「昔の病気」ではない…大阪でも集団感染と死者 韓国では毎日3〜4人死亡 「結核」のリアル

ABEMA GLOBE
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【映像】結核治療のために国を渡った女性

 「過去の病気」と思われがちな結核が、今なお世界中で猛威を振るっている現状や課題について、朝日新聞GLOBE編集部関根和弘記者が解説した。

【映像】結核治療のために国を渡った女性

 WHO(世界保健機関)の2024年推計によると、世界における結核の罹患者数は1070万人、死者数は123万人に上り、単一の病原体による死因としては最も多い。BCGワクチンや抗生物質の普及により一定の改善は見られたものの、結核の治療には最低でも6〜9カ月におよぶ長い期間が必要であり、毎日大量の薬を服用しなければならない。副作用の辛さから途中で服薬を断念する患者も多く、治療の中断によって菌が突然変異を起こし、薬に対して耐性を持つ「多剤耐性結核」へと深刻化することが世界的な問題となっている。

 朝日新聞GLOBE編集部は今回、結核のリアルな脅威を解き明かすべく韓国、ジョージア、インドネシアへと直接飛んで海外現地取材を実施。世界各地の生々しい実態や対策の最前線を追った。

 韓国では、現在も毎日3〜4人が結核で亡くなっており、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で発生率は2位、死亡率は3位と高い水準にある。結核は空気感染するため密閉空間での集団生活で広がりやすく、10代後半の罹患率が高かったのは、徴兵制による訓練所での共同生活が一因として指摘する論文もある。現地で取材した30代の男性は、15人ほどが寝食を共にする密閉された訓練所での生活により、2度目となる結核に感染した体験を語った。こうした現地の実態を受け、韓国政府が19歳時点の兵役判定検査に潜在性結核の検査を導入した結果、人口10万人あたりの感染者数は大幅に減少している。  

 世界で2番目に結核患者が多いインドネシアでは、早期発見と確実な治療継続に向けた現場の取り組みがなされている。現地では富士フイルム製の軽量な携帯型X線撮影装置「Xair」が導入され、政府は年間数千万人規模の検査を目標にしている。さらに治療管理の現場では、スマート薬箱とスマホアプリを連携させた「BABAT TB」というシステムが運用されており、薬箱のセンサーで薬の取り出しを確認し、服用の様子をスマホで撮影・共有することで服薬の徹底を図っている実態を捉えた。  

 また、かつてソ連を構成していたジョージアで行った現地取材では、体制崩壊後の医療の乱れや内戦によって治療が途絶えた結果、既存の主要な薬が効かない「多剤耐性結核」やさらに深刻な「超多剤耐性結核」が蔓延した過酷な歴史と現状が浮き彫りになった。取材に応じた現地の40代女性は、国内での治療に限界を感じてヨーロッパへ渡り、その先で急遽開発された未承認薬の投与を受け、3年に及ぶ死闘の末に奇跡的に完治を果たした壮絶な体験を明かした。  

 こうした海外現地取材による深刻な実態の一方で、日本においても結核は決して過去の脅威ではなく、今年6月には大阪市内で40代男性が死亡し、同じ事業所の14人が集団感染する事態が起きている。高齢者からの感染や高蔓延国からの入国による感染例もあり、早期発見と確実な治療継続、そして古くて新しい病気としての正しい現状認識が求められている。

(朝日新聞/ABEMA

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