豊漁でしたので、価格も少し安くなって、2割か3割くらい安いのかなという気がします」
去年から豊漁となったウナギの稚魚であるシラスウナギを半年ほどかけ、養殖で大きく育てたため、今年のウナギは去年より値段が安いといいます。
値段が下がったことで需要が高まり、想定外の事態になっています。
田中代表理事組合長
「土用丑に向けての生産が間に合っていない」
「こういったバルブが付いている所、(本来は)全部埋まってます。よく売れているということですね」
ここは「立て場」と呼ばれる、きれいな水で泥抜きをしてウナギを生きたまま保管する場所。しかし、現在は在庫が半分以下の状態になっているといいます。
田中代表理事組合長
「今年は思いがけず、天候のおかげなのか、よく売れてます。暑くないと、ウナギは売れない」
安さに加え、暑さも売れ行きが伸びている要因です。
市内のうなぎ専門店では…。
加藤マネージャー
「きょうは一番多くて約150人くらい(入店を)待たれてましたね」
中には、3時間待ちの人もいました。
客
「やっぱり土用の丑の日が近い」
「(暑いと)精がつくもの食べたくなりますね」
一方、焼き場の温度計は46℃。灼熱です。
従業員
「焼き場、暑いです。大変ですけど、お客さん喜んで食べてます。うれしいです」
首都圏「今年安い」BBQで
値下がりしたうなぎは首都圏の消費者にも届いています。
うなぎ売り場を例年の3倍に拡大した埼玉の鮮魚店。どれも例年の1割から2割ほど安くなっているといいます。
角山魚類 川口店 遠山幸士店長
「今年は本当にお安くなっています。この価格はもう十数年ぶりだと思います」
そのため、売り上げも例年の1.5倍ほどと好調だといいます。
うなぎを購入した客
「今年、安いですね。(普段)こんな値段で買えない」
「消費者は助かります」
娘夫婦や孫のために国産うなぎを2尾購入した男性は、バーベキュー用に購入したうなぎを家族に振る舞います。
うなぎを購入した客
「うれしいですね。払ったかいがあります」
海異変 黒潮大蛇行が終息
シラスウナギの大豊漁の要因の一つとして考えられるのが、黒潮大蛇行の終息です。
黒潮大蛇行とは、本来、日本の南岸を流れる黒潮が紀伊半島の辺りから大きく南に曲がって流れる現象。シラスウナギは黒潮に乗って北上するとされていますが、大蛇行で生息域が変わり、漁獲量が減少したとみられています。
今回の大蛇行は2017年から7年9カ月もの間続きましたが、去年終息。シラスウナギは再び日本近海に現れるようになったということです。
東京海洋大学講師 ながさき一生さん
「(黒潮大蛇行の)終息宣言自体は昨年の4月だったんですけれども、今まさにそれ(魚の生育する環境)の変化の時というところだと思います」
カツオ豊漁 気仙沼で活気
過去最長だった黒潮大蛇行。その終息はシラスウナギ以外にも、さまざまな海の幸に影響を与えています。
ベルトコンベアからあふれんばかりのカツオ。おととし、28年連続水揚げ日本一を達成した宮城県の気仙沼漁港。しかし。
気仙沼魚問屋組合 小野寺健蔵組合長
「去年は大変でしたよね。死活問題で」
去年は例年にない不漁で、千葉県の勝浦漁港に1位の座を明け渡すことに。今年は一転、黒潮大蛇行の終息による海流の変化などの要因もあり、去年の同時期と比べ、およそ8倍の水揚げ量を記録。豊漁だった2024年に迫るペースだといいます。
「最高だよ」とカツオを片手にポーズする漁業関係者も、笑顔を浮かべます。
2年ぶりの豊漁に、気仙沼漁協の幹部も安堵(あんど)の表情を浮かべます。
気仙沼漁業協同組合 臼井靖専務
「今のところ(水揚げ量が)順調に来ているので、豊漁の年だと言えると思います。今年はちょっと脂ものって品質的にもいいので、手頃な値段で良いカツオを提供できているのではないかなと思います」
水揚げされたばかりのカツオが並ぶ漁港の市場には多くの買い物客の姿がありました。
買い物客
「(Q.きょう、どう食べられる?)刺身ですね。自分も岩手なので、三陸のものは世界一ですね」
「ちょうどこれぐらいで安いんじゃないかなと思います」
「ニンニクをタレにして、生で食べた方が一番カツオはおいしいって言うから」
去年の不漁を知る店員は、今年のカツオの購入に太鼓判を押します。
気仙沼お魚いちば 店員
「去年はこれの倍の値段がした。(カツオ)1本で4、5000円くらいの値段だった。今年はその半分の値段で、結構お手頃な値段になっています」
岩ガキ特大 今が旬
この夏、海のうれしい異変は、気仙沼市から遠く離れた大分県佐伯市でも起きていました。
買い物客の目を引いていたのは、今が旬の岩ガキ。「海のミルク」とも呼ばれ、大ぶりの身に濃厚でクリーミーなうまみが特徴の岩ガキですが、今シーズン、ある異変が起きています。
丸二水産 橋本正恵さん
「去年に比べて形も大きいし、特大サイズが多い」
例年に比べサイズが大きい、天然の岩ガキが育っているといいます。実際に見せてもらいました。手のひらサイズにまで、巨大な岩ガキが育っていました。
「(Q.何キロくらい?)1キロくらいですね」
さらに橋本さんによると、サイズだけでなく「取れる量も去年に比べ、2倍近くに増えている」といいます。
「(栄養が黒潮に運ばれて)豊後水道の入り口から入ってくる。西野浦の湾内を巡って沖に出る。これの繰り返しをやっているんです。良い栄養が入ってくるから、(海に)力があるんです」
去年、黒潮大蛇行が終息し、黒潮が岩ガキの育つ湾内に近いルートに戻ったことで、これまで以上に豊富な栄養が運ばれてきているとみられています。
そんな、栄養たっぷりの岩ガキを丸二水産では味わうこともできます。定番の蒸しガキはもちろん、チーズをのせて焼いても絶品。カキフライも食べ応えがあります。
福岡県から岩ガキを求めて訪れた男性はこう話します。
「スケール感がすごいですね。十分クリーミーなんですけど、肉厚な感じで身のおいしさをよく感じる。きょう食べられて、本当に満足です」
ただ、橋本さんには気がかりなこともあります。
「海水温の上昇です。気温も35℃を平気で超えるし、海の温度も上がるでしょうから。カキは暑さに弱いと言われているから、非常にそれを心配して警戒しています」
(2026年7月21日放送分より)
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