「生きてる意味がない」軒先で避難生活続ける理由 熊本・被災地で見た“地域の絆”

「生きてる意味がない」軒先で避難生活続ける理由 熊本・被災地で見た“地域の絆”
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最大震度7を観測した『令和8年熊本地震』の発生から1カ月。まだ手付かずで倒壊した家屋がそのままになっている所もあれば、重機による解体や撤去が進んでいる所も。一方で、倒壊した自宅の軒先で避難生活を続ける人たちもいます。過酷な状況の中でも、ここにいたい。土地を離れたくない。地域に根付く人と人の強いつながり、そのコミュニティーをどう維持していくのかを取材しました。

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県内の断水「全て解消」発表

令和8年熊本地震
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死者は関連死も含めて38人。住宅被害は5万3000件以上にも及び、今も避難所に2400人以上が身を寄せています。一方で28日、熊本県は全ての地域で断水が解消したと発表するなど、一歩ずつ前へと進んでいます。

震度6強を観測した八代市鏡町。一部では瓦礫の撤去が進んでいますが、川沿いを歩くと…。

小木逸平
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小木逸平
「横は鏡川ですが、これは1つの家屋だったのでしょうか。半分がズレ落ちるように崩れて、川の真ん中に崩落しています。地震から1カ月が経ちますが、まだこのままです」

被災地で見た“地域の絆”

軒先避難
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この地域で、家の中には住めないため、ガレージなどに寝泊まりする“軒先避難”を続ける夫婦がいます。

津田宜治さん(78)
(Q.暑いですね)
「今日はいい。昨日よりいい」

津田春美さん(74)
「今からが暑いの。日が照って。沈んだらそうでもない」

30年近く地域を見守ってきた津田宜治さんと、妻の春美さん。車の横にマットレスを敷き、家電も置いて生活しています。なぜその選択をしたのか。その答えは、ふいにやってくる“訪問者”です。

近隣住民
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近隣住民
「(新聞)見てみて」

津田春美さん
「私が載っている」

また別の人は。

近隣住民
「甘いのとかはいいですか」

津田春美さん
「あります」

この場所で暮らす意味を改めて聞きました。

津田宜治さん
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津田宜治さん
(Q.毎日近所とつながりがないと)
「それは生きている意味がない。ここにいると1日に人が来ない日はない。誰かが来る。必ず来る。同じ1日の生活だって、変化がないと生きている意味がない。自分が生まれて育ったから、やっぱり最後まで居たい。離れた方が早いんだけどね」

工場再開の地元企業“支援募集”

火乃国食品工業
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避難生活が長期化する中、人々の暮らしを支える上で雇用も欠かせません。地場産業を守るため、新たな一歩を踏み出した企業があります。熊本の特産品『白玉粉』です。

火乃国食品工業 鷲尾新治社長
「もう俺、心折れまくるわ。去年は大雨。今年は地震。ほんとにやめてくれよ」

ようやく工場の一部が再開できたのは24日のことでした。

火乃国食品工業 鷲尾新治社長
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火乃国食品工業 鷲尾新治社長
「(地震の)翌日から5人、また翌日は10人、どんどん来て、ずっと復興作業をしてくれた。そういう姿を見て、雇用をしっかり守っていかないといけないなと」

クラウドファンディング
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従業員約90人。その雇用を守るために始めたのがクラウドファンディング。目標金額は1000万円です。

火乃国食品工業 鷲尾新治社長
「宇城市小川町で約120年弱、白玉を作ってきたので、この伝統を私の代で切らすわけにはいかない。社員と共に乗り越えていくしかないかなと」

地域支えたスーパー廃業を決断

地域にとって“かけがえのない”場所でありながら、廃業を決めた所もあります。地域密着型のスーパー『カガミユーウマート』。地震の2日後には店を開いたといいます。

小木逸平
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小木逸平
「ここは地震の時のままなのでしょうか。ガラスがまだ散乱していますし、棚には一切商品が戻っていません。一部に商品を集約させているんですね」

被害がより甚大な2階を案内してもらいました。

カガミユーウマート
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小木逸平
「壁が割れていますね。線が横に構造自体に入ってしまっている感じなんですか」

ガラスは落ち、天井も崩落していました。

カガミユーウマート 片山孝治社長
「奥の黒いやつは全部倒れていました。それは元に戻して。やっぱり子どもたち多かったです。この辺がないからですね。こういうゲームとか」

老若男女が集う場所を襲った地震。店は、在庫を売り尽くしたところで廃業するという、苦渋の決断しました。

カガミユーウマート 片山孝治社長
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カガミユーウマート 片山孝治社長
「従業員に解雇通知を出した」
(Q.何人くらい)
「役員入れて40名近くいました。本当につらいし残念です」

そんな父の姿を近くで見てきたのは長女の純菜さんでした。

片山社長の長女 純菜さん
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片山社長の長女 純菜さん
「家族で一番頑張っていたと思うので。感謝でしかないし、一番尊敬する人がやっぱりお父さんだなって。今まで頑張ってきたものが一瞬でなくなってしまうのがショックですね」

買い物客からは…。

女性
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女性
「皆と話をする所だったのが、だんだんなくなって寂しい」
(Q.買い物だけではなく、コミュニティーの場だった)
「保育園のお友達のお母さんとかにもたまに会ったりして。『久しぶり』と言ったりもあった」

地震から1カ月。壊れた建物だけでなく、雇用やこうした地域のコミュニティーも修復が急がれます。

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