
食料品にかかる消費税について、各党の代表が集まって協議に協議を重ねていましたが、結局、意見の隔たりは埋まることなく、最終的な判断は、減税を“悲願”とする高市総理に委ねられることになりました。
減税の財源 なお見つからず
議長を務める自民党の小野寺税調会長が示した、来年4月の食料品消費税1%案について、22日も与野党の溝は埋まらず、平行線をたどりました。

自民党 小野寺五典税調会長
「元々、夏前までにということでしたが、すでに梅雨も明けていますので、私共としては早めに結論を得るべく、最後の調整をしていきたい」
3月の第1回からほぼ週1回のペースで開催されてきた、この会議。数えること、22日で20回目です。先月、16回目に議論になった消費減税の財源。先送りを意味する「P」になっていた部分については、その後「歳出・歳入全般のあらゆる見直しを通じて確保する」としましたが、具体的には何も決まっていません。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「結局は国民会議に長い議論を経てきましたけれども、つなぎの措置はまとまらずということが、現時点における結論だと思います。事実上きょう、ある意味、物別れだと思いますし、まとまらないということでまとまったと言ってもいい」
野党は「恒久減税」「給付」主張
振り替えってみると、今年2月、食料品消費税の減税に強い意欲をみせる高市総理は、野党側の参加を広く呼び掛けました。

高市早苗総理大臣
「野党や有識者の皆様にも参画をいただきながら、国民的議論を進めることを考えています。野党のご協力が得られれば、夏前には中間取りまとめを行い、必要な税制改正関連法案を国会に提出する」
「野党にも責任を負わせようとしているのでは」との見方もありました。そして半年近く議論を続けた結果、2029年度から所得に連動した給付制度を導入することについて、与野党が大筋で合意しています。
折り合いがついていないのは、制度開始までの2年間の“つなぎ”をどうするか。野党からは減税の恒久化や給付を求める声が上がっています。

中道改革連合 赤羽一嘉税調会長
「減税が終了後は、生活必需品である飲食料品の大増税。1%から8%まで引き上げることは国民生活へのダメージが大きすぎる。財源を明確にして恒久的に継続をする」

立憲民主党 熊谷裕人税調会長
「アメリカのイラン攻撃で、原油高や石油由来の製品が高騰している。生活を圧迫されている方がものすごく増えた。即効性のある給付で、本当に物価高にあえいで生活苦を感じている皆さんへ届くような給付措置をするべきだ」

国民民主党 浜口誠政調会長
「我々としては所得制限を設けずに、社会保険料の還付付き税額控除。1000万人程度の方に、まず年内の給付を考えたらどうか」

国民民主党 古川元久税調会長
「与党の皆さんと議長案が消費税でってなったから、もうそこで入り口で完全に、その先に行かない」
与党幹部「公約を軽く見すぎ」
先の衆院選で物価高対策として党が競うように公約に掲げられた消費税減税。議論がまとまらないことに、与党側は。

日本維新の会 藤田文武共同代表
「国民会議が始まってしまうと、国民さんは消費減税5%も『やめや』と言ってるし、中道さんなんかは、うちと自民党さんは2年間って言ってましたけど、(中道は)恒久化しろと、その財源はこれだと。その財源で言ってた、何でしたっけ?何かの何かの、それも『やめや』とかいう話で私は理解してるんですけど。ちょっと公約を軽く見すぎなんじゃないかな」
結論は来月上旬までに。残された時間は多くありません。

自民党 西村康稔選対委員長
「政権としては、約束した食品の消費税は下げるということ、私はやっぱりやるべきだと。高市総理が真っすぐな、ぶれない姿勢を示していけば、また支持は回復していく」
なぜ難航?物価高対策に“疑問の声”
政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。
(Q.消費減税は高市総理の悲願だったはずですが、国民会議でまとめるのは困難ですか)
千々岩森生記者
「消費税については、国民会議は事実上“空中分解”と言っても言い過ぎではないと思います。各党で統一した方向性を出すことは、ほぼ不可能な状況になってきています。そもそも国民会議という器は『給付付き税額控除』の議論が本丸でした。そこに選挙を経て『消費税』という別の具材を入れ込んで、まとまるか分からない中で発車していった。与野党の思惑も絡む中で、消費税については漂流していった形です。高市総理は『悲願だ』と強調していました。私は見ていて、2月に選挙が終わってすぐに、与党で法案まとめて国会に提出をしていれば、スピード感を持って、今頃成立していたのではないか。来年4月よりももっと早く実施できていたのではないかという印象も持っています」
消費税減税の効果については専門家からも疑問の声も出ています。エコノミストの熊野英生さんはこう指摘します。

ABC経済研究所 熊野英生さん
「消費税減税は物価高対策としての有効性はあまり感じられない。食料品は年平均5.8%アップとなっていて、このペースだと、1年3カ月ほどで減税分7%を上回ることになり、事実上の値下げ効果が長く続かない可能性がある。足元ではイラン情勢による原油高で値上げラッシュが再燃する恐れもあり、減税効果がさらに早く消失する可能性も。減税のタイミングで、価格転嫁に踏み切る業者が増える予想もあり、2年後に税率を戻す時のダメージも大きい。社会保障費の財源でもある消費税。その減税分を具体的にどう穴埋めするのかも決まっていない」
(Q.問題も指摘されていますが、消費減税の実現に向け、最後は高市総理が決断するになりますか)

千々岩森生記者
「高市総理は間違いなく決断すると思います。高市総理が消費税減税の腹を固めたのは、解散を決断した直後の1月。それ以降、官邸を取材していますが『消費減税をやめよう』という雰囲気は一切ないです。逆に言うと、やるという結論は決まっているのに、取りまとめに時間がかかったことで『本当に消費税減税をやるんだろうか』という疑念を世論に生じさせているのが現状だと思います。今回の報道ステーションの世論調査で内閣支持率は10ポイント以上、下落しました。一方で、消費税については支持する声が多いです。官邸内では、こうした調査を受けて『むしろ絶対にやらなければいけない』というムードが広がっています。総理側近は『消費税をやらなければ政権が終わる』と危機感もにじませています。消費税減税を与野党の総意という形ではなく、通常の法案と同じように、与党に賛同する野党を加える形で、秋の臨時国会で成立を図っていく流れになりそうです」
