
今回の熊本地震の震源となったのは『日奈久断層帯』という活断層だとみられています。断層が走る被災地を取材すると、地表に現れた断層のずれをいくつも確認できました。現地調査した専門家によると、この地域では数千年に1度程度だということです。そこから見えたものとは。
【画像】数千年に一度“地表に現れた断層”熊本地震の震源とみられる『日奈久断層帯』とは
約80キロ『日奈久断層帯』とは

橋げたが外れた高速道路。そのすぐ側にクッキリと見える地割れ。地中の地震断層が地表に現れたものとみられています。

この下には、今回の地震を引き起こした日奈久断層帯があるとされています。日奈久断層帯は、熊本県の北東から南西方向に伸び、長さは約80キロ。断層帯の上では、地震断層による地面の亀裂が多数確認されています。

最大震度7を観測した氷川町で、地質学の専門家の調査に同行しました。

九州大学理学研究院 尾上哲治教授
「地表地震断層と考えられる断層が、この白線をずらしています。奥側の地面が右に動いているように見えます」
この道路では、もともとつながっていた白線が、地面がずれたことで分断されてしまいました。メジャーを置くと、1メートルほど道路がずれていることが分かります。尾上教授は、地中の地震断層が地面に表れたと指摘します。

九州大学理学研究院 尾上哲治教授
「この地域では“数千年に一度”。地表に地震断層は現れない」
市街地を通る“珍しい断層”
さらに、2キロほど離れた住宅地でも地表地震断層とみられるものが。
九州大学理学研究院 尾上哲治教授
「ここを見ると、側溝が真っすぐ続いてますが、この亀裂を挟んで側溝が右側の奥に動いていますよね」

ここでも亀裂を境に地面がずれています。亀裂は住宅の方まで伸びています。
九州大学理学研究院 尾上哲治教授
「日奈久断層帯は幅を持たせて想定されていますが、ピンポイントでどこが動くかは地震が起きないと分からない」

断層帯は、山と平野の境界などに想定されていることが多く、市街地の中を通るというのは珍しいといいます。住宅の敷地に亀裂が入っている人も。
住民
「こっちから向こうの方にもひび割れみたいな」
(Q.修復にはどれくらい)
「何とも言えんですね…」
すぐ側の田んぼでは、本来まっすぐ伸びているはずのあぜ道が途中から切れてずれています。地面の亀裂を境に田んぼの奥がずれた上、少し隆起したようです。

九州大学理学研究院 尾上哲治教授
「余程、規模の大きい地震でないと地表には現れてこないもの」
全国に散らばる“Sランク”活断層
地面のずれは数キロにわたって確認されていて、かなり規模が大きい断層のずれだといいます。

60年在住
「この辺を見渡すと、あそこが隆起していてびっくり。日奈久断層は知ってはいたけど、びっくりしました。まさかここを走ってるというのは初めて」
政府の地震調査研究推進本部によると、日奈久断層帯は今後30年以内に地震が発生する確率が3%以上の『Sランク』です。同様の活断層は、日本に36あるとされています。
