ボランティア活動“本格化”も…“見えない避難者”も 全容つかめず 7000人超が避難

ボランティア活動“本格化”も…“見えない避難者”も 全容つかめず 7000人超が避難
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熊本県内で、一時、1万人を超えていた避難者の数は、5日午後6時の時点で、7122人になりました。しかし、自宅での避難や車中泊を続ける人など、避難者の全体数は把握できていません。

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7000人超が避難

5日午後4時半過ぎ、総理官邸では、熊本地震非常災害対策本部会議が開催されていました。

高市総理
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高市総理
「現在も約7100名の方々が、避難所での生活を余儀なくされております。そして、さらに多くの方々が、在宅避難や車中泊を続けています。丁寧にニーズを確認しながら、一人一人に合った対応をお願いします」

震度7を観測した宇城市に自宅がある伊藤実さん(71)。
停電は解消しましたが、相次ぐ余震への警戒もあり、いまも車中泊を余儀なくされていました。

伊藤実さん
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伊藤実さん
「家が心配で(避難所へ)行けません。誰もいなくなって、何かあったら怖いから。1人は残った方が良いかなと。結構、いろんな(不審な)車が来ているよという話も聞いたし」

10年前の熊本地震で起きた窃盗事件
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10年前の熊本地震では、発生から2カ月の間に、窃盗事件が43件、検挙されています。

全国から応援に入った警察がパトロールをしていますが、すべての地域を回り切れている訳ではありません。行政の支援も届きにくい環境のなかで、家族の支えが頼りです。

伊藤実さん
「(Q.物資や飲み物は)娘や息子が、避難所からいろんなものを持ってきてくれる。やっぱり、ありがたいですね」

八代市にある福祉施設には、いまも電気は来ていません。
施設の敷地では、工場などで使われる大型の発電機がうなりを上げていました。

福祉施設せんり鏡 太田昭二施設長
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福祉施設せんり鏡 太田昭二施設長
「国土交通省が持ってきてくれた。これでエアコン、空調機を使っている」

エアコンとエレベーターに、優先的に電力を回しているから、明かりは消えたままです。

福祉施設せんり鏡 太田昭二施設長
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福祉施設せんり鏡 太田昭二施設長
「エレベーターって電力を食う。車いすとか杖歩行の人は、階段は無理かな。懐中電灯を持って、乗ってもらう。真っ暗です。(発電機の)容量があるので、節約で」

それでも、入所者は避難所に行かず、施設で“在宅避難”を続けています。

福祉施設せんり鏡 太田昭二施設長
「結構、認知症の人がいるので、よそに移ると、認知症がひどくなったり、帰って来たときに、ここはうちじゃないとなって、認識が変わってしまう。出来る限り、避難所に行かずに、ここで過ごす。場所や行動を変えてしまうのは、認知症の人には、負荷がかかる」

DMAT(災害派遣医療チーム)
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施設の細かいニーズを拾い上げていたのは、DMAT=災害派遣医療チーム。避難所以外の状況まで、役所の人員だけでは、把握しきれないのが現状です。

DMAT 深澤高広医師
「毎日、何十もある施設を、まずは電話で連絡して、その中からピックアップして、ニーズの必要なところには、直接、うかがっている」

被災宅訪問で“ニーズ調査”

宇城市では、ボランティアによる活動が本格的にスタートするのを前に、事前調査が行われています。被災した家を一軒一軒まわり、“困りごと”を調査するのは、社会福祉協議会の職員です。

ボランティア
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宇城市では、被災した自治体の中で最も多い4600の家屋に被害が出ています。

4日までは、障がいや病気などで、日ごろから手助けを必要とする人が優先でした。5日から、一般家庭の調査に着手しています。

住人
「160年、建つ家。明治の前にできている。見てわかるでしょ、傾いているのが」

社協職員
「石の上に木を積んでいる昔の家ですね」

地割れ
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日奈久断層帯が近くにあり、家の裏手に地割れができました。

社協職員
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社協職員
「『かわらの片付けを、先にしてほしい』と依頼しましょう」

10年前はなんとか耐えましたが、今回は、解体せざるを得ません。室内の仏壇やピアノの搬出には人手が必要です。

住人(71)
「7代ですかね。とうとう僕で潰さないといけないのかと。悲しい。手伝いに来てくれる人が、何人かいないと、とてもじゃない。もう気力が失せてしまう。あまりにも多いものだから」

被災者の中には、親戚の家や車中泊などで自宅を離れていて、把握できていない“見えない被災者”も、まだいるといいます。

宇城市社会福祉協議会 川村将人主任
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宇城市社会福祉協議会 川村将人主任
「(Q.“見えていない被災者”にどんな手が届く必要)社協としては、民生委員さんと力を合わせ、民生委員さんが回ったものを、ニーズとしてあげてもらっている。なるべく高齢者が早く情報をもらえるように進めていきたい」

ボランティア活動“本格化”も…

御船町では、地震の2日後、高校の敷地内に、いち早く、ボランティアセンターを立ち上げました。

被災地域の高校生
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ボランティアの半数は、県外から駆け付けていますが、被災地域の高校生も多く参加しています。

被災地域の高校3年生(益城町出身)
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被災地域の高校3年生(益城町出身)
「10年前とほぼ変わらない。同じ立場になった人を、少しでも助けたい気持ちがあった」

体が不自由な住人
「うれしいですね。自分でできないことをしてもらうので」

5日までに、被害が甚大な八代市と氷川町を除く、9つの自治体で、ボランティアの受け入れがスタートしています。

“見えない避難者”のケアが課題

宇城市によりますと、指定外避難について「すべての人数は把握していない」とのことです。そのうえで「車中泊の人数も加味して物資は確保しているので、近くの避難所に取りに来ていただければ」と話していました。


◆こうした指定外避難について、10年前の熊本地震で、避難所や支援物資の状況などを調査した熊本大学・竹内裕希子教授に聞きました。

竹内裕希子教授
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竹内教授は「コロナ後、“分散避難”の考え方が広まり、車中泊や在宅避難も選択肢の一つになった。こうした分散避難は、把握されにくく、物資も届けにくい。また、今回のように真夏の避難となれば、熱中症以外にも、さまざまな健康リスクや災害関連死の恐れが高まるため、指定外避難者の情報を把握する必要性も大きくなっている」といいます。

竹内裕希子教授
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現在、市町村の災害対応は、ほかの自治体からの応援など、行政職員を中心とした計画が主になっています。
竹内教授は「り災証明の交付などは行政職員しかできないが、地域の声かけなどは、行政職員以外でも可能。ボランティアや地域の防災士・民生委員なども含めて、役割分担を事前に検討する体制があれば、避難者の把握にも有効」と話します。さらに、「スマホの位置情報データを利用して、点在する車中泊の位置や数などを把握することは難しくない。そうした把握方法を、自治体の外とも連携しながら、導入していくことは、今後、十分、可能」と指摘します。

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