NHKは5日、番組出演者から職員が性被害を受け、その後PTSD(心的外傷後ストレス障害)となり休職する事案があったと発表した。同日開かれた記者会見では、調査検討委員会が指摘した組織対応の問題点と、再発防止に向けた取り組みが説明された。
【映像】記者からの質問「フジテレビ問題の教訓は?」(実際の様子)
NHKの説明によると、委員会は被害の深刻さに照らして必要だった特段の配慮がなされず例外的な対応の影響を懸念して前例踏襲に終始したこと、また、組織的な対応が欠落し、関係者の間で事案の重大性や事実関係について共通認識が形成されず、対応方針や役割分担の検討も十分に行われなかったこと、そして重大な人権侵害事案でありながら、組織として再発防止策の検討が行われなかったことを指摘。
背景としてNHKの組織内に人権に関する知識の不足、通報ルートの不明確さ、復職場所などにおける過度な現職主義、主治医や産業医の意見の軽視、PTSDへの理解不足、職員の消極的姿勢、組織の構造的な機能不全が挙げ、人権侵害事案に断固たる姿勢を示すこと、人権デューデリジェンスの実施、対応部署や通報ルートの明確化、専門家へのアクセス拡充、研修の充実などを提言したという。
これを受けNHKでは今年1月、「ハラスメント防止・撲滅宣言」を公表、今月1日には「ハラスメント防止規定」を改正し、出演者や取材先を含めたカスタマーハラスメントへの対応を強化。「NHK人権方針」の策定や「職場のメンタルヘルスケアガイド」の改定を行ったとした説明。「本件は被害そのものも重大な人権侵害事案だったが、その後の協会の対応によって被害者にさらなる負担を与えてしまった。重く受け止めている」と述べ、「人権・人格の尊重を組織文化として定着させ、誰もが安心した働くことのできる職場づくりに取り組む。そして、再発防止を徹底する」と話した。
番組出演者への対応について記者に問われると、NHKは「調査結果を踏まえ、加害者側には被害者保護や心理的安全性確保の観点から、被害者との接触を避けるよう申し入れている。出演者側からは真摯に対応すると約束してもらっている」と回答した。
(ABEMA NEWS)

