
命に関わる危険な暑さが続いています。24日は、三重県桑名市と岐阜県美濃市で40度を超え、国内では4日連続の酷暑日となりました。救急搬送される熱中症患者も急増しています。実際に搬送された患者を取材しました。
【画像】“後遺症”リスクも…重症患者が語る熱中症の怖さ 全国で急増する救急搬送者数
全国で急増する救急搬送者数
22日に熱中症で救急搬送されてきた女性(70代)。

熱中症で救急搬送 女性(70代)
「(搬送理由は)よく分からない。何でかが分からない、自分では」
自宅のベランダで意識を失い、1時間後に近所の人に発見されたといいます。
熱中症で救急搬送 女性(70代)
(Q.普段と変わりない)
「自分では…びっくりしている」

命に関わる暑さは24日も。国内では4日連続の酷暑日、史上最長の“災害的暑さ”の記録と並びました。消防庁がまとめた全国の救急搬送者数を見ると、去年の同じ時期と比べると、その数は約2.2倍、実に1万人以上が熱中症で運ばれています。中でも突出しているが、大都市圏の東京・愛知・大阪です。
“突然意識を失った”男性(59)
大阪市では24日も、熱中症の疑いがあるとして、日中だけで77件の119番通報がありました。

24時間体制で救急患者を受け入れる『大阪暁明館病院』。熱中症の患者は今月だけで14人が入院しています。体の異変に気付かないまま進む症状。それはトラックドライバーの男性(59)も同じでした。

トラック運転手(59)
「トラックを積み込みに行かないといけないので炎天下で積んでいたら、いつもと違う感じで。最後もうちょっとで終わりというところで、もう立てなくなって、そのまま」
外での荷下ろし。水分補給など注意をしながらの作業でしたが、突然、意識を失ったといいます。
トラック運転手(59)
「来てから、おしっこ出なかったんですよ。(医師から)『行こうか?』って行ったら出たけど、そんなに大量には出なくて。やっぱり脱水症状ですよね」

男性は入院による治療が必要な『中等症』と診断されました。中等症では頭痛や吐き気、強いだるさなどが現れ、放置すれば重症化する恐れがあります。病院に搬送される人のうち、約4割を占めます。
脱水状態で内臓に機能障害

トラック運転手(59)
「仕事場だったので周りの人が皆助けてくれて、ここまでなったんですけど。誰もいないところで倒れたらどうにもならない。死ぬ直前とは言わないけど危ない」
この男性の場合、熱中症による影響は腎臓に現れていました。
大阪暁明館病院 松谷聡医師
「腎臓そのものが悪くなるということも時にはあるんですけれども、それよりも脱水によって腎臓に入ってくる血流が足りない」
入院日数はどの程度になるのでしょうか。

大阪暁明館病院 松谷聡医師
「点滴を行って脱水が解除されると、すぐに元気になる人もいて。口からものが食べられるように飲めるようにすぐなれば、比較的短期で済むこともあります。ただ、まれですけど寝たきりになることも」
深部体温40度で危険な状態に

その重症患者の治療を行っている病院があります。愛知医科大学病院、高度救命救急センター。男性(70代)は22日の搬送時、深部体温は40度に上昇、意識障害やけいれんの症状もありました。

愛知医科大学病院 高度救命救急センター 渡邉栄三センター長
「臓器障害の発症も懸念されたので、迅速に体温を下げる必要があるのと、臓器障害に対しても迅速に対応していく必要がある状態」
冷水シャワーで徹底的に体温を下げ、けいれんを止める薬も投与しました。その結果、男性は喋れるまでに回復しました。

男性(70代)
「重体でもうだめかな。周りからみればそんな感じだった。ある程度、意識も戻って、今どこにいるのかやっと分かった。最短コースでなんとか元気になってきた。もうちょっとがんばれば何とかなるかな。必死に治療していただいて、ここまでの生活ができるようになった」
重症化は後遺症リスクもUP
全国でも初期の頃からドクターヘリの運用を始めた病院。このヘリを使って、今月は2人の熱中症の患者が搬送されました。
重症化すれば後遺症リスクも格段に上がると、渡邉医師は話します。

愛知医科大学病院 高度救命救急センター 渡邉栄三センター長
「意識障害やけいれんが長引く患者は、中枢神経系の後遺症も懸念される。それ以外にも肝臓とか腎臓とか重要臓器も傷めてしまう。腎臓が悪くなると、透析にならないかを注意して見ないといけない」

名古屋市では、女性(80代)が自宅で意識のない状態で倒れていたのを家族が発見。その後、死亡が確認されました。熱中症の疑いがあります。
改めて医師が伝えたいことは。

愛知医科大学病院 高度救命救急センター 渡邉栄三センター長
「自分は大丈夫だろうというのは誰しも思うことで。症状が出る前にリスクがある日がある。酷暑日であったり。1口多めに水分を取る。塩分を取る。症状が悪くなってからだと遅いこともあるので」
暑さに不慣れ“ノーマーク熱中症”

全国の熱中症の救急搬送者の数は7月に入って増えています。全国の週ごとの熱中症による救急搬送者の状況を見ると、13~19日は1万857人となっています。6月までは毎週1000人前後でしたが、7月に入って急に増えました。

東京も全国と同様に、7月に入って急増しています。13~19日は783人でしたが、今週はさらに増えています。まだ週の途中ですが、日ごとの速報値を足してみると、24日午後9時までで、すでに1648人となっていて、先週の倍を超える数になっています。
熱中症の患者が増えている状況について、熱中症総合研究所の所長、三宅康史医師に聞きました。

熱中症総合研究所 三宅康史医師
「暑い日が2週間前後続けば体が暑さに慣れてくるが、今年は暑さに慣れる間もないまま、突然の“夏本番”の気温にさらされ、体が対応できなくなる。いわば“ノーマーク熱中症”の患者が多かった。患者にみられる症状は例年と変わらない」
この厳しい暑さを前に、私たちはどう過ごしていけばいいのでしょうか。

熱中症総合研究所 三宅康史医師
「外出時間をできるだけ減らす。室内環境は温度28度以下、湿度70%以下を目安に。外に出ざるを得ない場合でも、休憩を増やして熱ストレスを減らす。睡眠時間を増やす。睡眠中の脱水を防ぐため、就寝前にコップ1杯の水を飲む。3食をしっかり食べる。少なくとも暑さに慣れてくる8月半ばまでは、熱中症に警戒をしてほしい」
