元自衛官は“即戦力” 射撃訓練も行う「入国警備官」とは? 今後の外国人政策も解説

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【映像】テロリストの逃走を阻止する激しい訓練(実際の様子)

 政府は、7月28日に不法滞在者の摘発や入国審査にあたる入国警備官と入国審査官を合わせて200人以上増員することを閣議決定した。不法残留者数の高止まりや在留外国人の増加に対応するための措置で、テレビ朝日政治部の佐々木一真記者がその狙いや背景について解説した。

【映像】テロリストの逃走を阻止する激しい訓練(実際の様子)

 今回増員される職員のうち、「入国審査官」は空港での出入国手続きや、在留資格の審査をする業務を主に担う。一方、「入国警備官」は現場の最前線で不法滞在などの疑いがある外国人の自宅へ赴いて摘発を行ったり、摘発した外国人を収容施設へ連行・管理したりする業務を行う。また、帰国を拒否する外国人に対し、海外まで飛行機に同乗して送還する業務も含まれる。不測の事態に対処するため、採用時には体力試験が課されるほか、法律で携帯が許可されている拳銃の射撃訓練や、大盾を用いた制圧訓練などの専門的な訓練を受けている。

 今回決定した増員規模は、入国警備官が約50人、入国審査官が約180人の計200人以上となり、政府関係者によると年度途中でこれほどの規模の増員を行うのは極めて異例とされる。背景には、不法残留者数が約6万3000人と高止まりしている現状があり、増員された入国警備官については、4年連続で不法残留者が最多の茨城県へ重点的に配置される方針となっている。日本国内の在留外国人数は2025年末時点で400万人を超えて増加傾向にある中、入管法違反者で見ると国別ではベトナム、タイ、中国の順に多く、違反理由の約9割はビザの期限が切れたまま滞在するオーバーステイが占めている。

 増員にあたり政府は、退職した自衛官の採用・活用を検討している。自衛官は専門的な訓練を受けており現場での不測の事態に対処できる即戦力である点に加え、多くの階級で定年退職が56歳前後と早いことや、20代から30代半ばで退職する任期制自衛官が存在することが理由に挙げられる。自衛隊の定員充足率が約88%にとどまる中、定年後の再就職支援を通じて自衛隊のなり手を増やす狙いもある。元警察官や元消防隊員なども積極的に採用したい考えだが、政府関係者は、都道府県ごとの採用が基本である警察・消防に比べ、自衛官の方が途中退職する人が多く、活用の余地が大きいとみている。平口洋法務大臣も、元自衛官について「即戦力」として期待を寄せている。

 高市政権下における外国人政策は、在留資格審査や帰化要件を厳しくするなど、全体として厳格化の方向で進められている。今後の大きな議論のテーマとして浮上しているのが、日本の総人口に対する外国人の割合に上限を設ける「総量規制」である。現在、日本の総人口における外国人の割合は約3.26%となっているが、この割合に上限を設定し、その範囲内で受入れを行うという考え方だ。総量規制は高市総理と日本維新の会の吉村氏による連立合意の中にも検討項目として挙げられており、政府は有識者会議を立ち上げて今年度中に人口戦略を策定する方針である。自民党内では、地方の農業や漁業、工場などの人手不足を背景に上限設定に慎重な声がある一方、少子高齢化の中で若年層で外国人が占める割合が増加し偏りが生まれることを懸念する声もあり、今後の議論が本格化する見通しだ。

(ニュース企画/ABEMA

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