22日の参議院沖縄北方地方特別委員会において、立憲民主党の杉尾秀哉議員が副首都法案について「顔を洗って出直してこい」などと、政府および法案提出者を厳しく追及した。
杉尾議員は冒頭、本法案を通すための会期延長に抗議した。その上で、大災害に備えた首都のバックアップ体制などの目的には異論はないとしつつ、「どう見てもこの法案は維新の会のための法案」と指摘し、今国会での成立にこだわる理由をただした。
法案提出者の簗和生衆院議員は、東京圏への一極集中に伴う少子化や、首都直下地震や富士山噴火といった大規模災害発生時の危機管理リスクを挙げた。
これに対し杉尾議員は、副首都の要件として政令に規定される災害が首都直下地震と富士山噴火の二つの災害に限定され、南海トラフ巨大地震が入っていない理由を問うた。
提出者の岩谷良平衆院議員は、特定の災害リスクをもって直ちに指定から除外するのは適切ではないと答弁。その上で、東京圏との同時被災の可能性がある地域はバックアップを担うのにふさわしくないため除外する考え方にいたっており、現時点で想定し得る大規模災害として首都直下地震と富士山噴火を挙げていると説明した。
杉尾議員が「大阪におけるリスク」を確認するため南海トラフ巨大地震発生時の大阪の被害推定を尋ねると、内閣府の貫名功二審議官は国の中央防災会議のもとに設置したワーキンググループが昨年の3月に公表した被害想定については最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、大阪府において最大震度6強、津波最大5メートルで、死者約9900人が想定されると答弁した。
さらに杉尾議員は、宝永地震から49日後に富士山大噴火が起きた事例を挙げ、東京圏の被害を問うた。貫名審議官は、都心で15日間に10センチ前後の降灰が想定され、交通機関やインフラに影響が出る可能性があると答えた。杉尾議員は、連動型災害への専門家の警鐘を挙げ、東京と大阪の同時被災リスクが考慮されていないと追及した。岩谷議員は、南海トラフ地震が東京圏の首都中枢機能維持を困難にする想定はないとしつつ、複数の副首都が指定されていれば、同時被災時でも別の副首都が代替機能を担うと説明した。
続いて杉尾議員は、法案の附則に大都市法改正案が盛り込まれ、特別区を設ける副首都を「都」へ名称変更できる点について、副首都指定と大阪都構想の因果関係をただした。
提出者の高見亮衆院議員は、副首都の機能発揮には道府県と中核都市間で事務を一体的に処理できる体制が必要であり、特別区設置はその要件の一部を満たすと説明。名称変更は体制を設けることを明確にするための特例だと答弁した。
杉尾議員は、特定政党の政治目的に法案が利用されていると指摘したが、高見議員は、要件を満たせばどの都道府県でも手を挙げられるため大阪ありきではないと否定した。提出者の宮下一郎衆院議員も、特別区に限らず連携協約等で体制を確保できれば要件とする考えを示した。
その後、杉尾議員は副首都の選定基準や想定箇所数、国費投入規模の概算を示すよう求めた。簗議員は、要件の詳細は政府で検討され、指定は自治体からの申し出に基づくため箇所数は予断を持って言えないと回答。予算規模も、指定地域での追加整備の有無を確認する過程を経なければ数字は出ないと説明した。
最後に杉尾議員は、地方の負担等の議論が定まっていないまま進められていることを問題視し、本法案は現時点では成立させるべきではないと主張した。そして「顔を洗って出直してこい」と述べ、質問を終えた。
(ABEMA NEWS)

