■巧妙に仕掛けられた「4つの罠」とマインドコントロールのメカニズム
愛子が仕掛けた「4つの罠」を分析していく。1つ目は、「『兄さん』と呼んで信頼を醸成すること」だ。三輪氏は「『兄さん』という呼び方は誰にでも使えるため、本来はここで疑うべきだった。相手の名前を覚えなくていい、悪質極まりない常套手段だ」と指摘する。
2つ目は、「2人だけの秘密の共有」だ。愛子は「私たちだけの秘密」と繰り返し、高倉氏を周囲から切り離していった。三輪氏は、モラハラを行う夫婦関係においても、相手を友人関係から切り離したり、干渉して口止めしたりする手法がよく使われると説明する。「2人だけの秘密と言われると嬉しくなるかもしれないが、関係を断たせようとする人にどんなメリットがあるか、という視点が極めて大事だ」と注意を促した。
3つ目は、「“希望”と“絶望”の交互供与」だ。「不動産が売れる」といった甘い言葉(希望)を囁いた直後に「少し遅れている」などの不安(絶望)を煽ることで、相手の判断力を奪う手法だ。三輪氏は、これを「感情のジェットコースターに乗せている状態」と表現し、「本人は危険なジェットコースターにたった一人で乗せられていることに気づかず、判断能力が鈍り、麻痺していく」と分析した。
4つ目は、「使ってしまった費用の呪縛」だ。これまで費やした時間、感情、お金が大きすぎるため、引き返すという選択肢が見えなくなる心理を指す。三輪氏は「客観的に見れば、70年の人生のうちのわずか2年間だが、当事者にとっては『今』が最新であるため、直近の2年間が非常に大きく感じられる」と述べた。
さらに、SNSのダイレクトメッセージを通じて「あなたの投稿に興味を持った」という連絡が自身にも頻繁に届く経験を明かし、こうしたDMへの警戒を呼びかけた。その上で、「お金も大事だが、心を奪われていることが一番厄介。被害に遭った時のウキウキする気持ち自体は責められないが、騙す側の手口を学び、注意を払う必要がある」と語った。
(『わたしとニュース』より)
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